血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

エスポワールシチー(かしわ記念)

2009-06-29 22:36:49 | 2009年GⅠ勝ち馬
エスポワールシチー(ゴールドアリュール×エミネントシチー-ブライアンズタイム)牡・05生

主:6 結:4 土:3 弱:3 影:1 質[近]:1 質[遠]:2 SP:3 ST:3
合計:27点 クラス:1B 芝:7~9F ダ:6~8F
日本適性:□ 成長力:□ 成長型:普通 馬場適性:兼用 重馬場適性:○

 09年:かしわ記念

 主導はNever Bend6×4の系列クロス。父Nasrullahを3ブロックに配したものの、父父サンデーサイレンスはNasrullahを持たない為この部分の動き出しが遅く、見た目程強力な主導となりえなかった。更に、主導となったNever BendはDjebel~Tourbillonを欠落させた為、踏ん張りがきかない一本調子のスピードを再現している。反面、Pharosが16ヶで土台構造を形成する等、全く見所が無いわけではない。

 しかしながら、強調したヘップバーンシチー内のブレイヴェストローマンの生かし方は悪くはないが、ジーゲリン内に弱点を生じたのは非常に残念で、世代の新しい配合の為にHyperion~Gainsboroughの結合具合には疑問が残り(Hail to Reason内Gainsboroughにて9代目で結合)、結果的にダート路線で頭角を現したのもうなづける内容となっている。

 クロスの字面を追っていくと芝対応が可能な配合ではあるが、実際にはSir Gallahad(=Bull Dog)~Teddyの影響が強いうえに、ブレイヴェストローマンを強調した為にかなり厳しいであろう事が予測される。実績通りのダート短距離に適性を示す配合だろう。

ディープスカイ

2009-06-25 21:22:53 | 05年生
ディープスカイ(アグネスタキオン×アビ-Chief's Crown)牡・05生

主:7 結:5 土:3 弱:6 影:3 質[近]:2 質[遠]:3 SP:4 ST:3 特:3(母・伴性血縁牝馬)
合計:36+3点 クラス:1A 芝:8~11F ダ:8~10F
日本適性:□ 成長力:□ 成長型:早め 馬場適性:兼用 重馬場適性:□

 08年・NHKマイルC・日本ダービー馬

 ディープスカイはBold Ruler5×5・5を主導にした配合。比較的明瞭な主導だと言えるが、Almahmoud5×6も系列クロスを形成し強い影響を持った点や、父父サンデーサイレンスがBold Ruler~Nasrullahを含まない為に、主導としての評価に影を落としている。

 しかし、抜群の影響度バランス(4-4-5-4)や、5代目からクロスを作る配合にも関わらずこれといった弱点や欠陥も無く、父を生かすために必要なTourbillon~Ksar・Man o'Warもしっかりとクロスされている。

 惜しむらくは、これといったスタミナの核を作れなかった点だが、Belle Mere(=Beau Pere)~Son-in-Law・Hyperion~Gainsborough等、Key to the Mint内の生かし方が良く、本質的に12Fは厳しいが11Fまでなら十分守備範囲内。

 また母アビが抱える母系クロス、Miss Carmie(4※5)がX染色体径路上にある為、もう一皮剥ける可能性を秘める。今後も安定感のある走りを期待したい。

特別配点項目(父・伴性血縁牡馬)

2009-06-25 21:14:32 | 特別配点項目
 特別配点項目:父・伴性血縁牡馬(2点)

 父・伴性血縁牡馬とは、父の血統の4代目までに(つまり、自身の血統では5代目まで)X染色体上のボトムラインに牝馬クロス(同血クロス可・Special=Lisadell等)を持つ場合、特別に2点を配点します。
 牝馬の持つX染色体は100%母と父の母からの遺伝によります。この経路上に牝馬クロスがある場合、遺伝力が強化する可能性が予想されます。
 近年では、エルコンドルパサーがあげられます。

Sea The Stars(シーザスターズ)

2009-06-14 12:08:50 | 海外馬
Sea The Stars(Cape Cross×Urban Sea-Miswaki)牡・06生

主:7 結:4 土:3 弱:5 影:2 質[近]:3 質[遠]:3 SP:3 ST:4
合計:34点 クラス:3B 芝:9~12F ダ:~9~F
日本適性:△ 成長力:○ 成長型:遅め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 09年、英2000ギニー・英ダービー二冠馬で、秋に英セントレジャーにてNijinsky以来の3歳三冠を狙うSea The Starsについての考察をしてみたいと思う。

 主導は、Nasrullah6×6・6。一応は明確な主導だと言えるが、6代目にあるNasrullahでは、混在する欧米系の血統を上手く纏めるのは非常に難しく、この部分がSea The Starsの能力限界を示している。

 また、父のスピード源であったFair Trialが欠落するなど、父のイメージと異なり決して際立ったスピードを発揮できるタイプではないだろう。

 反面、スタミナ面には良さがある配合で、Big Gameを系列ぐるみにするなど12F克服は十分可能。また、Pharosが17ヶで土台構造を形成する等、見所が無い訳ではない。

 半兄のGalileo(1A 芝8~12F)との比較ではスピード面に劣る事は否めず、決して褒められる血統内容ではない。しかしながら、Nijinsky以来途絶えた三冠馬の系譜を蘇らせることができれば、全世界的にステータスの下がった長距離レースの復権に大きな役割を果たす事になるだろう。その意味では大きな期待を抱かせるサラブレッドである。

Sight Winner(サイトウィナー)

2009-06-04 20:22:46 | 海外馬
Sight Winner(Faltaat×Kinjinette-Kinjite)セ・03生

主:8 結:4 土:3 弱:3 影:1 質[近]:2 質[遠]:3 SP:4 ST:3
合計:31点 クラス:2B 芝:6~9F ダ:~7~F
日本適性:○ 成長力:△ 成長型:早め 馬場適性:芝 重馬場適性:□

 Sight Winnerの主導はNasrullah5・7・7・7×7・7・7・7・8で明確だと言えるが、父母間と言うよりも、父の父Mr.Prospectorの世代のみ古い為、他の3ブロックから孤立した印象を与える血統となっている。そのため、自らのサイアーラインである、Native Dancerは4×8と世代ズレをおこしており、母からの能力アシストが少ないのはこの配合の限界点だろう。

 また、これといったスタミナ源を持たず、基本的には米血の影響も弱いため芝向きのスプリンター~マイラーだと考えられる。

 しかしながら、Mr.Prospectorを強調し、父母双方の主導(父はNashua主導)となったNasrullahを自らの主導と出来た点は幸いで、軽いスピードに良さがある配合となった為に、日本向きの血統であるとは言えるだろう。