血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

天皇賞・秋(カンパニー)

2009-11-03 18:41:08 | 2009年GⅠ勝ち馬
カンパニー(ミラクルアドマイヤ×ブリリアントベリー-ノーザンテースト)牡・01生

主:6 結:5 土:2 弱:2 影:1 質[近]:1 質[遠]:3 SP:4 ST:3
合計:27点 クラス:1B 芝:7~10F ダ:7~9F
日本適性:○ 成長力:△ 成長型:早め 馬場適性:兼用 重馬場適性:○

 09年:天皇賞(秋)

 カンパニーの血統の前面でクロスしているのは、Northern Dancer4×3、Lady Angela6×4・5だが、系列クロスを形成しているのは後者のLady Angelaである。従ってLady Angelaが主導、としたいところではあるが、血統全体を鑑みるとNearco~Pharos(=Fairway)の影響が強く、おそらく主導はNorthern Dancerだと考えられる。

 しかしながら、決して明確な主導とも言えず、かなりちぐはぐな血統構成である。

 また、土台構造自体も貧弱で配合段階で考察をするならば決して推奨出来るものではない(おそらく配合段階ならLady Angelaが主導と見るか…)。

 しかしながら、主導内Lady Angelaを筆頭に、7連あるHyperion(Lady Angelaの影響からスピードよりに能力変換されている)、6連あるNasrullah(=Rivaz)がスピードをアシストし、Prince Roseが8代目Spearmintで結合しスタミナをアシストする等、少ないクロスでシンプルにまとめているのは見てとれる。このシンプルさと素軽いスピードの集積が、カンパニーの武器だと言えるのは間違いないだろう。

 カンパニーの血統や活躍を見るにつけ、血統への不思議はつのり、未だ勉強不足を痛感させられる。

菊花賞(スリーロールス)

2009-10-26 18:56:03 | 2009年GⅠ勝ち馬
スリーロールス(ダンスインザダーク×スリーローマン-ブライアンズタイム)牡・06生

主:5 結:5 土:3 弱:6 影:3 質[近]:3 質[遠]:4 SP:3 ST:5
合計:37点 クラス:3B 芝:9~15F ダ:8~12F
日本適性:△ 成長力:○ 成長型:遅め 馬場適性:兼用 重馬場適性:○

 09年:菊花賞

 スリーロールスの血統は明確な主導が無く、Nearco6・7×6・7・7、Bull Lea6・7×6で血統をリードしている。

 この両者は、Hail to Reasonの中間断絶を有効に活用させつつ、9代目Spearmintを介し、直接結合している。したがって両者は協力体制にあるとは言えるものの、その結合は決して強固とは言えない。また、6代目までに存在するクロスのうち、Sun Againは8代目Teddyに直接結合するものの、Mahmoud・Blue Swords(=Bluehaze)はHail to Reasonによって、なんとか結合している。したがって、主導・結合といったサラブレッドの血統において根幹をなす部分については、決して高評価は出来ない。

 しかしながら、この配合の最大の長所は、その強靭とも言えるスタミナ勢力である。具体的には、Plucky Liegeを伴うSir Gallahad(=Bull Dog)・Hyperion、7代目にあり結合は10代目になるものの、Prince Rose7×7や、単一クロスであるものの内包するスタミナ勢力が生きた、Graustark5×4等、質が高いスタミナを存分に生かした配合となっている。

 反面、スピード勢力はNasrullahとRoyal Chargerの呼応により、及第点を与えられるものの、父の主導となったAlmahmoudの欠落など(その為に長距離への適性を得ている側面もある為、痛し痒しだろうが)、決して日本の軽い芝向きのスピードは少ない。

 その為、国内では父や、BMSのイメージどおりのステイヤーだと言えるだろう。欧州の重い芝での走りを見てみたい配合馬。

秋華賞(レッドディザイア)

2009-10-20 13:28:38 | 2009年GⅠ勝ち馬
レッドディザイア(マンハッタンカフェ×グレイトサンライズ-Caerleon)牝・06生

主:6 結:5 土:1 弱:5 影:2 質[近]:3 質[遠]:4 SP:2 ST:4 特:1(主導牝馬クロス)
合計:32+1点 クラス:2B 芝:10~12F ダ:9~10F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:普通 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 09年:秋華賞

