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人ならざる領域

2011年01月20日 | 動物のこと
大分県でイノシシによる農作物の食害が問題になっているとか・・・
他にもいろんな県で問題になっている。

俗に言う『害獣駆除』というやつだ

害獣などとは嫌な響きだが
農家の人にとっては深刻だろう、

銃を持つ人の中にはちょっと・・いや、かなり痛いというか
要するに僕の大っきらいな思考回路を持つ人もいて
害獣駆除という名目でオリの中に閉じ込めたイノシシを至近距離から射殺して喜んでいる人もいる。

可哀想なんだが
実害を浴びている人たちにとっては溜飲の下がる思いなのかもしれない、
犯人がそいつかどうかは問題ではなく
無抵抗の相手の生殺与奪を握った末に安全な所から殺すっていう歪んだ嗜好と
とにかく鬱憤を晴らしたいという需要と供給の間の現象か・・

僕はそういうのは大っっ嫌いだが
だから何ができるわけでもないのでもどかしい


そしてその対策の一つとして
大分県でイノシシを狩るオオカミを外国から連れてきて野に放そうという計画があるらしい。
立案者は「アメリカでも成功例はあります」などと寝言を言っているが
とんでもない暴論である。

アメリカの例というのは
おそらくイエローストーン国立公園の事を指していると思われます。
たしかに件の公園ではエルク(大きな鹿と思ってください)が増えすぎて深刻な食害に見舞われた際、
オオカミ(食物連鎖の最上位者)を放すことによってエルクの数を調整しようとしました。

結果、増えすぎたエルクは適切な数に落ち着いたというわけです。
※オオカミだけの効果かどうかは諸説あります。

でもこの例示って
物凄く大事な部分が抜け落ちていまして
イエローストーン国立公園でオオカミが絶滅した原因って人間の狩猟だとか
家畜を襲うからって撃たれたりしたからなんですよね・・・

つまり元々いた動物をいない状態にしておかしくなった生態系を
元通りにした事によってバランスが保てるようになったってだけの話なんですよ

大分県(北海道にも導入案があるらしい)にオオカミを入れるっていう事は
本来いない動物を持ってくるって事です。

はたしてうまい具合にイノシシを狩ってくれるでしょうか?
確率論で言えば天文学的な低さでしょう。

イノシシも猛獣です。
オオカミがいくら強いとはいえ
猛獣を相手にすれば怪我をする危険性もあります
野生において大怪我と死はほとんど同義です。

そして
少し人里に下りれば
美味しく太って、戦闘力など皆無に等しい家畜さんが沢山並んでいます。
オオカミを含む肉食獣は『狩りやすい相手を狩ります』つまり
年寄りとか子供とか、反撃される心配の少ない相手です。

一戦一戦が命がけの野生動物は
よほどの事がない限り大きなリスクは犯しません。

その昔
ハブを駆除するという名目でマングースが放されました。
結果どうなったか
毒をもっている危険な相手を襲うようなことはなく
安全に仕留められるヤンバルクイナ(天然記念物)やアマミノクロウサギ(天然記念物)を
食べまくっています。

挙句の果てにはマングースまで害獣扱いで駆除するなんて言い出す始末。
きっとマングースたちは
「お前らの都合で勝手に連れてきて思い通りに動かなかったら殺すのか?」
って憤ってることでしょう。

世代交代して純粋にそこで生まれ育ったマングースたちにとっては
人間は単なる虐殺者にしか見えないことと思います。

生物農薬という言葉があります。
単一の食性を持つ生き物を使って特定の害虫などを駆除する方法です。
これがなりたつのはA種とB種お互いのみの関係で完結しているからで
実用できるのは寄生虫~昆虫のレベルが限界だろうと思います。

自然を壊すのは人間だけだから人の手で直さなければならないというのは
確かにその通りです。

だけど
元に戻す以上のことは人が触れてはいけない領域だと思います。

なんか
このニュース読んで
『オオカミ王ロボ』思い出しました。


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