血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

オルフェーヴル

2011-04-25 17:57:30 | 08年生
オルフェーヴル(ステイゴールド×オリエンタルアート-メジロマックイーン)牡・08生

主:7 結:5 土:4 弱:4 影:2 質[近]:2 質[遠]:2 SP:4 ST:3
合計:33点 クラス:2B 芝:8~11F ダ:8~10F
日本適性:○ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:兼用 重馬場適性:○

○ 主導   (7)

 主導は中間断絶ではあるものの、ノーザンテースト4×3。ノーザンテーストは次いで影響が強く系列クロスを形成する、Lady Angela6・7×5・6および、Almahmoud5・7×6を内包し、他に影響の強いクロスが血統前面に存在しないのも幸いし、血統全体を比較的強力にリードしている。

○ 結合   (5)

 主導たる、ノーザンテーストと6代目までに存在するクロスである、Lady Angela~Hyperion、Almahmoud~Mahmoud、Nearcoはノーザンテーストに含まれる血統である為に確実に結合している。また、NasrullahはNearcoを通じて、PharamondはPhalaris・Seleneを通じ結合を完了している。オルフェーヴルは、血統の前面においてノーザンテースト以外に影響の強いクロスを、作成しなかったのは主導面において有効に作用しているが、結合面においても、比較的シンプルな形態を作成できたのは幸いだろう。ただし、7代目以降においての連動性は決して高いとは言えず、近交馬である点も踏まえると、不満が残る内容であることも確かだろう。

○ 土台   (4)

 土台構造は、Gainsboroughが16ヶで形成。単一の土台構造としては平均的なレベルを確保している。更に、Blandfordが17ヶでサポートしている。新しい世代の配合としては中々に強固な内容だと言えるだろう。

○ 弱点   (4)

 母方Victoria Park・Bronze Babu内に弱点を派生させている。しかし、前者は9代目においてSir Gallahadが、後者も同じく9代目にBlandford~Swynfordが配されている為に、さほどの弱点だとは言えないだろう。決して劣悪なレベルではないものの、近親度が高いのはやはりマイナスではあるだろうか。

○ 影響   (2)

 影響度バランスは(4-4-0-8)と母母エレクトロアートを強調している。父母のバランスは(8-8)と悪くはないものの、母父であるメジロマックイーンの影響度が0となったのが非常に惜しまれる。できることならば、質の高いサンデーサイレンス・ゴールデンサッシュ・メジロマックイーンを強調したいところだった。

○ 質[近]  (2)

 父母の血の質は決して高いとは言えないが、2代目に並ぶサンデーサイレンス・ゴールデンサッシュ・メジロマックイーンは非常に質が高い血統構成をしている。ただし、ノーザンテーストや、ダイナサッシュ等バランスを崩した配合も並び、総合的には平均的だと言えるだろうか。

○ 質[遠]  (2)

 主導たるノーザンテーストは決して質の高い配合とは言い難い。また、影響の強いLady Angela・Almahmoudも決して質が高いとは言えない。底力勝負には決して向かないタイプだと言えるだろう。

○ スピード (4)

 主導たるノーザンテーストは軽い短距離向きのスピードを再現するが、次いで影響の強いLady Angela・Almahmoudも軽いスピードをノーザンテーストへと補給している。更に、Nasrullahや8~9代目になるものの、Tetratemaが決め手を加えている。日本向きのスピードを良く再現しているだろう。

○ スタミナ (3)

 これといったスタミナの核を作れなかった配合だと言える。したがって距離延長は本質的には不利な血統構成をしている。芝12F以上の克服には展開の助けが必要だろう。しかしながら、7代目以降において、Donatello・Sir Gallahad(=Bull Dog・Noor Jahan)が前面のスピードを底支えしているのを見ることが出来、Lady Angelaの影響が強いものの、Hyperionが9連とスピード・スタミナ両面においてアシストしているのは幸いで、意外と長く脚を使えるタイプになり得る。


 総合的に見ると、決してバランスの良い血統構成だとは言い難いが、主導たるノーザンテーストへの血の集合力は非常に良好で、Gainsborough系の血の流れはかなりの迫力があると考えられる。スピード面で前述したように、Tetratemaの決め手や、9連あるHyperionは非常に魅力的で、差し脚に良さがあるタイプであるという事が血統構成からも見てとる事ができる。
 ただし、前述したようにバランスが良いとは言えず、スタミナの核を持たなかった点も惜しまれる点で、あくまでもジャパンスペシャルなスピード馬だと言えるだろう。

