血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

ラナンキュラス

2009-10-28 17:24:04 | 07年生
ラナンキュラス(スペシャルウィーク×ファレノプシス-ブライアンズタイム)牝・07生

主:6 結:6 土:2 弱:6 影:3 質[近]:3 質[遠]:4 SP:3 ST:5 特:1(主導牝馬クロス)
合計:38+1点 クラス:1A 芝:9~15F ダ:8~12F
日本適性:△ 成長力:○ 成長型:遅め 馬場適性:兼用 重馬場適性:□

 ラナンキュラスは血統の前面で、Hail to Reason4×4及び、Northern Dancer
5×5を作り上げているものの、実質的主導は5代目から系列クロスを形成する、Almahmoud5・7×7。従って、主導面においての評価は決して高くなく、Almahmoudを主導とする配合に付き物である土台構造の貧弱さも解消できていない。

 しかしながら、Hail to Reason(単一クロス)・Northern Dancer(中間断絶クロス)によって、結合面はかなり強固だと言え、近年多く見られる両者のクロスを有効活用しているのは見てとることができる。

 また、この配合の最大の長所はそのスタミナ勢力で、Donatello7×6によって主導たるAlmahmoudはスタミナに良さがあるAlmahmoudへと能力が変換されていると考えられる。更に、6~7代目にかけてBull Page~Bull Lea(その父Bull DogがPlucky Liegeを伴いスタミナ勢力となっている。)・Princequillo(結合自体は弱いが)等、非常に重厚でステイヤーとなれる可能性を秘める。

 スピード勢力はやや弱いものの、NasrullahとRoyal Chargerの呼応や、Menow等及第点は与えられるだろう。

 長い眼で鍛えて欲しい配合で、2歳戦での使いすぎで素質の芽を摘まれない事を願う。

スリーロールス

2009-10-26 18:57:39 | 06年生
スリーロールス(ダンスインザダーク×スリーローマン-ブライアンズタイム)牡・06生

主:5 結:5 土:3 弱:6 影:3 質[近]:3 質[遠]:4 SP:3 ST:5
合計:37点 クラス:3B 芝:9~15F ダ:8~12F
日本適性:△ 成長力:○ 成長型:遅め 馬場適性:兼用 重馬場適性:○

 09年:菊花賞

 スリーロールスの血統は明確な主導が無く、Nearco6・7×6・7・7、Bull Lea6・7×6で血統をリードしている。

 この両者は、Hail to Reasonの中間断絶を有効に活用させつつ、9代目Spearmintを介し、直接結合している。したがって両者は協力体制にあるとは言えるものの、その結合は決して強固とは言えない。また、6代目までに存在するクロスのうち、Sun Againは8代目Teddyに直接結合するものの、Mahmoud・Blue Swords(=Bluehaze)はHail to Reasonによって、なんとか結合している。したがって、主導・結合といったサラブレッドの血統において根幹をなす部分については、決して高評価は出来ない。

 しかしながら、この配合の最大の長所は、その強靭とも言えるスタミナ勢力である。具体的には、Plucky Liegeを伴うSir Gallahad(=Bull Dog)・Hyperion、7代目にあり結合は10代目になるものの、Prince Rose7×7や、単一クロスであるものの内包するスタミナ勢力が生きた、Graustark5×4等、質が高いスタミナを存分に生かした配合となっている。

 反面、スピード勢力はNasrullahとRoyal Chargerの呼応により、及第点を与えられるものの、父の主導となったAlmahmoudの欠落など(その為に長距離への適性を得ている側面もある為、痛し痒しだろうが)、決して日本の軽い芝向きのスピードは少ない。

 その為、国内では父や、BMSのイメージどおりのステイヤーだと言えるだろう。欧州の重い芝での走りを見てみたい配合馬。

菊花賞(スリーロールス)

2009-10-26 18:56:03 | 2009年GⅠ勝ち馬
スリーロールス(ダンスインザダーク×スリーローマン-ブライアンズタイム)牡・06生

主:5 結:5 土:3 弱:6 影:3 質[近]:3 質[遠]:4 SP:3 ST:5
合計:37点 クラス:3B 芝:9~15F ダ:8~12F
日本適性:△ 成長力:○ 成長型:遅め 馬場適性:兼用 重馬場適性:○

 09年:菊花賞

 スリーロールスの血統は明確な主導が無く、Nearco6・7×6・7・7、Bull Lea6・7×6で血統をリードしている。

 この両者は、Hail to Reasonの中間断絶を有効に活用させつつ、9代目Spearmintを介し、直接結合している。したがって両者は協力体制にあるとは言えるものの、その結合は決して強固とは言えない。また、6代目までに存在するクロスのうち、Sun Againは8代目Teddyに直接結合するものの、Mahmoud・Blue Swords(=Bluehaze)はHail to Reasonによって、なんとか結合している。したがって、主導・結合といったサラブレッドの血統において根幹をなす部分については、決して高評価は出来ない。

