血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

フォゲッタブル

2010-04-30 20:59:47 | 06年生
フォゲッタブル(ダンスインザダーク×エアグルーヴ-トニービン)牡・06生

主:7 結:6 土:3 弱:4 影:3 質[近]:2 質[遠]:3 SP:4 ST:3
合計:35点 クラス:3B 芝:8~11F ダ:8~10F
日本適性:○ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:兼用 重馬場適性:○

 フォゲッタブルの主導は、見た目の血統通りNorthern Dancer4×4。このNorthern Dancer内でLady Angela6×5・6及び、Almahmoud5・6×6を並列させ血統を強力にリードしている。更に、次いで影響の強いNearcoも内包しているために、中間断絶クロスであるものの明確な主導として機能している。

 また、土台構造はGainsboroughが16ヶが形成し平均的ではあるが、6代目にあるクロスのうちLa Farina以外は全てNorthern Dancer内で6代目で結合を完了し、La Farinaも9代目St.Simonで結合を完了している。これは、かなりのレベルの結合力であると言え、非常にシンプルな形態を保っている(La Farinaは9×6で効果自体はやや疑問。Sans Souciを欠落しているもののスタミナ勢力として引き出せれば…)。

 惜しむらくは、これといったスタミナの核を形成できなかった点で、本来は強力なスタミナ勢力となるHyperionだが、Lady Angelaの影響を受けた為にややスピードよりにシフトしていると考えられる。7代目にあるPrince Rose7×7・7は、10代目Bayardoで結合してはいるものの、できる事ならもう少し前面でクロスしていてほしかった所だろうか。

 反面スピード勢力は、Lady Angela・Almahmoudを中核に、NasrullahとRoyal Chargerの呼応により引き出している。これらは皆、日本の芝に実績のあるスピードの血で、クロス馬の少ないシンプルな血統構成も鑑みると、中距離で切れのある競馬を見せることができるだろう。

 父母のイメージや自身の実績からは、切れのある中長距離配合といったところだろうが、実際そこまでのスタミナは確保できておらず、日本向きの中距離馬だというのが本当のところだと考えられる。12Fを超えるレースにおいて、本当の意味で厳しい流れになった場合、どういったレースをするか注目しながら見たいと思う。

バブルガムフェロー×アカギエブロス

2010-04-28 18:08:37 | 仮想配合
(バブルガムフェロー×アカギエブロス-エブロス)-・-生

主:8 結:3 土:4 弱:5 影:2 質[近]:2 質[遠]:3 SP:5 ST:3 特:1(主導牝馬クロス)
合計:35+1点 クラス:3B 芝:6~10F ダ:6~9F
日本適性:○ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 主導はCosmah4×4。このCosmahは、その母Almahmoudを5・6×5と血統の3ブロックに配し、父バブルガムフェロー内で断絶していたBlandfordをクロスさせ、系列クロスを形成し血統全体を強力にリードしている。従って、やや近親度が強いもののこのクロスは有効だと考えられる。

 また、次いでFair Trial6×7、Pharamond(=Sickle)6・9×6・7・8の影響が強く、血統全体でスピードのアシストが豊富な配合内容となっている。

 反面、スタミナのアシストはやや弱く、Hyperion・Tourbillonが中核だと言えるが、前者の結合状態は悪くは無いものの、後者は10代目St.Simonで結合が終わるほどで、その効果はやや疑問だと言える。しかしながら、父の血統内においても不備になっていた、Court Martial~Hurry Onを押さえられなかったのは、やはりマイナスだろうが、同じく不備となっていた、Sir Gallahad(=Bull Dog)~Plucky Liege・Man o'War~Fair Playをしっかりとクロスさせたのは評価できる点で、これらの血統に加え7~8代目において、Son-in-Law・Massineなど、意外ときめ細かい配合になっている為、ただのスプリンター~マイラーでは無く、しぶとい粘りを見せる事もできる内容となっている。

 更に、これといった弱点は無く、影響度バランスは決して褒められる内容ではないものの(13-3-8-5)、祖父サンデーサイレンスを強調し、その生かし方も悪くは無い。決して良くできた内容だとは言えないだろうが、日本の芝向きのスピード配合となっている。

 惜しむらくは、これといったスタミナの核を持たない点は勿論の事、近親度が強い配合にも関わらず、前述したTourbillonや、Native Dancerの結合が弱い点だが、その反面、土台構造は意外と堅固で、Phalarisが16ヶ、Gainsboroughが15ヶと比較的優秀だと言えるだろう。

 種牡馬としては、ダート向き・スピード不足だと言われていたバブルガムフェローだが、本来はこういうタイプを出せる種牡馬であった、と考えられる。

バブルガムフェロー

2010-04-28 14:14:55 | 私的名馬
バブルガムフェロー(サンデーサイレンス×バブルカンパニー-Lyphard)牡・93生

主:6 結:6 土:2 弱:6 影:3 質[近]:3 質[遠]:4 SP:4 ST:4 特:1(主導牝馬クロス)
合計:38+1点 クラス:1A 芝:8~12F ダ:8~10F
日本適性:□ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 バブルガムフェローは、血統の前面でAlmahmoud4×5を形成し主導とした配合。次いで、Hyperion6・7×6・6・6及びNearco6×5でリードしている。この三者は、自身の土台構造を形成するGainsboroughや、Chaucerによって強固に結合しているのが見てとれる。また、直接の影響は弱くAlmahmoud内において10代目に位置するため、土台構造足りえなかったものの、8~9代目にSt.Simonを15ヶ配し結合をサポートしている。