オルフェーヴル(皐月賞)

2011-04-25 17:57:04 | 2011年GⅠ勝ち馬
オルフェーヴル(ステイゴールド×オリエンタルアート-メジロマックイーン)牡・08生

主:7 結:5 土:4 弱:4 影:2 質[近]:2 質[遠]:2 SP:4 ST:3
合計:33点 クラス:2B 芝:8~11F ダ:8~10F
日本適性:○ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:兼用 重馬場適性:○

○ 主導   (7)

 主導は中間断絶ではあるものの、ノーザンテースト4×3。ノーザンテーストは次いで影響が強く系列クロスを形成する、Lady Angela6・7×5・6および、Almahmoud5・7×6を内包し、他に影響の強いクロスが血統前面に存在しないのも幸いし、血統全体を比較的強力にリードしている。

○ 結合   (5)

 主導たる、ノーザンテーストと6代目までに存在するクロスである、Lady Angela~Hyperion、Almahmoud~Mahmoud、Nearcoはノーザンテーストに含まれる血統である為に確実に結合している。また、NasrullahはNearcoを通じて、PharamondはPhalaris・Seleneを通じ結合を完了している。オルフェーヴルは、血統の前面においてノーザンテースト以外に影響の強いクロスを、作成しなかったのは主導面において有効に作用しているが、結合面においても、比較的シンプルな形態を作成できたのは幸いだろう。ただし、7代目以降においての連動性は決して高いとは言えず、近交馬である点も踏まえると、不満が残る内容であることも確かだろう。

○ 土台   (4)

 土台構造は、Gainsboroughが16ヶで形成。単一の土台構造としては平均的なレベルを確保している。更に、Blandfordが17ヶでサポートしている。新しい世代の配合としては中々に強固な内容だと言えるだろう。

○ 弱点   (4)

 母方Victoria Park・Bronze Babu内に弱点を派生させている。しかし、前者は9代目においてSir Gallahadが、後者も同じく9代目にBlandford~Swynfordが配されている為に、さほどの弱点だとは言えないだろう。決して劣悪なレベルではないものの、近親度が高いのはやはりマイナスではあるだろうか。

○ 影響   (2)

 影響度バランスは(4-4-0-8)と母母エレクトロアートを強調している。父母のバランスは(8-8)と悪くはないものの、母父であるメジロマックイーンの影響度が0となったのが非常に惜しまれる。できることならば、質の高いサンデーサイレンス・ゴールデンサッシュ・メジロマックイーンを強調したいところだった。

○ 質[近]  (2)

 父母の血の質は決して高いとは言えないが、2代目に並ぶサンデーサイレンス・ゴールデンサッシュ・メジロマックイーンは非常に質が高い血統構成をしている。ただし、ノーザンテーストや、ダイナサッシュ等バランスを崩した配合も並び、総合的には平均的だと言えるだろうか。

○ 質[遠]  (2)

 主導たるノーザンテーストは決して質の高い配合とは言い難い。また、影響の強いLady Angela・Almahmoudも決して質が高いとは言えない。底力勝負には決して向かないタイプだと言えるだろう。

○ スピード (4)

 主導たるノーザンテーストは軽い短距離向きのスピードを再現するが、次いで影響の強いLady Angela・Almahmoudも軽いスピードをノーザンテーストへと補給している。更に、Nasrullahや8~9代目になるものの、Tetratemaが決め手を加えている。日本向きのスピードを良く再現しているだろう。

○ スタミナ (3)

 これといったスタミナの核を作れなかった配合だと言える。したがって距離延長は本質的には不利な血統構成をしている。芝12F以上の克服には展開の助けが必要だろう。しかしながら、7代目以降において、Donatello・Sir Gallahad(=Bull Dog・Noor Jahan)が前面のスピードを底支えしているのを見ることが出来、Lady Angelaの影響が強いものの、Hyperionが9連とスピード・スタミナ両面においてアシストしているのは幸いで、意外と長く脚を使えるタイプになり得る。


 総合的に見ると、決してバランスの良い血統構成だとは言い難いが、主導たるノーザンテーストへの血の集合力は非常に良好で、Gainsborough系の血の流れはかなりの迫力があると考えられる。スピード面で前述したように、Tetratemaの決め手や、9連あるHyperionは非常に魅力的で、差し脚に良さがあるタイプであるという事が血統構成からも見てとる事ができる。
 ただし、前述したようにバランスが良いとは言えず、スタミナの核を持たなかった点も惜しまれる点で、あくまでもジャパンスペシャルなスピード馬だと言えるだろう。