 しかしながら、この配合の最大の長所は、その強靭とも言えるスタミナ勢力である。具体的には、Plucky Liegeを伴うSir Gallahad(=Bull Dog)・Hyperion、7代目にあり結合は10代目になるものの、Prince Rose7×7や、単一クロスであるものの内包するスタミナ勢力が生きた、Graustark5×4等、質が高いスタミナを存分に生かした配合となっている。

 反面、スピード勢力はNasrullahとRoyal Chargerの呼応により、及第点を与えられるものの、父の主導となったAlmahmoudの欠落など(その為に長距離への適性を得ている側面もある為、痛し痒しだろうが)、決して日本の軽い芝向きのスピードは少ない。

 その為、国内では父や、BMSのイメージどおりのステイヤーだと言えるだろう。欧州の重い芝での走りを見てみたい配合馬。

トウカイテイオー

2009-10-22 15:24:42 | 私的名馬
トウカイテイオー(シンボリルドルフ×トウカイナチュラル-ナイスダンサー)牡・88生

主:8 結:7 土:3 弱:6 影:3 質[近]:3 質[遠]:4 SP:5 ST:4
合計:43点 クラス:2A 芝:7~12F ダ:8~10F
日本適性:□ 成長力:□ 成長型:普通 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 トウカイテイオーは、Nearco6×5・6・7を主導とした配合。その父Pharos(=Fairway)を5・6・7・7×6・7・7・8と血統全体に散在させ、血統を強力にリードしている。

 トウカイテイオーの血統を語るときに必ず引き合いに出されるのがMilesian3×5の効用であるが、具体的に見ていくとその凄さをまざまざと見せ付けられる。6代目までにあるクロスの全てである、Nearcoの父Pharosを7代目に、Hyperionの祖父Bayardoを8代目に(6代目Olympian Queen=Orthodoxの曽祖父)、Blenheim(=His Grace)の父Blandfordを7代目に、Massineの祖父Ajaxを9代目に、Tetratemaの父The Tetrarchを8代目に。更に7代目のクロスである、BuchanはOrthodox(=Olympian Queen)を通じ、Lady JosephineはSundridgeを通じ8代目で、クロス馬の全てをMilesianへと集めている。

 この、結合力は比類なき堅固さを誇れる内容で、トウカイテイオーというサラブレッドの根幹をなしている。また、抜群の影響度バランス(10-5-5-5)に弱点の無い血統構成。非常に安定感のある内容だと言えるだろう。

 スピードはTetratemaの決め手を筆頭に、Lady Josephine・Mumtaz Begum・The Tetrarchなど日本向きの血を生かし、非常に優秀。

 スタミナはスピードに比較するとやや劣るものの、Tourbillonを中核にHyperion・Blenheim(=His Grace)。血統の奥にあるもののSon-in-Law・Dark Ronaldなどこちらも優秀と言える。

 惜しむらくは、母の世代がやや新しすぎたために、土台構造がやや散漫になった点だが、平均レベルは確保されている。

 トウカイテイオーの血統は、配合を考える際にお手本と言える部分を多分に含む内容で、良血とは何かを考える際に非常に優秀な教科書の一冊だと言えるだろうか。

 主な勝ち鞍: 1着 - 皐月賞(G1)、東京優駿(G1)、ジャパンC(G1)、有馬記念(G1)、産經大阪杯(G2)

リディル

2009-10-20 14:05:10 | 07年生
リディル(アグネスタキオン×エリモピクシー-ダンシングブレーヴ)牡・07生

主:5 結:5 土:4 弱:5 影:2 質[近]:2 質[遠]:3 SP:5 ST:3
合計:34点 クラス:3B 芝:5~9F ダ:5~8F
日本適性:○ 成長力:□ 成長型:普通 馬場適性:兼用 重馬場適性:○

 リディルの血統は前面で、Bold Ruler5×6、Almahmoud5×6、Turn-to5×6とクロスを作成し、シンプルさからは程遠いものとなっている。

 しかしながら、彼らのリードで血統のスピードを最大限引き出したともいえる内容で、Fair Trial・Menow・Pharamond等がアシストした配合で、日本向きのスピード馬だといえるだろう。

 更に、Pharos(=Fairway)が19ヶで土台構造を形成する等、意外と見所がある血統。

 惜しむらくはスタミナの核の欠如だが、Hyperionを筆頭に、血統の奥にあるもののKsar・Sir Gallahad(=Bull Dog)・Man o'War等最低限は確保している。

 また、軽いスピードを生かすために良馬場が望ましいタイプだと言えるが、Bold Ruler内の影響から芝・ダート・重馬場兼用で、スピードの種類も豊富な事から、馬場や展開にある程度は対応可能な、非常に器用なタイプだと考えられる。