血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

フラッテローザ

2009-08-28 11:27:37 | 07年生
フラッテローザ(ブライアンズタイム×ファーザ-Mr.Prospector)牝・07生

主:7 結:6 土:3 弱:6 影:2 質[近]:2 質[遠]:4 SP:3 ST:4
合計:37点 クラス:3B 芝:9~12F ダ:8~11F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:普通 馬場適性:兼用 重馬場適性:○

 フリオーソ全妹

 フラッテローザの血統において前面でクロスしているのは、Hail to Reason3×5及びNashua4×4になっている。前者は途中2世代断絶する単一クロスの為、主導はNashua4×4の系列クロス。その父Nasrullahを3ブロックに配し、フラッテローザの血統を強力にリードしている。但し、父母Kelley's Day内にはNashua~Nasrullahが存在せず、Romanの影響が強い為、総合的にはやや良いといった程度になった。

 また、結合面においてはHail to Reasonの単一クロスを有効に作用させ、また主導たるNashuaがSir Gallahad(=Bull Dog)を内包する為、Romanの流れも上手く結合させている。残念なのはHyperionの系列の結合がやや弱く、主導内においては、9代目Chaucerで結合が終わる点であるが、総合的には強固な部類に入るだろう。

 生かされた血の質は全体的に高く、そのスピード・スタミナを上手く主導に結合させた点が最大の長所で、重厚で国内の芝ではキレ負けする可能性が大。

 本質的には、米血の比率が高いうえRoman~Sir Gallahad(=Bull Dog)の影響が強い為ダート向きだとは言えるが、鍛錬を積めば芝対応も可能な血統構成。ただし、スピードにはやや欠けるきらいがある為に、結果的にダートを主戦場とする可能性は高い。

 長い眼で鍛えて欲しい、好素質の配合。

トランセンド

2009-08-23 19:41:23 | 06年生
トランセンド(ワイルドラッシュ×シネマスコープ-トニービン)牡・06生

主:7 結:6 土:3 弱:6 影:1 質[近]:2 質[遠]:4 SP:4 ST:4
合計:37点 クラス:3B 芝:8~12F ダ:7~11F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:遅め 馬場適性:兼用 重馬場適性:□

○ 主導   (7)

 トランセンドは、血統の前面において、Khaled4×5の系列クロスと、Nearctic4×6の系列クロスを作成している。そのために、一見すると主導勢力は不明瞭に見えるが、両者は父父Wild Again内において4代目に並列し、Hyperionによって5~6代目において強固に結合をはたしている(HyperionはKhaledの父、Nearcticの母の父)。したがって、両者は連合勢力だと言える(若干、Khaledが強いが)。惜しむらくは、父父内5代目においてDanteもクロスし、血の集合がやや不明瞭になった点ではあるが、血統全体を比較的強力にリードいるだろう。

○ 結合   (6)

 主導勢力である、KhaledとNearcticは前述のようにHyperionによって結合を強固に完了している(連合勢力と言えるレベルなので当たり前ではあるが)。また、6代目までに存在するクロスである、DanteはDark RonaldによってKhaled、NearcoによってNearcticと、MahmoudはGainsboroughによってKhaledおよびNearcticと、Native DancerはSeleneによってKhaledと、Phalaris~PolymelusによってNearcticと、Owen TudorはHyperionによってKhaledと、PharosによってNearcticと、Beau PereはBay RonaldによってKhaled、PolymelusによってNearcticと、それぞれ両者と結合を果たしている。惜しむらくは、Princequillo~Prince RoseはTraceryによってNearcticと直接結合を果たしているものの、KhaledとはNearcticを通じ結合を完了している点である。ただし、血統全体の連動性は強固に保たれており、7代目以降においても強固な体制を保っている。近親度の強い配合ではあるものの、非常に良好だと考えられるだろう。

○ 土台   (3)

 Gainsboroughが14ヶで形成。単一の土台構造としては世代のバランスの悪さなどもある為に不満が残るが、Pharos(=Fairway)が21ヶとサポートが非常に強力でかろうじて平均レベルにはあるか(Pharos(=Fairway)は、Khaled内には存在しない為に評価としてはあくまでもかろうじて平均レベルにある程度)。

○ 弱点   (6)

 血統全体において、これといった弱点は存在しない。非常に良く出来た血統構成で、各ブロックにおいて主導勢力が存在している。近年まれにみるレベルではあるが、近親度の強さは多少マイナスだろうか。

○ 影響   (1)

 影響度バランスは(20-2-5-5)と圧倒的に父Wild Againを強調している。そのWild Again内に主導勢力である、Khaled・Nearcticが存在し、影響の強いDante・Mahmoudも存在するのは悪くはないが、やはり全体的に見た場合、劣悪なバランスであると言わざるをえない。

○ 質[近]  (2)

 父母共に決して質の高い配合であるとは言い難いが、3代目までに配された各馬も決して質が高い配合では無い。平均レベルにはあるか。

○ 質[遠]  (4)

 主導たるKhaled・Nearcticは比較的良好な配合内容である。また、影響の強いDante・Mahmoud・Princequillo~Prince Roseも質が高い内容で、底力勝負に対応可能だと考えられる。

○ スピード (4)

