血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

ノーリーズン×エバースマイル

2011-05-19 23:02:59 | 仮想配合
(ノーリーズン×エバースマイル-リアルシャダイ)-・-生

主:7 結:5 土:2 弱:5 影:3 質[近]:3 質[遠]:4 SP:3 ST:5
合計:37点 クラス:3B 芝:10~16F ダ:9~12F
日本適性:△ 成長力:◎ 成長型:普通 馬場適性:芝 重馬場適性:○

○ 主導   (7)

 主導はRoberto3×3の中間断絶クロス。この、Roberto内のNashuaを5・5×5と血統の3ブロックに配置し強力に血統をリードしている。ただし母母方はNashua~Nasrullahが存在せず、この部分の動きだしが遅いのは明らかにマイナスで、6代目にFairwayがかろうじて存在している。非常に残念だが、比較的良好だと言えるレベルにはあるか。

○ 結合   (5)

 主導たるRoberto・Nashuaと、6代目までに存在するクロスである、Bull LeaはSir Gallahad(=Bull Dog)で、Native DancerはPhalaris・Fair Playで、AlibhaiはGainsboroughで、War AdmiralはMan o'Warで、TofanellaはSardanapaleで、それぞれ結合している。惜しむらくはCount Fleetが結合を果たしていない点で、近親度が強い配合にもかかわらず、これは大きなマイナスだと言えるだろう。ただし、7代目以降の連動性も非常に高く、全体的に見ると優秀な部類に入ると考えられる。

○ 土台   (2)

 Pharos(=Fairway)が12ヶで形成。単一の土台構造としてはかなり貧弱だが、Teddyが15ヶでサポートしたのは幸いだろうか。ただし、決して良好であるとは言い難い。

○ 弱点   (5)

 血統表全体でこれといった弱点・欠陥は存在しない。近親度の高い配合ではあるものの、殆どのブロックにおいて主導勢力が配されているのもプラスだろう。

○ 影響   (3)

 (9-8-9-2)とブライアンズタイムとリアルシャダイを強調。近親度が高いわりにバランスがとれている。良好だと言えるだろう。

○ 質[近]  (3)

 近い世代の血の質は高い。血統全体において質が高い内容で、底力勝負に対応可能。

○ 質[遠]  (4)

 主導たるRoberto・Nashuaは質が高い配合で、他のクロスも質が高いものが多い。前述の質[近]とあわせ、優秀であると考えられる。

○ スピード (3)

 これといったスピード源は少ないものの、Nashua~Nasrullahのスピードをストレートに主導勢力に含んでいるのは幸いだろうか。また、母方Blue Peter内のFairwayがひとまずスピード勢力として能力参加をしている。それだけに、母方Menowの欠落は惜しまれる。

○ スタミナ (5)

 主導たるRobertoのスタミナを強力な核に、War Admiral・Alibhai・Bull Leaのスタミナを補給した血統構成で、非常に良好だと考えられる。


 総合的に見ると、主導勢力の配置には若干不満が残るものの、Robertoへの血の流れは非常に良好で、かなりの迫力を秘めた配合だと考えられる。更にスタミナ値としては非常に優秀で、母の全兄であるライスシャワーを彷彿とさせる内容となっている。近年国内では見られなくなったタイプの配合内容で、血統構成上の適性は芝の長距離だと考えられる。反面、スピード勢力は物足りない内容で、かろうじて平均点にはあるものの、国内ではスピード不足のレッテルを貼られかねない血統構成である。細かい部分では不満が残るものの全体的にみると、完全開花した場合、欧州の長距離路線でもトップレベルの内容だといえるだろう。

 淀の刺客、ライスシャワーよ永遠に。

アパパネ(ヴィクトリアマイル)

2011-05-17 22:34:35 | 2011年GⅠ勝ち馬
アパパネ(キングカメハメハ×ソルティビッド-Salt Lake)牝・07生

主:5 結:4 土:3 弱:5 影:3 質[近]:1 質[遠]:3 SP:4 ST:3
合計:30点 クラス:2B 芝:6~9F ダ:5~8F
日本適性:□ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:兼用 重馬場適性:□

 アパパネは血統の前面で、Northern Dancer5・5・7×5及び、Nantallah7×6~Nasrullah6・7・8・8×6・7を形成した配合形態。このことから解るように、主導としては非常に不明瞭な配合形態で、実質的に評価項目からは削除しているものの、その位置も決して褒める事は出来ない。

 更に、Northern Dancer及び、Nantallah~Nasrullahの結合は、自身の土台構造を形成する、Nearco~Pharos(=Fairway)によって強固になされているものの、Count Fleetは10代目The Tetrarchで、Case Aceは10代目までに結合を完了できていない。実質的な異系交配であるものの、やはりこの結合力の弱さはひっかかる部分である。

 しかしながら、Northern DancerやMr.Prospector内のスピードの生かし方はなかなかきめ細かく、国内向きのマイラーとしては見るべき点もある。

 配合形態としては安易な内容だといえるだろうが(前面にNorthern Dancerクロスを作り生かし方が中途半端)、欧米系のスピードを再現できたのは幸運だと言えるだろうか。

