血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

ホクトスルタン

2009-04-30 00:11:19 | 04年生
ホクトスルタン(メジロマックイーン×ダイイチアピール-サンデーサイレンス)牡・04生

主:8 結:4 土:3 弱:3 影:2 質[近]:3 質[遠]:3 SP:3 ST:4
合計:33点 クラス:2B 芝:9~12F ダ:~9~F
日本適性:□ 成長力:○ 成長型:遅め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 ホクトスルタンは5代以内では、アウトブリードになる完全異系交配馬。主導はHyperion6・7×7・8・8・8の系列クロス。本来このHyperionは父Gainsboroughがクロスになるものの、Bayardo~Bay Ronaldoが断絶している。しかしながら、10代目にあるGay Crusaderの父としてのBayardoのアシストを受け明確な主導(系列クロス)として機能している。

 また、主導となるHyperionはPluky Liege6×8・9・9・9のアシストを受け非常に強力なスタミナをアシストされ、ホクトスルタンの長距離適性の源になっていると考えられる。またSolario6×9、及びUdaipur(=Umidewar)6×9のクロスは世代ズレの為に効果は疑問だが、この部分の引き出しに成功すれば、日本の芝ならば15F克服は十分に可能。

 反面、スピードに関する血はNasrullah7×7やTetratema7・7・7×9の引き出しにかかっているが、クロス馬の少なさから世代が古い割には引き出しやすいと考えられる。

 また、完全異系交配馬の割りにきめ細かい配合だと言え、スタミナ優位の血統も相まって成長力を秘める配合。

 惜しむらくは、世代ズレを多く抱えた配合で、調子の維持や安定感には程遠い血統構成だと言えるだろう。

特別配点項目(主導牝馬クロス)

2009-04-29 20:49:24 | 特別配点項目
 特別配点項目:主導牝馬クロス(1点)

 主導と目される血が牝馬であった場合、特別に1点を配点します。これは、牡馬よりも牝馬のほうが産駒に与える影響が強い点(一説によると、産駒に伝える能力の度合いは、牡馬40%程度・牝馬60%程度だそうです。)を考慮し、特別に加点することにしました。現在のサラブレッドの主導で牝馬クロスの候補は言わずと知れた、Almahmoudですが、Cosmahの系列クロスを持つ配合馬も現れました。

特別配点項目(母・伴性血縁牝馬)

2009-04-29 20:48:37 | 特別配点項目
 特別配点項目:母・伴性血縁牝馬(3点)

 母・伴性血縁牝馬とは、母の血統の4代目までに(つまり、自身の血統では5代目まで)X染色体上のボトムラインに牝馬クロス(同血クロス可・Special=Lisadell等)を持つ場合、特別に3点を配点します。
 牝馬の持つX染色体は100%母と父の母からの遺伝によります。この経路上に牝馬クロスがある場合、遺伝力が強化する可能性が予想されます。
 近年では、アビ(ディープスカイの母)やサドラーズギャル(エルコンドルパサーの母)等があげられます。

評価基準(各項目について)

2009-04-22 21:44:57 | 血統評価基準
 では、各評価項目についての簡単な説明に入りたいと思います。

 ①主導(1~10点)
 主導とは、クロス馬の中から、当該のサラブレッドの血統を明確にリードする血を差します。この主導は、血統全体を通じ多数派であり、その他のクロス馬と強固に結合する事が好ましいと言えます。

 ②結合(1~7点)
 結合とは、クロス馬が相互に連動しているかについて評価を行います。連動しているか否かとは、互いに共通の祖先を持つか否かによります。この結合度合いは、近い世代で少ないクロス馬によって結合している事が好ましいと言えます。

 ③土台(1~5点)
 土台とは、当該のサラブレッドの血統において主導と考えられる血統の祖先が7~10代目で多数クロス馬として存在するか否かで評価をします。因みに多数とは現在のサラブレッドでは20以上程度です。

 ④弱点(1~7点)
 弱点とは、5代目に位置する祖先馬32頭を基準に調べます。この32頭の祖先の8代目までにクロスが出来ない場合を弱点、9~10代目までにクロスが出来ない場合を欠陥と呼び、評価の低下を招きます。

 ⑤影響(1~3点)
 影響とは、6代目までのクロス馬について調べます。6代目=1点、5代目=2点、4代目=3点…として配点をします。その配点を血統の4ブロックに分けて合計します。この得点によって、どの部分からの遺伝的影響が強いかを調べるとともに、過去の名馬達(Nijinski Ribot等8種あります)に近いか否かを調べ配点します。

