血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

マイヨール

2009-09-22 22:30:54 | 06年生
マイヨール(セイウンスカイ×セイウンミネルバ-Summer Squall)牡・06生

主:8 結:3 土:4 弱:5 影:2 質[近]:2 質[遠]:4 SP:4 ST:3
合計:35点 クラス:3B 芝:7~11F ダ:7~10F
日本適性:□ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:兼用 重馬場適性:□

 マイヨールの主導は、Northern Dancer6×4の系列ぐるみ、その父Nearcticは7×4・5と世代ズレ気味だが効果は有ると判断した。したがって、Northern Dancer~Nearcticは血統全体を強力にリードした主導として効果を発揮している。

 この配合の最大の弱点は世代の問題であることは疑いようも無いが、血統全体をNearco~Pharos(=Fairway)で覆いつくし、そのPharos(=Fairway)が全体で22ヶと強固な土台を形成している。したがってその意味でもNearcticが有効だろうと判断した。

 しかしながら、かなり近親度が強い配合にも関わらず、Princequillo・Djeddah等は10代目まで遡らないと主導勢力と結合しないために、単純に結合に対する評価は低いものとなった。この部分がマイヨール最大の弱点で、上記のクロス馬達が持つスタミナの補給が心もとないために、本質的には中距離馬だと考えられる。もし距離延長に適性を見せるとすれば、母系クロスのSir Gaylord~Somethingroyalを目覚めさせた時かもしれない。

 確かに、近親度の強さや、主導勢力の位置の悪さ、中間断絶クロスの多用など決してシンプル且つあか抜けた配合とは言い難いのは疑いようが無い。しかしその中でもキラリと光る部分を持つ…それがマイヨールと言うサラブレッドを構成する血統だと考える。

 希少な父セイウンスカイ、更にはHyperion直系の血統を後世に残せる活躍を期待したい。

マイネルキッツ

2009-09-22 18:44:19 | 03年生
マイネルキッツ(チーフベアハート×タカラカンナ-サッカーボーイ)牡・03生

主:6 結:5 土:2 弱:5 影:3 質[近]:2 質[遠]:3 SP:4 ST:3
合計:33点 クラス:2B 芝:8~11F ダ:7~10F
日本適性:□ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:兼用 重馬場適性:○

 マイネルキッツは血統の前面でクロスを多用した配合で、Bold Rulerを主導とした、父チーフベアハートの良さである、シンプルさやNearco~Pharos系の流れを上手く生かせていない、やや勿体ない配合だと言える。

 その結果、血の流れがかなり不明瞭だと言える血統構成になり、主導としてはNasrullah5・6・6・8×6だと言えるものの、Lady Angela(系列クロス)を伴うNorthern Dancer4×5も中間断絶ではあるものの影響が強い。

 しかしながら、Northern Dancerクロスによって、結合のアシストを受けているのは見てとれる配合形態で、血統全体を眺めると痛し痒しと言ったところだろうか。

 また、血統の奥にあるもののBlenheim・Artist's Proof・Man o'War等の血がスタミナを主導勢力に直接、あるいは間接的に補給しているため、意外とスタミナにも良さがある。但し、本質的には中距離向きの配合だろう。更に軽いスピードには良さがある配合で、国内でなら早期の中距離で強いタイプだと推察される。

 最終的には、父系クロスBold Ruler4※5の影響もある為に(このBold RulerはFair Playの流れからスタミナを補給している)、徐々に距離延長に対する適性をみせるだろうが、決して過信は禁物で、更に言えば理論上はあまり推奨できない配合であるのは間違いないだろう。

アンライバルド

2009-09-22 16:57:33 | 06年生
アンライバルド(ネオユニヴァース×バレークイーン-Sadler's Wells)牡・06生

主:7 結:5 土:2 弱:6 影:3 質[近]:3 質[遠]:4 SP:4 ST:4 特:1(主導牝馬クロス)
合計:38+1点 クラス:1A 芝:9~15F ダ:~9~F
日本適性:△ 成長力:○ 成長型:遅め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 アンライバルドは、Almahmoud5×5を主導にした配合で、サンデーサイレンスを血統内に持つサラブレッドの基本的な血統構成をしている。次いで前面でクロスしている、Hail to Reason4×5によって欧米系統の結合をアシストしているが、若干ぎこちなさは残る。これは、Almahmoudを主導とした配合については全般的に言えることだが、欧米系統の結合をスムーズにするのはやや物足りない主導だとは言えるだろう。