グランプリボス

2011-05-17 22:32:30 | 08年生
グランプリボス(サクラバクシンオー×ロージーミスト-サンデーサイレンス)牡・08生

主:5 結:6 土:3 弱:5 影:3 質[近]:1 質[遠]:3 SP:4 ST:4
合計:34点 クラス:3B 芝:6~10F ダ:6~8F
日本適性:○ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

○ 主導   (5)

 主導は、Nasrullah5・6×5の系列クロス。この主導は血統の2ブロックにしか存在しないが、4ブロック全てにおいて、その父Nearcoを散在させ強力に血統をリードしている。しかしながらグランプリボスの血統においては、Almahmoud6×5、Hyperion5・6・7×7・8・8も系列クロスを作成したため、その主導が不明瞭となっている。したがって、決して高評価できる状態にはない。ただし、この三者の結合がしっかりと強固になされているのは幸いだろうか。

○ 結合   (6)

 主導たるNasrullahと、6代目までに存在するクロスである、Nearco・Mumtaz BegumはNasrullahに含まれるために確実に結合している。またHyperionはChaucerによって、AlmahmoudはBlenheim・Mumtaz Mahalで、Bull LeaはSpearmintで、LavendulaはPharos・Swynfordで、Sickle(=Pharamond)はPhalarisで、Big GameはBlandfordでそれぞれ主導に直接結合している。Discoveryは、直接結合を果たしていないものの、Almahmoud内Fair Playを通じてNasrullahと結合を果たしている。この結合力はかなりのレベルで、非常に強固だと考えることができる。

○ 土台   (3)

 土台構造は、Pharos(=Fairway)が14ヶともの足りないが、Blandfordが13ヶでアシストしたのは幸いで、平均点にはあるか。

○ 弱点   (5)

 特に大きな弱点や欠陥は存在しない。ノーザンテーストを血統内に含む配合馬において最大の問題点であるVictoria Parkであるが、当馬の場合Buchan・Sir Gallahadをクロスさせ主導と連動させた為に、ひとまず補正されている。全体的に優秀だと考えてよいだろう。

○ 影響   (3)

 影響度バランスは、(10-6-4-5)と父サクラユタカオーを強調。Hyperionが強い影響を持ちながらノーザンテーストの影響を最低限に抑えた点は妙味がある。良好だと言えるだろう。

○ 質[近]  (1)

 近い世代の血の質は全体的に高いとは言い難い。サンデーサイレンスの影響が一番低い点も惜しまれる。

○ 質[遠]  (3)

 主導たるNasrullahやAlmahmoudは決して質の高い配合だとは言い難いが、Hyperionも強い影響をもてたのは幸いか(血量的には最も多数)。ただし、平均かやや低いレベルだと考えられ、底力勝負にはむかないタイプだろうか。

○ スピード (4)

 主導たる、Nasrullahを中核に(クロスこそしないものの3/4同血のRoyal Chargerと呼応したために、Nasrullahは最大限にスピードが引き出されている)、Almahmoudのスピードを補給した配合。また、Lady Angelaの父系クロスが目覚めた場合、更にスピードに良さがでるタイプで、あくまでも国内の軽い芝向きのスピードではあるものの優秀な内容。

○ スタミナ (4)

 Plucky Liegeを伴うBull LeaとBig Gameを中核にした配合。決して長距離向きの血統構成ではないが、粘り強い末脚を出せるタイプで、芝10Fまでなら何とか対応可能か。


 総合的にみると、あくまでもジャパンスペシャルな血統構成ではあるものの、生かされたスピード・スタミナはなかなかに強靭で、父とは流れが若干異なるものの、迫力がある血統構成ではある。ただし、血統を構成する血の質はいまひとつ高くなく、本当の意味においての底力勝負には不向きだと考えられる。また、世代の新しい母に対して、父の世代がやや古いために、土台構造が若干散漫でこの部分から安定感や距離延長に対しての適性はあまり高いとは考えづらい。
 それでも貴重なテスコボーイ直系の後継者としての活躍をこれからも期待したい。また、それに応えられるだけの資質は有すると考えられる。

グランプリボス(NHKマイルC)

2011-05-17 22:32:23 | 2011年GⅠ勝ち馬
グランプリボス(サクラバクシンオー×ロージーミスト-サンデーサイレンス)牡・08生

主:5 結:6 土:3 弱:5 影:3 質[近]:1 質[遠]:3 SP:4 ST:4
合計:34点 クラス:3B 芝:6~10F ダ:6~8F
日本適性:○ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

○ 主導   (5)

 主導は、Nasrullah5・6×5の系列クロス。この主導は血統の2ブロックにしか存在しないが、4ブロック全てにおいて、その父Nearcoを散在させ強力に血統をリードしている。しかしながらグランプリボスの血統においては、Almahmoud6×5、Hyperion5・6・7×7・8・8も系列クロスを作成したため、その主導が不明瞭となっている。したがって、決して高評価できる状態にはない。ただし、この三者の結合がしっかりと強固になされているのは幸いだろうか。

