血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

Beauty Parlour(ビューティーパーラー)

2012-06-05 17:33:28 | 海外馬
Beauty Parlour(ディープインパクト×Bastet-Giant's Causeway)牝・09生

9代血統表:http://pednet.k-ba.com/cgi-bin/ped/pedigree.pl?gene=9&data=229274

主:6 結:6 土:4 弱:5 影:2 質[近]:3 質[遠]:3 SP:4 ST:4
合計:37点 クラス:3B 芝:8~12F ダ:8~10F
日本適性:□ 成長力:◎ 成長型:普通 馬場適性:芝 重馬場適性:□

○ 主導   (6)

 主導は、Hail to Reason4×6。Hail to ReasonはRoyal Chargerが欠落するものの、ほぼ系列クロスを形成し、主導を形成している。更に、Sir Gaylord6×6が系列クロスを形成し、この両者で連合勢力を形成し、血統をリードしている。しかしながら、Almahmoud5・7×7の系列クロスや、Northern Dancer5×5の中間断絶クロスも存在しているため、極めて強力とはいかなかったのが、惜しまれる。

○ 結合   (6)

 主導勢力を形成するHail to Reasonおよび、Sir Gaylordは当然の事ながら、その父Turn-toで強固に結合を果たしている。また、6代目までに存在するクロスである、Northern DancerはNearcoで、AlmahmoudはGainsboroughで、PocahontasはSir Gallahad・Princequilloで、DonatelloはBlenheimで、Somethingroyal~PrincequilloはSir Gaylordに含まれる血統のために確実に結合を果たしている。また、7代目以降に存在するクロス馬も、非常に連動性が高く、目覚めた血がHail to Reason・Sir Gaylordへと集合する形態がとられているのが見て取ることができる。かなり優秀なレベルといって差し支えないだろう。

○ 土台   (4)

 土台構造はPharos(=Fairway)が17ヶで形成している。単体の土台構造としては平均的であるが、Gainsboroughが15ヶ、Sir Gallahad(=Bull Dog)が13ヶでサポートしている。これらが目覚めた場合、強固な土台構造だと言えるだろう。

○ 弱点   (5)

 母方Crimson Saint内に弱点を派生。しかしながら、9代目においてPharamond・Black Toney・Sir Gallahadとクロスしたため、その弱点は極めて軽微であると考えて良い。また、父方Queen's Hussar内も弱点を派生するものの、同様に9代目において、Fairwayが3連クロスしている為、やはり影響は軽微だと言える。かろうじてと言える部分ではあるが、総合的には優秀だと考えて良い。

○ 影響   (2)

 影響度バランスは(9-6-4-2)と父方サンデーサイレンスを強調している。決して良好なバランスとは言い難いが、主導勢力を含む部分を強調し、その生かし方が良いのは幸運だと言えるだろうか。

○ 質[近]  (3)

 近い世代の血の質はかなり良好だと言える。特に強調された父方は優秀な血が多く、その生かし方も良い。底力勝負可能な血統構成。

○ 質[遠]  (3)

 主導たるHail to Reasonや影響の強いAlmahmoudは、決して良好な質を持つとは言い難いものの、Sir GaylordやDonatelloの影響も強く、総合的にはやや良いと言った内容だと言える。ただし、前述の質(近)とあわせ底力勝負は十分可能。

○ スピード (4)

 主導たるHail to Reason及びAlmahmoudを中核にした配合。軽いスピードにある程度の良さはあると言える。また、クロスこそしないもののNasrullahとRoyal Chargerの呼応により目覚めたスピードを、両者に上手く取り込んでいるのを見て取る事ができる。Court Martialの欠落が残念。

○ スタミナ (4)

 Sir Gaylord~PocahontasおよびPrincequilloとDonatelloを中核にした配合。非常に重厚で、距離延長への適性を秘めていると言え、それぞれが主導勢力を上手く結合をはたしている事もプラス。


 総合的に見ると、近年の英仏産馬によく見られる形態だが、最前面のクロスであるHaloが、3×6と世代ズレをおこしている割に、きめ細かくまとまった配合で、そのバランスの悪さをある程度、自身の血統内で解決できている点で妙味がある配合だとも言える。
 また、生かされたスピード・スタミナは強靭で、全体的にスタミナ優位の配合であり、8F戦のみ4連勝しているが本質的には10F前後に最も適性を秘めると考えられ、12Fの克服も十分に可能だろう。
 ただし、前述したように、影響度バランスの悪さや、Haloの世代ズレを抱えるなど決してベストマッチの配合であるとは言い難い。もし、このHaloが目覚めた場合、徐々にマイルタイプにシフトしていくと考えて良く、古馬になって戦績が安定しない可能性があるのは指摘しておきたい。父ディープインパクトの名声を欧州においても高めるように(サラブレッド生産のマーケット的な意味において)、今後の活躍も期待したい。