マルセリーナ

2011-04-10 17:15:54 | 08年生
マルセリーナ(ディープインパクト×マルバイユ-Marju)牝・08生

主:4 結:5 土:3 弱:5 影:2 質[近]:2 質[遠]:4 SP:3 ST:4 特:1(主導牝馬クロス)
合計:32+1点 クラス:2B 芝:9~12F ダ:~9~F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:遅め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

○ 主導   (4)

 主導は、Almahmoud5・7×7の系列クロス。しかしながら、主導たるAlmahmoudを含む、Northern Dancer5×5の中間断絶クロスや、同系列ではあるもののCrepello5×6が系列クロスを(ただし、その父Donatelloは6×7・9と世代ズレを抱えている。この評価はDonatelloを効果ありとしている)、Sir Gaylord6×5がTurn-toを伴い、ほぼ系列ぐるみのクロスを形成する等、それぞれが強い影響力を行使している。したがって主導面においての評価は高いとは言い難い。

○ 結合   (5)

 主導たる、Almahmoudと6代目までに存在するクロスである、Northern DancerはAlmahmoud自身を内包するために確実に連動している。また、Sir Gaylord~Turn-toはGainsboroughを通じて(ただし、5代目に存在するTurn-to内のGainsboroughを通じてなのでかなり脆弱ではある)、CrepelloはBlenheimを通じて、Court MartialはGainsboroughを通じて、BorealisはGainsboroughを通じて、それぞれ結合を完了している。Gainsboroughを中核にしたこの連動体制はなかなかに見事だと言えるものの、9代目において結合を完了しているのは、若干の不満が残る。ただし、Princequilloは9代目までにおいて直接結合を完了していないのが惜しまれるものの、Sir Gaylordに含まれるため、間接的にではあるものの比較的良好な結合力を見てとることができる。ただし、前面でのクロスによる結合に頼った内容である事も確かで、その部分においては若干のマイナスがあるか。

○ 土台   (3)

 Gainsborough15ヶで形成。単一の土台構造としては若干の不満が残るが、Blandfordが9ヶでサポートしているのは幸いか。

○ 弱点   (5)

 これといった欠陥は存在しない。しかしながら、母方Mummy's Pet・Goosie-Gantletに弱点を派生させている。ただし、9代目において前者はHyperion・Nearco、後者がTurn-to・Princequilloとクロスしたのは幸いだろうか。

○ 影響   (2)

 (5-8-4-3)とウインドインハーヘアを強調。比較的良好なバランスだと言えるが、Almahmoudを主導としているのであればサンデーサイレンスを強調していないのが、惜しまれる。

○ 質[近]  (2)

 近い世代の血の質は比較的良好で悪くはない。特に父方において良好で、底力勝負にも対応可能。

○ 質[遠]  (4)

 主導たるAlmahmoud自身の質は決して高いとは言えないが、Crepelloと連動したために比較的良好なAlmahmoudへと能力変換されていると考えられる。また、強い影響をもったNorthern Dancer・Princequilloも質が高い内容だと言え、底力がある内容だと考えられる。

○ スピード (3)

 主導たるAlmahmoudを中核に(Crepelloと連動した為にややスタミナタイプへと能力変換している)、Court Martialが軽いスピードを補給している。父はNasrullahを持たない為に、ややスピードの引き出しにおいて不利な種牡馬だと言えるが、当馬の場合は芝向きのスピードを最大限引き出した内容だと考えられる。

○ スタミナ (4)

 Crepelloを中核にした配合。Crepelloはやや世代の問題を抱えながら、系列クロスを形成し、長距離向きのスタミナを補給している。また、結合こそ弱いもののPrincequilloがスタミナを更に補給し、牝馬としては重厚な内容になっている。

○ 特別配点 (1)

 主導牝馬クロス:Almahmoud


 総括すると、前面において余計なクロスを多数派生させたために、シンプルさとは程遠い血統内容となっている。ここが当馬の能力限界を招いていると考えられる。しかしながら、生かされた血の質などはかなり優秀で、前述したとおり底力勝負は可能。また、欧州系を主体にした配合内容で、国内の芝では若干不利ではあるだろう。ただし、その生かされた血は非常に魅力的で、Crepello・Princequilloが上手く生かされ、Busted・Mill Reef・アーティアスなど質が高い。牝馬としては非常に重厚で成長力も兼ね備えた配合だと言えるだろうか。