 Khaled・Nearcticの中距離向きのスピードを中核に、Owen Tudor・Danteからスピードを補給した配合。また、母の血統において目覚めていたNasrullah(=Rivaz)が本馬の血統内においては眠ったままであるものの、Mumtaz Mahal~The Tetrarch・Lady Josephineがしっかり能力参加しているのもプラスに作用していると考えられ、良好なレベルを保っている。

○ スタミナ (4)

 Princequillo~Prince Roseを中核にした配合。Princequillo~Prince Roseは父内Graustarkと呼応し、キーホースをしっかりとおさえている為に、スタミナの核として機能している。また、Beau Pereが6代目から影響を行使した為、両者が目覚めればある程度の距離延長にも対応可能だろう。更に、7代目以降においてもしっかりと隠し味的に、Sir Gallahad(=Bull Dog)、Son-in-Lawが生きている為に、長く脚を使えるタイプになれる可能性を秘める。


 総括すると、確かにバランスの悪さを秘める血統構成ではあるものの、主導勢力の明確さ、結合力の強固さ、生かされたスピード・スタミナ勢力の強靭さ、などひじょうに見るべき点が多い血統構成となっている。更に、世代のバランスが悪い配合である事は疑いようのない事実ではあるが、これといった世代ズレは存在しないのは脅威的であるとさえ言える。したがって、仕上げにくいタイプではあるだろうが、仕上がった際はかなりの破壊力を秘める内容であると考えられる。
 本質的には、中距離において芝・ダート兼用になりえる血統構成ではあるが、Khaledが主導である点や、前述したバランスの悪さから、ダートを主戦場としているものと考えられる。今後の活躍も期待したい。

スペースアーク

2009-08-14 21:06:29 | 07年生
スペースアーク(スペシャルウィーク×サミットヴィル-Grand Lodge)牡・07生

主:6 結:5 土:3 弱:5 影:3 質[近]:3 質[遠]:4 SP:3 ST:4
合計:36点 クラス:3B 芝:9~12F ダ:8~10F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:普通 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 スペースアークはこれといった主導を作りきれなかった配合だが、Northern Dancer5×5・5にある程度の血の集合が見られる為、Native Dancerが欠落するものの一応は主導だと言える。

 また、血の結合力も強いとは言えず、Princequillo6×6・7・7は10代目において結合するなど、若干の不満は残る。しかしながら、これといった弱点は無く影響度バランスも良いため、非常に安定感がある血統内容だと言えよう。

 
 父のスピード源のひとつであるMenowを欠落させた点は残念だが、父の主導となったAlmahmoudや、Turn-toを新たに目覚めさせているため決め手の確保には成功しているだろう。

 また、スタミナは結合こそ弱いもののPrincequilloを中核に、Plucky Liege・Umidwar(=Udaipur)・Solario等かなりのレベルを確保している配合で、血統の奥にあるとはいえ、上記のクロス馬を目覚めさせる事に成功すれば国内でなら15F克服も決して不可能ではない。Menow・プリメロの欠落等、父スペシャルウィークの血を必ずしも生かしきった配合と言えはしないだろうが、なかなか奥のある配合で、クロスした血の質だけでなく近い世代を構成する血の質もかなり高く、来年のクラシック戦線での活躍を期待させるサラブレッドの一頭。

ラジャポネーズ

2009-08-12 21:34:21 | 07年生
ラジャポネーズ(マヤノトップガン×レヴドフェ-Mr.Prospector)牝・07生

主:7 結:5 土:3 弱:5 影:3 質[近]:2 質[遠]:3 SP:3 ST:4
合計:35点 クラス:3B 芝:9~12F ダ:8~10F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:普通 馬場適性:兼用 重馬場適性:□

 ラジャポネーズはNashua5×4を主導にした配合で、父Nasrullahを5・6×5・7と血統の3ブロックに配し、かなり明確に血統をリードしている。しかしながら、次いで影響の強いVaguely Noble4×4、Turn-to5×6、Hasty Road5×6は中間断絶であるが、それぞれ影響が強くその為に主導項目の評価は7点(やや良いといった程度)どまりになった。

 但し、上記のクロス馬は7~8代目において確実に結合をしており、この結合の強固さがこの配合の肝だと言えるだろう。惜しむらくは、7代目以降のクロスがかなり雑多な印象を受ける点で、その為に結合面の評価でも若干の影を落としている。それでも、Vaguely Noble・Turn-toで欧州系を、Hasty Roadで米系を上手く纏めた配合で、Nashua主導の配合としてはかなり良質だろう。

 また、スタミナの血を上手く主導に取り込んだ為、芝12Fはこなせるだろうが、それらの血が比較的血統の奥にある点と、クロスの雑多さから、引き出しには時間はかかるかも知れない。先を見据えた鍛錬を望みたい配合。

評価基準(変更)

2009-08-12 21:15:44 | 血統評価基準
 唐突ではありますが、クラス別けの基準を変更したいと思います。

 理由としては、9段階評価な点と、評価項目が多い点を含め全体的に甘い判断基準になる為です(自己診断も甘いものですが、いまだ勉強中の身ですので…)。

 以下の様に変更したいと思います。

 3A:50~46点
 2A:45~42点
 1A:41~38点
 3B:37~34点
 2B:33~30点
 1B:29~26点
 3C:25~22点
 2C:21~18点
 1C:17点以下

 としたいと思います。ただし未だ判断基準の変更も含めて、自分なりの血統観が固まっていないのも事実です。閲覧頂いている皆様にはご不満など多々あるかも知れませんが何卒よろしくお願い申し上げます。