“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

被爆者、国民の願いと安倍政権のねじれ

2013年08月09日 10時57分01秒 | 臼蔵の呟き

8月6日広島平和公園での平和祈念式での安倍氏の演説内容が報じられています。広島市長の核廃絶への呼びかけとは対照的に、アメリカとの関係に配慮し、唯一の被爆国が核拡散、廃絶に消極的である安倍、自民党政権の姿勢を鮮明にしました。広島市長の意見表明と安倍氏の演説内容には平和実現に対する意識レベル、政治の役割において雲泥の差がありました。

核の利用に対する考え方も、安倍、自民党政権は原子力発電所再稼動を積極的に推進することを広島でも繰り返し、述べました。安倍、自民党政権は、消費税率の引き上げ、法人税率の引き下げ、投資減税の導入、TPP交渉への参加、原発再稼動、社会保障の切り下げ、すべてが国民の願いと対立しています。

衆議院選挙では小選挙区制度により、過半数の議席を占めました。しかし、その選挙においてこれらの重要法案、課題について国民の承認、信認を得たわけではありません。そして、今回の参議院選挙でも経済対策以外は、ほとんど語らず、何が争点か分からない選挙戦術を取りました。しかし、民主党政権の公約違反に怒った選挙民の感情が、相対的には自民党に有利に働き、選挙制度も自民党に味方して、過半数議席を占めました。

安倍、自民党政権はその結果を見て、白紙委任を受けたかのごとくの行動を公然化させています。麻生氏のナチス発言、集団的自衛権容認のために内閣法制局長官の人事配置強行、原子力発電所再稼動の動きはおごりとそのあらわれです。衆参での過半数を使って、憲法改悪、教育の反動化、消費税率の引き上げ、TPP参加などを実行しようと狙っています。3年間で次々と歴史の歯車を逆転させることが安倍、自民党政権の支持率低下と政権基盤を掘り崩すことは確実です。

<広島の願いと安倍政権のねじれ>

 安倍晋三首相が六日、被爆地・広島での被爆者との面談で、原発政策を推進する考えを表明した。世論の反対が強い原発再稼働や原発輸出だが、首相には前提条件である安全性を、日本の技術は満たすことができるとの過信がある。被爆地での表明は信頼を得るどころか、不信感を増幅させたといえる。 (城島建治、宮尾幹成)

 東京電力福島第一原発事故の教訓は、原発を完全にコントロールできないということ。事故が起きれば、放射能が拡散し、甚大な被害が出る。事故から二年半たった今も、十五万人が避難生活を余儀なくされている現実が物語っている。

 民主党政権の菅直人、野田佳彦の両首相(いずれも当時)は原発事故後、広島の「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」で「脱原発依存」を目指す考えをそれぞれ表明した。福島の原発事故の反省があったからだ。

 だが、安倍首相はその広島で、原発を推進する姿勢を重ねて鮮明にした。被災地では除染も進んでいないのに、首相の言葉をうのみにする人はいないだろう。

 広島は、同じ核の後遺症に苦しみ続けている。安倍首相は式典で原爆症の未認定患者を早期に救済する考えを表明し、被爆者に寄り添う姿勢は示している。

 ただ、原発を再稼働することは、事故のリスクと表裏一体。首相は原発について「安全性を確保する」と強調しつつ、国会などでは「絶対安全はない」と認めるという自己矛盾から目を背けている。