 惜しむらくは、主導たるAlmahmoudは途中Blandfordが断絶する為に、3ブロックに影響を及ぼしながらも、明確な主導としての評価を下げてしまっている点で、できることならAlmahmoudを系列クロスとし明確な主導とするか、AlmahmoudをクロスさせずにHyperionとMahmoudを並列させ連合勢力と言える主導とした方が全体としては好ましかったかもしれない。ただし、後者の場合距離延長に適応しやすくなるものの、日本向きの軽いスピードには欠ける事が予想され、相当の鍛錬を必要とするタイプに変身するだろう。この手のタイプはダート短~中距離を使われることが多く、バブルガムフェローには幸運だったかもしれない。

 また、7~8代目においてPlucky Liege・Mumtaz Mahal・Lady Josephine・The Tetrarch・Son-in-Law等、きめ細かく欧州系のスピード・スタミナ要素を生かした配合で、父の米系統を生かしきった配合とは言い難いものの、底力自体は悪くは無い。ただし、公式でも言われているように、その父の米系統であるMan o'War・Sir Gallahad(=Bull Dog)や母バブルカンパニーのHurry On・Ksar等、キーホースを一部欠落させたのは大きなマイナスで、現役時代に度々詰めが甘い競馬を見せたり、距離延長にあまり適性を見せなかったのはここが原因だと考えられる。

 しかしながら、抜群の影響度バランス(9-2-8-3)や、これといった弱点・欠陥が無い配合で、上記のようなマイナス点はあるものの、欧米系が入り混じった配合としては十分合格点を与える事ができるだろう。

 種牡馬としてダート向きの産駒が多く出たのは、前面にこれといったスピード要素が少なかった為に、切れ味に劣るタイプが大多数だった為だと考えられる。つけ加えるならば、Pharamond(=Sickle)が5×8と世代ズレを抱えたのもマイナスだったかもしれない(自身の血統内ではクロスとカウントせず)。

 血統的に似たようなタイプである、ディープインパクトも種牡馬としてこの克服が最大の課題だと言えるだろうか。

 バブルガムフェローよ、安らかに…

 主な戦績:1着 - 朝日杯3歳S(G1)、天皇賞(秋)(G1)、フジTVスプリングS(G2)、鳴尾記念(G2)、毎日王冠(G2)
        2着 - 宝塚記念(G1)、天皇賞(秋)(G1)
        3着 - ジャパンC(G1)、毎日王冠(G2)

トゥザグローリー

2010-04-27 17:31:08 | 07年生
トゥザグローリー(キングカメハメハ×トゥザヴィクトリー-サンデーサイレンス)牡・07生

主:7 結:5 土:4 弱:5 影:2 質[近]:3 質[遠]:4 SP:4 ST:3
合計:37点 クラス:3B 芝:7~10F ダ:7~9F
日本適性:□ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:兼用 重馬場適性:□

 トゥザグローリーの血統を強力にリードしているのは、Nureyev4×3である。このNureyevは途中Nearcticが断絶するものの、Northern Dancer5・5×4とクロスさせ、ほぼ系列ぐるみのクロスを形成。やや近親度が強くなっているものの有効に作用している(父方7代目Northern Dancerは世代ズレと判定しクロスとカウントしていない)。

 このNorthern Dancerは、Almahmoud・Native Dancerとクロスさせたうえに、Nureyevの影響やNasrullahの影響をうけスピード型へと能力をシフトさせていると考えられる。

 また、結合力自体は主導たるNureyevが3代目からクロスする為に悪くは無いものの、近親度の強さを考慮すると平均的だと言えるだろう。反面、土台構造は強固だと言え、Pharos(=Fairway)が18ヶ、Gainsboroughが15ヶと世代が新しい配合の中ではかなりのレベルを確保している。

 惜しむらくはスタミナの核の欠如で、距離延長は本質的に不利なタイプだが、生かされたスピード勢力はNureyevへと効率よく補給されているのは見て取ることができ、日本向きのスピード配合だと言えるだろう。

 また、前述の世代の問題や、極端では無いものの、影響度バランスの悪さ(8-2-4-11)や近親度の高さから調整には難しさを伴うタイプだと考えられる。

 全体としてみると、決して悪い血統では無いものの、母トゥザヴィクトリーの血統的優秀性(1A)やその戦績を背景にした良血期待に応えるには、やや物足りなさは残るか。

パルラメンターレ

2010-04-27 15:13:21 | 07年生
パルラメンターレ(Empire Maker×Knight Prospector-Native Prospector)牡・07生

主:7 結:6 土:2 弱:5 影:2 質[近]:2 質[遠]:3 SP:5 ST:3
合計:35点 クラス:3B 芝:6~9F ダ:5~9F
日本適性:○ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:ダート 重馬場適性:○

 パルラメンタールの主導はMr.Prospector4×3。他に前面でクロスする血統も無く、Mr.Prospectorは単一クロスであるものの、Nasrullah・Native Dancerと影響の強い血統を内包している為、見た目よりも強力に血統をリードしている。

 さらに、血統全体で米系が強く、主導たるMr.Prospectorがそれらを纏める為にかなり有効に働いている。惜しむらくは、血統を構成する血の質が低いことと、上質のスタミナの核を欠く事だが、ことスピード面に関しては、快速馬として名を馳せたMr.Prospectorを良く再現している。

 また、自身の土台構造を形成しているのも、米系統であるBull Dog(=Sir Gallahad・Marguerite de Valois)であるのも非常に目を引く点である(しかし、全体で14ヶとやや物足りないのが惜しまれる)。

 従って、ダート短距離というカテゴリーでは、見るべき点が多い血統構成であり、系列クロスが少ない為に、よりいっそうダート向きだと言えるだろう。脆さも同居する血統であるものの、動向には注目してみたい。