マルセリーナ(桜花賞)

2011-04-10 17:15:28 | 2011年GⅠ勝ち馬
マルセリーナ(ディープインパクト×マルバイユ-Marju)牝・08生

主:4 結:5 土:3 弱:5 影:2 質[近]:2 質[遠]:4 SP:3 ST:4 特:1(主導牝馬クロス)
合計:32+1点 クラス:2B 芝:9~12F ダ:~9~F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:遅め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

○ 主導   (4)

 主導は、Almahmoud5・7×7の系列クロス。しかしながら、主導たるAlmahmoudを含む、Northern Dancer5×5の中間断絶クロスや、同系列ではあるもののCrepello5×6が系列クロスを(ただし、その父Donatelloは6×7・9と世代ズレを抱えている。この評価はDonatelloを効果ありとしている)、Sir Gaylord6×5がTurn-toを伴い、ほぼ系列ぐるみのクロスを形成する等、それぞれが強い影響力を行使している。したがって主導面においての評価は高いとは言い難い。

○ 結合   (5)

 主導たる、Almahmoudと6代目までに存在するクロスである、Northern DancerはAlmahmoud自身を内包するために確実に連動している。また、Sir Gaylord~Turn-toはGainsboroughを通じて(ただし、5代目に存在するTurn-to内のGainsboroughを通じてなのでかなり脆弱ではある)、CrepelloはBlenheimを通じて、Court MartialはGainsboroughを通じて、BorealisはGainsboroughを通じて、それぞれ結合を完了している。Gainsboroughを中核にしたこの連動体制はなかなかに見事だと言えるものの、9代目において結合を完了しているのは、若干の不満が残る。ただし、Princequilloは9代目までにおいて直接結合を完了していないのが惜しまれるものの、Sir Gaylordに含まれるため、間接的にではあるものの比較的良好な結合力を見てとることができる。ただし、前面でのクロスによる結合に頼った内容である事も確かで、その部分においては若干のマイナスがあるか。

○ 土台   (3)

 Gainsborough15ヶで形成。単一の土台構造としては若干の不満が残るが、Blandfordが9ヶでサポートしているのは幸いか。

○ 弱点   (5)

 これといった欠陥は存在しない。しかしながら、母方Mummy's Pet・Goosie-Gantletに弱点を派生させている。ただし、9代目において前者はHyperion・Nearco、後者がTurn-to・Princequilloとクロスしたのは幸いだろうか。

○ 影響   (2)

 (5-8-4-3)とウインドインハーヘアを強調。比較的良好なバランスだと言えるが、Almahmoudを主導としているのであればサンデーサイレンスを強調していないのが、惜しまれる。

○ 質[近]  (2)

 近い世代の血の質は比較的良好で悪くはない。特に父方において良好で、底力勝負にも対応可能。

○ 質[遠]  (4)

 主導たるAlmahmoud自身の質は決して高いとは言えないが、Crepelloと連動したために比較的良好なAlmahmoudへと能力変換されていると考えられる。また、強い影響をもったNorthern Dancer・Princequilloも質が高い内容だと言え、底力がある内容だと考えられる。

○ スピード (3)

 主導たるAlmahmoudを中核に(Crepelloと連動した為にややスタミナタイプへと能力変換している)、Court Martialが軽いスピードを補給している。父はNasrullahを持たない為に、ややスピードの引き出しにおいて不利な種牡馬だと言えるが、当馬の場合は芝向きのスピードを最大限引き出した内容だと考えられる。

○ スタミナ (4)

 Crepelloを中核にした配合。Crepelloはやや世代の問題を抱えながら、系列クロスを形成し、長距離向きのスタミナを補給している。また、結合こそ弱いもののPrincequilloがスタミナを更に補給し、牝馬としては重厚な内容になっている。

○ 特別配点 (1)

 主導牝馬クロス:Almahmoud


 総括すると、前面において余計なクロスを多数派生させたために、シンプルさとは程遠い血統内容となっている。ここが当馬の能力限界を招いていると考えられる。しかしながら、生かされた血の質などはかなり優秀で、前述したとおり底力勝負は可能。また、欧州系を主体にした配合内容で、国内の芝では若干不利ではあるだろう。ただし、その生かされた血は非常に魅力的で、Crepello・Princequilloが上手く生かされ、Busted・Mill Reef・アーティアスなど質が高い。牝馬としては非常に重厚で成長力も兼ね備えた配合だと言えるだろうか。