 また、土台構造にも不満が残る配合で、影響度バランスは悪くは無いものの、常に安定感を期待できるタイプでもないと考えられる。

 しかしながら、この配合の最大の魅力はその重厚なスタミナ勢力で、血統の前面にはAlmahmoud・Hail to Reason・Fair Trial・等スピード系統が強いものの、7~8代目においてDonatello・Solarioがしっかりと生きたために、Almahmoud・Hail to Reasonについては、よりスタミナが強化されている。

 また、スピード面においてはTetratema・Nasrullahなど軽いスピードの血を押さえているために、合格点は与えられると考えられる。

 ただし、やはり全体的にはスタミナ優位の血統内容で、強調されたBMS、Sadler's Wellsを全開させた点も相まって、近年では珍しいスピードを兼ね備えたステイヤーだといえるだろう。本質は欧州のような深い芝向きの配合馬で、これからの成長に期待がかかる。

ナリタクリスタル

2009-09-13 21:47:27 | 06年生
ナリタクリスタル(スペシャルウィーク×プレシャスラバー-ペンタイア)牡・06生

主:7 結:4 土:2 弱:6 影:3 質[近]:2 質[遠]:4 SP:3 ST:4
合計:35点 クラス:3B 芝:9~12F ダ:8~11F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:普通 馬場適性:兼用 重馬場適性:□

 ナリタクリスタルの血統をリードするのは、中間断絶ではあるがNorthern Dancer5×4で、その中のNearco・Native Dancer・Almahmoud・Hyperionとクロスさせ、実質的に主導として効力を発揮している。

 しかしながら、この配合の最大の問題は結合及び土台構造の弱さで、実質的に5代目以内にはクロスがない、異系交配である点は考慮してもやや貧弱であると言わざるをえない。具体的には、Stymie6×6は9代目Fair Playで、Princequillo6×6・6・8は10代目Bayardoで何とか結合を完了している点である。したがって切れのあるタイプではなく、ある程度先行した方が良さが出るかもしれない。

 反面、スタミナに良さがある配合で、レディーシラオキ内のHarina(=プリメロ)は欠落したものの、その生かし方は良く本質は10F前後がベターだが12Fは何とか克服可能だろう。

 また、影響度バランスの良さや(5-5-8-3)や、これといった弱点のない血統構成からは、開花後の安定感を読み取ることが出来る。

 今後の飛躍を期待したい一頭。

リルダヴァル

2009-09-09 22:37:00 | 07年生
リルダヴァル(アグネスタキオン×ヴェイルオブアバロン-Thunder Gulch)牡・07生

主:6 結:6 土:2 弱:6 影:3 質[近]:3 質[遠]:4 SP:3 ST:5 特:1(主導牝馬クロス)
合計:38+1点 クラス:1A 芝:9~15F ダ:~9~F
日本適性:△ 成長力:○ 成長型:遅め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 リルダヴァルは血統の前面でこれといったクロスを作れず、血統全体をAlmahmoud5×7・7及びNasrullah6×7・7でリードした配合。したがって主導は不明瞭な血統構成ではあるが、両者はBlenheimを通じ結合し一応は協力体制にある。更にTurn-to5×7も中間断絶ではあるが、それなりの影響を持ち、主導評価に影を落としている。

 ただし、完全異系交配馬であるものの、これらの結合は7~8代目において完了し土台構造はやや弱いものの(同牝系のディープインパクトも決して強固ではない)、結合自体はかなり強固だと言えるだろう。

 更に、この配合の肝はその重厚なスタミナ勢力である。Donatello7×6・8をスタミナの核にしAlmahmoudへとスタミナを直接補給し、Sir Gallahad(=Bull Dog)・Djebel~Tourbillon~Ksar(Tourbillonについては10代目まで遡る必要があるが)とクロスさせ血統の前面にあるスピードを底支えしている。

 血統構成は明らかに晩成のステイヤーを示し、鍛え甲斐のある血統構成。課題は明らかにスピードの引き出しと、硬い芝への対応だが、Almahmoud・Nasrullahの他にPharamond(=Sickle)・Fair Trialと押さえるべき所は押さえている。

 是非、その素質の開花を期待したい。