血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

デリキットピース

2009-05-20 21:51:40 | 06年生
デリキットピース(ホワイトマズル×デリキット-サンデーサイレンス)牝・06生

主:6 結:4 土:2 弱:5 影:3 質[近]:2 質[遠]:4 SP:3 ST:4 特:1(主導牝馬クロス)
合計:33+1点 クラス:3B 芝:9~12F ダ:8~11F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:遅め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 デリキットピースは、Almahmoud6×5を主導にした配合馬。この主導は、父父・母父の2ブロックにしか存在せず、血統全体で見た場合でもさほど強力な影響を行使しているとは言えない。

 また、父の持つスタミナ要素であるCourt Martial~Hurry Onを生かす事が出来ず、父の生かし方という点では若干の不満が残る配合ではある。しかしながら、Princequillo6・7×6がスタミナの核を形成し、若干結合は弱いものの(10代目Bayardoを介しGainsboroughを通じ主導と結合)効果を発揮している。それだけにCourt Martial~Hurry Onの欠落は残念。

 12Fの距離に関しては、ひとまずこなせると判断したが、結合の弱さを考えるとギリギリだと言えるかしれない。但し、国内の芝でなら十分こなせる水準にはある。際立ったスピードを発揮するタイプでは無いかも知れないが、粘り強い走りを期待出来る血統構成だと言えるだろう。

ブロードストリート

2009-05-20 21:08:04 | 06年生
ブロードストリート(アグネスタキオン×フィラストリート-Cozzene)牝・06生

主:7 結:5 土:2 弱:6 影:3 質[近]:3 質[遠]:4 SP:4 ST:3 特:1
合計:37+1点 クラス:1A 芝:8~11F ダ:8~10F
日本適性:○ 成長力:□ 成長型:普通 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 ブロードストリートはAlmahmoud5×6を主導にした配合馬。他にTurn-to5×6を形成してはいるが、Royal Chargerが断絶するために主導の明確性を若干乱す程度で、一定のレベルを確保することに成功している。また、Turn-to内のスピード・スタミナはしっかり確保・再現されている。

 この配合の最大の問題点は、スタミナの核の確保に失敗している点(目立つのはSolario6×8程度)で、12Fの距離適性に関しては疑問が残るが、それを補って余りある長所がNasrullah・My Babu・Fair Trial等、様々なスピードを再現している点で、これらの引き出しに成功すれば自在に近い脚色を得ることが可能だと言える。

 日本向きの素軽いスピードを確保した、牝馬らしい配合のマイル~中距離馬で母系クロスのGrey Sovereign5※5を再現できれば、マイル戦線での活躍を期待できるだろう。

ジェルミナル

2009-05-20 19:54:13 | 06年生
ジェルミナル(アグネスタキオン×オンブルリジェール-Double Bed)牝・06生

主:6 結:6 土:4 弱:5 影:2 質[近]:2 質[遠]:4 SP:4 ST:4
合計:37点 クラス:3B 芝:8~12F ダ:8~10F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:普通 馬場適性:兼用 重馬場適性:□

 ジェルミナルは、血統の前面でAlmahmoud5×6及び、Bold Ruler5×6を形成した配合。両者は系列クロスを形成し、ほぼ同程度の影響を示しているため、主導としては決して明確な配合ではない。それでも、この両者はBlenheimを通じ8~9代目において結合しているため、強固とは言えないものの強力体制にあるとは言える。

 また、父内のアグネスフローラが抱える欧州系のスタミナ要素である、Djebel~Tourbillon~KsarやDonatello~Blenheimを系列クロスに出来たのは幸いで、前者は9~10代目にあるBayardo~Bay RonaldからHyperion~Gainsboroughを通じ間接的に、後者はBlenheimを通じ直接主導血脈にそのスタミナを注入している。

 全体的には、スタミナの比率に比してスピードの値が高いため(Tudor Minstrel・Fair Trial・Menow等はしっかり生かされている)、12Fの距離がどうかではあるが、鍛錬をつんで前述のスタミナの血をしっかり引き出せば、なんとかこなせるはず。

 したがって、鍛え甲斐のある血統だと言え、世代屈指の可能性を秘める配合である。

サクセスブロッケン(フェブラリーS)

2009-05-14 20:14:06 | 2009年GⅠ勝ち馬
サクセスブロッケン(シンボリクリスエス×サクセスビューティ-サンデーサイレンス)牡・05生

主:7 結:4 土:2 弱:5 影:2 質[近]:2 質[遠]:3 SP:4 ST:3
合計:32点 クラス:2B 芝:8~11F ダ:7~10F
日本適性:□ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:兼用 重馬場適性:□

 サクセスブロッケンはHail to Reason4・7×4・5を主導にした配合馬。この主導はTurn-toが断絶するものの、父のスピード源となったRoyal Chargerをしっかりとクロスさせ、次いで影響の強いBull Leaの父である、Bull Dog(=Sir Gallahad)~Teddyを内包するために、弱いながらも血統をリードする役割を果たしている。

 また、Nasrullah(Royal Chargerと3/4同血)からスピードをアシストされ、本質的には、9~10Fに向くタイプだと言える。血統の字面だけならば、芝向きのマイラーといった趣のある配合だが、結合面の脆弱さ、Princequillo4・8×8(断絶しながらもそれなりの影響を持つ)等、父のバランスの悪さを引き継いだ配合で、母のスピード源となったAlmahmoud~Mahmoudの欠落も手伝い、芝対応には劣るタイプだろう。

 仮に、血統から推測される能力を全開にすれば、Royal Charger・Nasrullahで血統をリードしている点も踏まえると芝対応は可能だろうが、かなり厳しい事が予想される。成績通りのダートマイル~中距離馬だと言えるだろうか。

カネヒキリ(川崎記念)

2009-05-04 21:30:27 | 2009年GⅠ勝ち馬
カネヒキリ(フジキセキ×ライフアウトゼア-Deputy Minister)牡・02生

主:7 結:4 土:2 弱:3 影:2 質[近]:2 質[遠]:3 SP:4 ST:3 特:1(主導牝馬クロス)
合計:30+1点 クラス:2B 芝:7~10F ダ:7~9F
日本適性:○ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:兼用 重馬場適性:□

 フジキセキはAlmahmoud5×6を主導にした異系交配馬。このAlmahmoudにNasrullah・Royal Chargerのスピードを共通の祖先である、Blenheimを通じ補給している。またHyperionやPharamond(=Sickle)等の血を生かした為、生かされた血を見る限り、芝向きの配合だと言えるだろう。

 しかしながら、父であるフジキセキに対し母ライフアウトゼアの血統は、いささか新しすぎた為、全体的に世代ズレ気味の血統構成になった点と、主導勢力と結合こそ弱いものの、Sir Gallahad(=Bull Dog)の影響も比較的強く、且つ世代的な安定感もある点、この2点においてダートを主戦場としているものと考えられる。

 また異系交配馬の為に軽微ではあるものの、Le Fabuleux内に弱点を抱え安定感には乏しい血統だとは言える。

 現在GⅠを7勝している為、新記録にリーチをかけているが、かつての栄光の名馬達と比較した場合、物足りなさを感じる血統ではあるだろう。