 ⑥質[近](1~3点)
 質[近]とは、近い祖先馬(3代目まで)の血統の評価が高いかどうかで配点をします。近い祖先馬はクロスせずとも当該の競走馬に強い影響を与えていると考え、新たに項目を作りました。また牡馬よりも牝馬の血統評価をより重要視しています。

 ⑦質[遠](1~5点)
 質[遠]とは、当該のサラブレッドのクロス馬の血統評価により左右されます。また、影響度バランスにより強調されたブロックのクロス馬の質を更に重要視して配点します。

 ⑧スピード(1~5点)
 スピードとは、当該のサラブレッドの血統内でスピードの血が多い場合評価が上がります。また、それらの血が主導と密接に結合しているか否かによっても評価が変わります。距離適性にも影響を与えます。また、7代目に配された血も重要視しています。

 ⑨スタミナ(1~5点)
 スタミナとは、当該のサラブレッドの血統内でスタミナの血が多い場合評価が上がります。また、それらの血が主導と密接に結合しているか否かによっても評価が変わります。距離適性にも影響を与えます。また、7代目に配された血も重要視しています。

 ⑩特別配点(0~3点)
 特別配点とは、クロス馬のみを足がかりにサラブレッドの能力を考察する五十嵐理論の原則からはずれた項目です。当該のサラブレッドの血統内においてクロス馬以外に着目すべき点がある場合、その部分に配点をします。また、この特別配点によって、最高点である50点を超えることは出来ません。
 ※この項目については、今後増加する可能性があります。

 その他の評価

 ○日本適性:日本の軽い芝に対する適性です。
           (×~△~□~○~◎)
 ○成長力:サラブレッドの血統から見た成長力です。
           (×~△~□~○~◎)
 ○成長型:想定されるサラブレッドの成長型です。
           (早熟~早め~普通~遅め~晩成)
 ○馬場適性:血統から想定される馬場適性です。
           (芝~兼用~ダート)
 ○重馬場適性:血統から想定される重馬場適性です。
           (×~△~□~○~◎)
 ○距離適性(芝):芝コースにおける距離適性です。
           (5~16F)
 ○距離適性(ダ):ダートコースにおける距離適性です。
           (5~12F)

評価基準

2009-04-22 21:43:55 | 血統評価基準
 初めまして、血統オタクのtakuと申します。このブログではサラブレッドの血統を見てそれぞれに評価をする、などという独善的な書き込みを気の向くままにアップしていきたいと思います。まず始めに、サラブレッドの血統を評価する基準について説明します。

 血統理論には、様々な種類があります。私個人が参考にしているのは、故五十嵐良治氏が創案し、体系化された五十嵐理論と呼ばれるものです。この、五十嵐理論を軸におきながら独自の評価基準を加えた劣化版になります。なお、五十嵐理論上の考え方・用語等の著作権は全てIK血統研究所に帰属します。


 偉大な先達の方々、また個人的に師匠と考えている方(評価基準を見れば解る方は解りますよね)に影響を受けて自分なりに考えた評価項目が以下の様になります。

 ①主導 ②結合 ③土台構造 ④弱点・欠陥 ⑤影響度バランス ⑥質[近] ⑦質[遠] ⑧スピード ⑨スタミナ ⑩特別配点
 
 この、10項目についてサラブレッドの血統を10代目の父母(公式評価は9代目まで)まで遡り配点していきます。五十嵐理論に知識のある方は、評価基準が違う事に違和感を覚えるかもしれませんが、ひとまずはこの基準で評価をしていきます。

 因みに、この評価基準にそれぞれ配点をしますが、評価点は同一ではありません。私個人の判断で、重要であるか否かによって格項目に配点の差異をつけています。以下はその点数です。

 ①1~10点 ②1~7点 ③1~5点 ④1~7点 ⑤1~3点 ⑥1~3点 ⑦1~5点 ⑧1~5点 ⑨1~5点 ⑩0~3点

 特別配点を除く、①~⑨を合計すると最高50点になります。この9~50点の得点に応じ競走馬の血統をクラス分けします(因みに公式は7段階評価)。以下はその基準と該当するサラブレッドです。

 50~46点:3Aクラス:タマモクロス・ビワハヤヒデ等
 45~41点:2Aクラス:サイレンススズカ・ナリタブライアン等
 40~36点:1Aクラス:マヤノトップガン・ディープインパクト等
 35~31点:3Bクラス:ウオッカ・エアグルーヴ等
 30~26点:2Bクラス:ヒシミラクル・ヤマニンシュクル等
 25~21点:1Bクラス:500万下~条件級
 20~16点:3Cクラス:未勝利~1000万下級
 15~11点:2Cクラス:中央未勝利級
 11点以下:1Cクラス:地方未勝利級

 と、いった感じになります。次回からは、各評価基準の説明に移りたいと思います。