○ 結合   (6)

 主導たるNasrullahと、6代目までに存在するクロスである、Nearco・Mumtaz BegumはNasrullahに含まれるために確実に結合している。またHyperionはChaucerによって、AlmahmoudはBlenheim・Mumtaz Mahalで、Bull LeaはSpearmintで、LavendulaはPharos・Swynfordで、Sickle(=Pharamond)はPhalarisで、Big GameはBlandfordでそれぞれ主導に直接結合している。Discoveryは、直接結合を果たしていないものの、Almahmoud内Fair Playを通じてNasrullahと結合を果たしている。この結合力はかなりのレベルで、非常に強固だと考えることができる。

○ 土台   (3)

 土台構造は、Pharos(=Fairway)が14ヶともの足りないが、Blandfordが13ヶでアシストしたのは幸いで、平均点にはあるか。

○ 弱点   (5)

 特に大きな弱点や欠陥は存在しない。ノーザンテーストを血統内に含む配合馬において最大の問題点であるVictoria Parkであるが、当馬の場合Buchan・Sir Gallahadをクロスさせ主導と連動させた為に、ひとまず補正されている。全体的に優秀だと考えてよいだろう。

○ 影響   (3)

 影響度バランスは、(10-6-4-5)と父サクラユタカオーを強調。Hyperionが強い影響を持ちながらノーザンテーストの影響を最低限に抑えた点は妙味がある。良好だと言えるだろう。

○ 質[近]  (1)

 近い世代の血の質は全体的に高いとは言い難い。サンデーサイレンスの影響が一番低い点も惜しまれる。

○ 質[遠]  (3)

 主導たるNasrullahやAlmahmoudは決して質の高い配合だとは言い難いが、Hyperionも強い影響をもてたのは幸いか(血量的には最も多数)。ただし、平均かやや低いレベルだと考えられ、底力勝負にはむかないタイプだろうか。

○ スピード (4)

 主導たる、Nasrullahを中核に(クロスこそしないものの3/4同血のRoyal Chargerと呼応したために、Nasrullahは最大限にスピードが引き出されている)、Almahmoudのスピードを補給した配合。また、Lady Angelaの父系クロスが目覚めた場合、更にスピードに良さがでるタイプで、あくまでも国内の軽い芝向きのスピードではあるものの優秀な内容。

○ スタミナ (4)

 Plucky Liegeを伴うBull LeaとBig Gameを中核にした配合。決して長距離向きの血統構成ではないが、粘り強い末脚を出せるタイプで、芝10Fまでなら何とか対応可能か。


 総合的にみると、あくまでもジャパンスペシャルな血統構成ではあるものの、生かされたスピード・スタミナはなかなかに強靭で、父とは流れが若干異なるものの、迫力がある血統構成ではある。ただし、血統を構成する血の質はいまひとつ高くなく、本当の意味においての底力勝負には不向きだと考えられる。また、世代の新しい母に対して、父の世代がやや古いために、土台構造が若干散漫でこの部分から安定感や距離延長に対しての適性はあまり高いとは考えづらい。
 それでも貴重なテスコボーイ直系の後継者としての活躍をこれからも期待したい。また、それに応えられるだけの資質は有すると考えられる。

フリオーソ(かしわ記念)

2011-05-10 17:07:00 | 2011年GⅠ勝ち馬
フリオーソ(ブライアンズタイム×ファーザ-Mr.Prospector)牡・04生

主:7 結:6 土:3 弱:6 影:2 質[近]:2 質[遠]:4 SP:3 ST:4
合計:37点 クラス:3B 芝:9~12F ダ:8~11F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:普通 馬場適性:兼用 重馬場適性:○

 フラッテローザ全兄

 フリオーソの血統において前面でクロスしているのは、Hail to Reason3×5及びNashua4×4になっている。前者は途中2世代断絶する単一クロスの為、主導はNashua4×4の系列クロス。その父Nasrullahを3ブロックに配し、フリオーソの血統を強力にリードしている。但し、父母Kelley's Day内にはNashua~Nasrullahが存在せず、Romanの影響が強い為、総合的にはやや良いといった程度になった。

 また、結合面においてはHail to Reasonの単一クロスを有効に作用させ、また主導たるNashuaがSir Gallahad(=Bull Dog)を内包する為、Romanの流れも上手く結合させている。残念なのはHyperionの系列の結合がやや弱く、主導内においては、9代目Chaucerで結合が終わる点であるが、総合的には強固な部類に入るだろう。

 生かされた血の質は全体的に高く、そのスピード・スタミナを上手く主導に結合させた点が最大の長所で、重厚で国内の芝ではキレ負けする可能性が大。

 本質的には、米血の比率が高いうえRoman~Sir Gallahad(=Bull Dog)の影響が強い為ダート向きだとは言えるが、鍛錬を積めば芝対応も可能な血統構成。ただし、スピードにはやや欠けるきらいがある為に、結果的にダートを主戦場とする可能性は高い。

 長い眼で鍛えて欲しい、好素質の配合。