映像制作著作:松竹株式会社
札幌での万年ペンでひと儲けした一行は小樽へと移動する。この街には兵頭の昔の恋人がいる。そのことを寅とリリーに打ち明けたのが小樽運河にかかる北浜橋。運河には4本の橋が架かるが、一番北に位置するこの橋は観光客もあまり訪れない。この橋より北の運河終端を望んだのが上の画像。映画撮影当時には正面に大きな倉庫があったが今はそれも取り壊された。今も残る特徴として運河の右に赤レンガ倉庫。左手に特徴的な三角屋根が並ぶ。そしてこの三角屋根の建物(地方卸売市場)は一度取り壊されてしまったものの、そのシルエットが新しい建屋に再現されているのだ。中央の画像は北浜橋中央南側より西南方向の風景。小型の倉庫群が運河に沿って並ぶ。最後の画像は同じく橋の中央より運河の南の方角となる。兵頭の背に遠景で北海製罐小樽工場第三倉庫の特徴的なデッキが見える。余談となるが今は使われていないこの4階建て倉庫は缶詰出荷時に運河へ一気に荷物を降ろすための無限回転のリフトと貫通スパイラルスロープや滑り台が目を惹く。小樽運河最盛期を物語る貴重な文化遺産と言える。「男はつらいよ」のロケ検証をしていて気付くのは屋外の人物撮影では望遠レンズでの寄りが基本のようだ。そして遠景が引き寄せられながらも被写界深度も深いことから、かなり絞り込んでいることが伺える。小樽のシーンでもまさに「お天気ピーカン」(ピント完璧)撮影となったようだ。
北浜橋
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます