血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

フリオーソ

2010-07-21 17:42:54 | 04年生
フリオーソ(ブライアンズタイム×ファーザ-Mr.Prospector)牡・04生

主:7 結:6 土:3 弱:6 影:2 質[近]:2 質[遠]:4 SP:3 ST:4
合計:37点 クラス:3B 芝:9~12F ダ:8~11F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:普通 馬場適性:兼用 重馬場適性:○

 フラッテローザ全兄

 フリオーソの血統において前面でクロスしているのは、Hail to Reason3×5及びNashua4×4になっている。前者は途中2世代断絶する単一クロスの為、主導はNashua4×4の系列クロス。その父Nasrullahを3ブロックに配し、フリオーソの血統を強力にリードしている。但し、父母Kelley's Day内にはNashua~Nasrullahが存在せず、Romanの影響が強い為、総合的にはやや良いといった程度になった。

 また、結合面においてはHail to Reasonの単一クロスを有効に作用させ、また主導たるNashuaがSir Gallahad(=Bull Dog)を内包する為、Romanの流れも上手く結合させている。残念なのはHyperionの系列の結合がやや弱く、主導内においては、9代目Chaucerで結合が終わる点であるが、総合的には強固な部類に入るだろう。

 生かされた血の質は全体的に高く、そのスピード・スタミナを上手く主導に結合させた点が最大の長所で、重厚で国内の芝ではキレ負けする可能性が大。

 本質的には、米血の比率が高いうえRoman~Sir Gallahad(=Bull Dog)の影響が強い為ダート向きだとは言えるが、鍛錬を積めば芝対応も可能な血統構成。ただし、スピードにはやや欠けるきらいがある為に、結果的にダートを主戦場とする可能性は高い。

 長い眼で鍛えて欲しい、好素質の配合。

ショウワモダン

2010-06-15 15:46:17 | 04年生
ショウワモダン(エアジハード×ユメシバイ-トニービン)牡・04生

主:5 結:4 土:4 弱:5 影:3 質[近]:2 質[遠]:3 SP:4 ST:3
合計:33点 クラス:2B 芝:7~10F ダ:7~9F
日本適性:○ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 ショウワモダンは血統の前面で、Nasrullah(=Rivaz)5・6・6・7・8×5・6・7・7、及びHyperion5・7・8・8×5・7・7を形成した血統構成。両者は共に系列クロスを形成し、ショウワモダンの血統内において強力に自己主張をしている。また、両者において満遍なく血統を覆いつくし、かつ両者はChaucerにおいて結合を完了しているものの、連合勢力と言えるほどの協力体制を作り上げる事は出来なかった。従って、主導項目においての評価は並と言わざるを得ない。

 また、結合面においても、Blue Peter(=Full Sail)はPharos(=Fairway)で結合をきちんと完了をしているものの、Precipitationは結合できずその部分でも決して好評か出来るものでは無い。ただし、土台構造はかなり強固で、Pharos(=Fairway)が19ヶとこの部分については単純に評価に値するものと考えることができるだろう。

 また、ノーザンテーストが4代目に後退した事によって、血統表において大きな欠陥や弱点は存在せず、影響度バランスも(9-1-6-4)と悪くは無く、開花した場合には安定感がある配合だと言えるだろう。

 スタミナ勢力については、Hyperionが一応は核として機能してはいるものの、Lady Angelaやテスコボーイの影響が強く、決して万全とは言えず、Sir Gallahadは世代ズレをおこしている。その為、距離延長は本質的に不向きだと言えるだろう。

 反面、スピード勢力は数こそ多くは無いものの、比較的シンプルに日本向きの軽いスピードを生かした配合で、特に父父であるサクラユタカオーの生かし方は良く、サクラユタカオーの再現と言う意味においては、非常に良く出来た内容だと言えるだろう。

 決して、欧州の重い芝においてトップマイラーになるような配合とは言えないが、日本手作りの趣のある血統構成は、好感を抱くものである。出来ることならば、世界的に希少となった、Princely Giftの直系を遺してくれる活躍を願いたい(それは、真の意味において血統理論的と呼べるものでは無いだろうが…)。

ジャガーメイル

2010-05-13 14:27:04 | 04年生
ジャガーメイル(ジャングルポケット×ハヤベニコマチ-サンデーサイレンス)牡・04生

主:7 結:5 土:4 弱:2 影:3 質[近]:2 質[遠]:3 SP:4 ST:3
合計:33点 クラス:2B 芝:8~11F ダ:8~10F
日本適性:○ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:兼用 重馬場適性:○