キンシャサノキセキ

2011-04-03 18:55:15 | 03年生
キンシャサノキセキ(フジキセキ×ケルトシャーン-Pleasant Colony)牡・03生

主:7 結:3 土:3 弱:4 影:3 質[近]:4 質[遠]:3 SP:4 ST:3 特:1(主導牝馬クロス)
合計:34+1点 クラス:3B 芝:7~10F ダ:7~9F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:遅め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

○ 主導   (7)

 主導はAlmahmoud5×6の系列クロス。その父Mahmoudを血統の3ブロックに散在させ血統全体を比較的強力にリードしている。しかしながら、父方ミルレーサー内にはMahmoudが存在せず、この部分の連動が弱い点は惜しまれる点である(そのため、父にフジキセキを配した場合Almahmoud~Mahmoudを主導とする事は万全とは言い難い)。また、母方においては、Nearco・Hyperionの影響も強く、その意味でもやや勿体ない配合だと考えられる。

○ 結合   (3)

 主導たるAlmahmoudと、6代目までに存在するクロスである、HyperionはGainsboroughで、Nasrullah~NearcoはBlenheimによって、PrincequilloはWhite Eagleによって結合を完了している(ただしAlmahmoudと直接結合を完了するのは10代目の為、実質的に間接結合だと言える)。しかしながら、Belle Mere(=Beau Pere)はHyperion内Bay Ronaldを通じて、RabelaisはHyperion内St.Simonを通じて、間接的にかろうじて結合を完了している。更に、Balladierは結合が完了していない等、完全異系交配ではあるものの、その結合力は決して良好であるとは言い難い。

○ 土台   (3)

 Gainsboroughが14ヶで土台構造を形成している。完全異系交配である点を考慮に入れても、やや貧弱であると言わざるを得ないが、Blandfordが10ヶでサポートしているのは幸いであると言えるか。

○ 弱点   (4)

 母方、Nalga内に欠陥を派生させている。完全異系交配である為にその影響は軽微であると考えられるが、比較的影響の強い部分である点である事を考慮に入れた場合、やはりその影響を受けていると考えられる。

○ 影響   (3)

 (3-3-5-4)と絶妙のバランスを形成している。決して超一流のバランスであるとは言い難いが、良好であると考えられる。

○ 質[近]  (3)

 3代目までに存在する血統は全体的に良好であると考えられる。底力勝負に対応可能な血統構成である。

○ 質[遠]  (4)

 主導たるAlmahmoudは、決して質の高い配合だとは言えないが、Hyperion・Nearco・Princequilloと影響の強いクロスは非常に質が高い。前述した質[近]と併せ良好な状態を形成している。

○ スピード (4)

 主導たるAlmahmoudのスピードを中核に、Nasrullahがアシストした形態。両者の連動は良好で、決して器用なタイプだとは言えないものの、スピードに良さがある配合。

○ スタミナ (3)

 Princequilloの単一クロスを中核にした配合。Princequillo内はPapyrus~Tracery・Gay Crusader・White Eagleが生きた為に、中距離向きのスタミナを補給している。アシストがやや弱いのが気にはなるが、比較的良好であると言える。

○ 特別配点 (1)

 主導牝馬クロス:Almahmoud


 総合的に見ると、主導勢力は比較的明瞭であるものの、結合力の弱さや欠陥の派生等、決して良好な血統構成であるとは言い難い部分も併せ持つ。また、この結合力の弱さや欠陥の派生は本馬の戦績において、不安定さや距離延長においてマイナスに作用していると考えられる。血統のみの考察においては、マイル~中距離を適性とするはずの本馬が、スプリント適性を見せたのは、この部分に由来すると考えられる。
 しかしながら、Princequilloを始めとして、Hyperion・Nearcoや7代目以降においてもKsar等の重厚な血を生かした為、成長力は秘めている配合だと考えられる。
 また、フジキセキの後継としての可能性だが、特殊な仏系であるTourbillon~Ksarの影響も強いため、この部分を連動させるのが非常に難解であると言える。可能性としては、Lyphardの単一クロス内に血統を連動させる形態も考えられるだろうか。