この程度の管理能力しかない、東京電力なのかとあきれる現場での危機管理、対応ですね。だから、過疎地域に原発を作ったんだと思わされる会話が明らかになっています。原子力発電所が首都圏、大阪市などの人口密集地域に建設されていたらこのような危機管理はないのだと思います。また、彼らの技術、能力をもってしても、このような事故対応は無理なことを反対に示してもいるのだと思います。東京電力、関西電力、四国電力、九州電力、東北電力、北海道電力に原子力発電所を完全に制御する技術力はないことだけは確かです。
原子力村の学者が、事故の確率は航空機墜落の確率より低いから「大丈夫」との無責任な発言があります。しかし、原子力発電所の事故、災害は、起きたら収束、収拾が困難であり、莫大な収束費用がかかる点でおきてはならない事故です。人間が関与する技術で事故がないとはいえないとも言う学者がいます。であれば、原子力発電所は稼動させず、廃炉にすることが唯一の選択肢ではないかと思います。
<記録>
「炉圧(原子炉圧力)はちゃんと注水できるまで落ちるんだっけ。賭けだな、もう、賭け」。昨年3月13日午前の記録で、吉田所長がうめいた。3号機の冷却装置が停止し、炉心溶融の危機に直面していた。前日に爆発した1号機と同様、建屋に水素がたまっていく。本店の小森明生常務が漏らした。「すごいやばい状況」。
同日夜、圧力はいったん下がったが、14日朝に再上昇。吉田所長が言った。「急激だな。これほんと、要注意なんだよ。6時から6時20分の間に50キロ上がってるでしょ。7時前に設計圧力を超えちゃうよ。水位がダウンスケール(燃料棒が露出)しちゃったじゃん。うえ!小森さん!」
午前11時1分、建屋が爆発。続いて2号機が危機に陥る。建屋の水素を外に出す手だてが見つからない中、建屋上部のパネルが1号機の爆発の影響で開いているという情報が入る。「おぉ、ラッキー」。本店社員が思わず弾んだ声を上げた。
しかし2号機は注水や減圧ができず、事故発生以来、最も厳しい局面を迎える。格納容器が破裂すれば、建屋の爆発にとどまった1、3号機とは比べものにならないほど大量の放射性物質が放出される。
午後9時過ぎ、突如、第一原発から大きな歓声と拍手が湧き上がった。「誰かのお誕生日ですか」。本店社員のとぼけた質問に、現場から「今、ようやく水位が出てきました!」と注水成功が伝えられた。「やったぁ」「おめでとう」。本店社員も喜んだ。
だが、それもつかの間、放射線量が上昇する。「21時37分に正門で測定。3・2ミリ・シーベルト」。吉田所長は思わず、「ちょっと待ってくれ。ミリシーベルトなの?」と単位を問いただす。「それ大変だよ」。重苦しい空気に包まれた。
午後11時頃、再び圧力が上昇。本店の顧問が「おい吉田、ベントできるんだったらすぐやれ」「格納容器ぶっ壊したらまずいからさぁ、早く弁を開けてくれよぉ」と迫る。吉田所長は「はい、はい、指示してます」と答えた。
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原子力村の学者が、事故の確率は航空機墜落の確率より低いから「大丈夫」との無責任な発言があります。しかし、原子力発電所の事故、災害は、起きたら収束、収拾が困難であり、莫大な収束費用がかかる点でおきてはならない事故です。人間が関与する技術で事故がないとはいえないとも言う学者がいます。であれば、原子力発電所は稼動させず、廃炉にすることが唯一の選択肢ではないかと思います。
<記録>
「炉圧(原子炉圧力)はちゃんと注水できるまで落ちるんだっけ。賭けだな、もう、賭け」。昨年3月13日午前の記録で、吉田所長がうめいた。3号機の冷却装置が停止し、炉心溶融の危機に直面していた。前日に爆発した1号機と同様、建屋に水素がたまっていく。本店の小森明生常務が漏らした。「すごいやばい状況」。
同日夜、圧力はいったん下がったが、14日朝に再上昇。吉田所長が言った。「急激だな。これほんと、要注意なんだよ。6時から6時20分の間に50キロ上がってるでしょ。7時前に設計圧力を超えちゃうよ。水位がダウンスケール(燃料棒が露出)しちゃったじゃん。うえ!小森さん!」
午前11時1分、建屋が爆発。続いて2号機が危機に陥る。建屋の水素を外に出す手だてが見つからない中、建屋上部のパネルが1号機の爆発の影響で開いているという情報が入る。「おぉ、ラッキー」。本店社員が思わず弾んだ声を上げた。
しかし2号機は注水や減圧ができず、事故発生以来、最も厳しい局面を迎える。格納容器が破裂すれば、建屋の爆発にとどまった1、3号機とは比べものにならないほど大量の放射性物質が放出される。
午後9時過ぎ、突如、第一原発から大きな歓声と拍手が湧き上がった。「誰かのお誕生日ですか」。本店社員のとぼけた質問に、現場から「今、ようやく水位が出てきました!」と注水成功が伝えられた。「やったぁ」「おめでとう」。本店社員も喜んだ。
だが、それもつかの間、放射線量が上昇する。「21時37分に正門で測定。3・2ミリ・シーベルト」。吉田所長は思わず、「ちょっと待ってくれ。ミリシーベルトなの?」と単位を問いただす。「それ大変だよ」。重苦しい空気に包まれた。
午後11時頃、再び圧力が上昇。本店の顧問が「おい吉田、ベントできるんだったらすぐやれ」「格納容器ぶっ壊したらまずいからさぁ、早く弁を開けてくれよぉ」と迫る。吉田所長は「はい、はい、指示してます」と答えた。
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