 ジャガーメイルの血統を強力にリードしているのは、Northern Dancer4×4。このNorthern Dancerは、母母方ノーザンテーストと呼応したもので、当然Lady Angelaを伴う。また、BMSにサンデーサイレンスを配した為に、Almahmoudもクロスしている。この牝馬クロスで血統をリードした血統構成だと言える。したがって両者を内包したNorthern Dancerが中間断絶ではあるものの、実質的に主導として機能している。

 また、スピードを前面に押し出した配合ではあるものの、父方Hornbeam内のHyperionを5代目からクロスさせた事は、バランスの悪さを助長する側面を持つものの(トニービンやジャングルポケット産駒が距離延長に一定の適性を見せるものの、真のステイヤー足り得ないのは、このHornbeamのスタミナと位置の悪さが大きな影響を持つと考える)、スタミナのアシストを強力に受けられた事は幸いだろう。

 反面、父の弱点でもある米系統の欠陥を補正できなかったのは惜しまれる点で、オンリーフォアライフ・Pretty Waysなど近親度が高い配合の割りに、弱点を複数持ったのは成長力・安定感の面においては大きなマイナスだと考えられる。

 ただし、全体の配合としては(総合評価は2Bだが)大きな間違いは無い配合だと言え、Gainsboroughが19ヶで土台構造を強固に形成し、その仔Hyperionを13連持った為、クロスが少ないシンプルな血統構成と相まって仕上がった際の破壊力は十分に感じられる。

 惜しむらくは、前述の弱点とHyperion以外のスタミナの核を形成できなかった事だが、中距離向けの配合としては、見るべき点もある内容だと言えるだろうか。

アルナスライン

2009-05-01 20:10:19 | 04年生
アルナスライン(アドマイヤベガ×エラティス-El Gran Senor)牡・04生

主:7 結:5 土:3 弱:4 影:2 質[近]:3 質[遠]:4 SP:3 ST:4
合計:35点 クラス:3B 芝:9~12F ダ:8~10F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:遅め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 アルナスラインは血統の前面にNorthern Dancerの4×3及び、Tom Foolの5×5を作った近親交配馬。この両者は共に中間断絶の為、見た目ほど近親度は高く無いと言えるが、クロス馬の多さも相まってアルナスラインの成績に、いまひとつもどかしさをもたらしている要因であるとは言えるだろう。

 しかしながら、Northern Dancer内への血の集合力は非常に高く、中間断絶ではあるものの実質的に主導だと言える。具体的には、Nearco7・9・9・8・6×5・8、Almahmoud5・6×5、Native Dancer6×5・5、Hyperion7・8・8・6・7×6・7・6、が血統内に満遍なく配され、そのスピード・スタミナをNorthern Dancerへと補給している。また、Tom Fool内のクロスはPharamond(=Sickle)を通じ影響は弱いものの、間接的にアシストされている。

 距離適性は7代目前後のクロスにスタミナ型が多い点と、主導内で最も安定しているのがHyperion(=長ST)である為に一応12F迄としたが、本質的には10F前後が向くタイプだと考えられる。

 もどかしいタイプではあるが、血統内容自体は優秀で、仮に種牡馬としても使いでがありそうなので、勲章の1つ位はとっておいて欲しい。

ホクトスルタン

2009-04-30 00:11:19 | 04年生
ホクトスルタン(メジロマックイーン×ダイイチアピール-サンデーサイレンス)牡・04生

主:8 結:4 土:3 弱:3 影:2 質[近]:3 質[遠]:3 SP:3 ST:4
合計:33点 クラス:2B 芝:9~12F ダ:~9~F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:遅め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 ホクトスルタンは5代以内では、アウトブリードになる完全異系交配馬。主導はHyperion6・7×7・8・8・8の系列クロス。本来このHyperionは父Gainsboroughがクロスになるものの、Bayardo~Bay Ronaldoが断絶している。しかしながら、10代目にあるGay Crusaderの父としてのBayardoのアシストを受け明確な主導(系列クロス)として機能している。

 また、主導となるHyperionはPluky Liege6×8・9・9・9のアシストを受け非常に強力なスタミナをアシストされ、ホクトスルタンの長距離適性の源になっていると考えられる。またSolario6×9、及びUdaipur(=Umidewar)6×9のクロスは世代ズレの為に効果は疑問だが、この部分の引き出しに成功すれば、日本の芝ならば15F克服は十分に可能。

 反面、スピードに関する血はNasrullah7×7やTetratema7・7・7×9の引き出しにかかっているが、クロス馬の少なさから世代が古い割には引き出しやすいと考えられる。

 また、完全異系交配馬の割りにきめ細かい配合だと言え、スタミナ優位の血統も相まって成長力を秘める配合。

 惜しむらくは、世代ズレを多く抱えた配合で、調子の維持や安定感には程遠い血統構成だと言えるだろう。