 主導はAlmahmoud5×6・6の系列クロスで、比較的明瞭な主導に見えるが、Hail to Reason4×5・6、Princequillo7×5もクロスしたため、主導としては不明瞭になった。

 しかしながら、Hail to Reasonによって結合のアシストを受けているのは見てとれる。更に、PrincequilloがPrince Rose8・8×6・8を伴い、血統の奥にもSir Gallahad(=Bull Dog)・Man o'War等、スタミナ面にはかなりの良さがあり、牝馬としてはかなり重厚。

 その為、距離は伸びたほうが良いタイプだろうが、土台構造の弱さ(父マンハッタンカフェに大きく由来するが)からくる不安定さには注意が必要だと考えられる。

 また、スピード面に関しては、これといった決め手をもったタイプではなく、質の高いスタミナを利して底力で勝負するのが最も向いていると考えられる。これが、かなり似かよった血統を持つブエナビスタとの大きな相違点だろうか。

 ただし、ことスタミナ面においてはライバルである、ブエナビスタを超えるものを持ち、12Fは問題なくこなせる。これは大きなセールスポイントで、本来は開花しにくい血統に見える(スタミナ優位かつ、世代の問題が比較的大きい為)。陣営の手腕は評価されてしかるべきだろう。

スプリンターズステークス(ローレルゲレイロ)

2009-10-20 13:17:29 | 2009年GⅠ勝ち馬
ローレルゲレイロ(キングヘイロー×ビッグテンビー-テンビー)牡・04生

主:4 結:3 土:4 弱:2 影:2 質[近]:1 質[遠]:3 SP:3 ST:3
合計:25点 クラス:3C 芝:8~10F ダ:7~9F
日本適性:□ 成長力:□ 成長型:遅め 馬場適性:兼用 重馬場適性:□

 09年:高松宮記念・スプリンターズステークス

 ローレルゲレイロは血統の前面でクロスを多用する、キングヘイローらしいと言える配合形態になっている。

 Turn-toを伴う、Hail to Reason4×6。Almahmoud・Nearco・Native Dancer・Hyperionを生かしたNorthern Dancer4×5・6。系列クロスを形成しているBuckpasser5×6。これだけのクロスを前面で多用しているにも関わらず、父内Pago Pago・Barraに弱点を抱え、決して褒められた配合では無い。

 また上記のクロス達は結合こそしているものの、9~10代目で結合を完了している為、決して強固とは言い難い。

 しかし、全く見所がない訳ではなく、主導と目されるHail to Reasonは血の集合力こそ弱いものの、Pharosが22ヶで土台構造を形成し、血統全体を底支えしているのは見てとれる。これが、ローレルゲレイロの能力の源泉だといえるかもしれない。

 ただし、総合的に見ると決して優駿のそれだと回答をするのは躊躇いを感じる血統だと言えるだろう。

ローレルゲレイロ(高松宮記念)

2009-07-25 19:55:20 | 2009年GⅠ勝ち馬
ローレルゲレイロ(キングヘイロー×ビッグテンビー-テンビー)牡・04生

主:4 結:3 土:4 弱:2 影:2 質[近]:1 質[遠]:3 SP:3 ST:3
合計:25点 クラス:3C 芝:8~10F ダ:7~9F
日本適性:□ 成長力:□ 成長型:遅め 馬場適性:兼用 重馬場適性:□

 09年・高松宮記念

 ローレルゲレイロは血統の前面でクロスを多用する、キングヘイローらしいと言える配合形態になっている。

 Turn-toを伴う、Hail to Reason4×6。Almahmoud・Nearco・Native Dancer・Hyperionを生かしたNorthern Dancer4×5・6。系列クロスを形成しているBuckpasser5×6。これだけのクロスを前面で多用しているにも関わらず、父内Pago Pago・Barraに弱点を抱え、決して褒められた配合では無い。

 また上記のクロス達は結合こそしているものの、9~10代目で結合を完了している為、決して強固とは言い難い。

 しかし、全く見所がない訳ではなく、主導と目されるHail to Reasonは血の集合力こそ弱いものの、Pharosが22ヶで土台構造を形成し、血統全体を底支えしているのは見てとれる。これが、ローレルゲレイロの能力の源泉だといえるかもしれない。

 ただし、総合的に見ると決して優駿のそれだと回答をするのは躊躇いを感じる血統だと言えるだろう。