そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

ワールド・トレード・センター

2006年10月14日 | 人間/社会派ドラマ


2006年 アメリカ 129分
■原題「WORLD TRADE CENTER」
2006.10.14 バルト11
■監督 オリヴァー・ストーン
■出演
ニコラス・ケイジ(港湾局警察官ジョン・マクローリン)   マイケル・ペーニャ(港湾局警察官ウィル・ヒメノ)   
マギー・ギレンホール(ウィルの妻アリソン・ヒメノ)   
マリア・ベロ(ジョンの妻ドナ・マクローリン)  
ジェイ・ヘルナンデス(港湾局警察官ドミニク・ペズーロ)
スティーヴン・ドーフ   マイケル・シャノン   ニック・ダミチ   ダニー・ヌッチ   フランク・ホエーリー

《story》

「勇気そして生還。これは、真実の物語」

2001年9月11日火曜日、午前8時46分。世界貿易センタータワー1に旅客機が激突した。ニューヨーク港湾警察官たちは、本部に呼び出され、緊急避難援助チームが結成された。班長のマクローリンを中心に、ヒメノたちは現場に駆けつけ、悲惨な有様に驚く。彼らは、酸素ボンベなどを用意し、地下1階からタワー1に向かった。そのとき、地響きとともに天井が崩れ落ち、彼らは瓦礫の中に埋もれていった。
マクローリン気がついたときは身動きできない状態になっていた。部下の名を呼んでみた。返事が返ってきたのは2人だった。奇跡的にも体の自由がきいたドミニクは、近くで瓦礫にはさまれていたヒメノを救出しようとする。しかし、二度目の崩壊で命を落としてしまった。生き残っているのは、マクローリーとヒメノの二人だけ。上空6m以上先に明かりが見えるだけ。二人の意識は次第に遠のいていく。

◎テロがどうとかではなく、災害に対して、人々の救出を目的として、危険を覚悟しながら進んでいく警察の行動に感動がある。どんな状況か詳しいことがわからないまま、それでも人々が危険にさらされているとわかったら、できうる限り、そこに向けて進んでいく。そんな仕事をしている人たちがいるということをあらためて感じることができた。しかし、今回の事件では、そうして集まった人たちが多く犠牲になってしまった。
瓦礫に埋もれて身動きできない状態になってしまったとき、生きていたことが奇跡だ。話すことができたことが奇跡だ。そして、近くに仲間がいて、会話できたことが奇跡だ。ここまで、埋もれて生きている人がいないか探しにきた人がいたことが奇跡だ。さらに、命をかけてでも、もぐりこんで救出したことが奇跡だ。多くの奇跡が重なっている。
テロに対し、悔しい思いに対し、仕返ししなければ・・・そんなことではなく、そこで助けを求めている人がいて、必死で救出しようとしている人がいること、そして、生還を信じ待っている家族がいること。そんな、尊い命をみんなが大切に思い、守るために一生懸命になっていることが、本当に未来を作っていくんだと思った。それは世界共通だ。命を大切にしない報復では未来は、ただ崩れていくだけなんだ。
公式サイト「ワールド・トレード・センター」


恋はデジャ・ブ

2006年10月14日 | コメディ


1993年 アメリカ 102分
■原題「Groundhog Day」
■2006.10.14 wowow
■監督 ハロルド・ライミス
■出演 ビル・マーレイ(フィル) アンディ・マクダウェル(リタ) クリス・エリオット(ラリー) スティーヴン・トボロウスキー(ネッド) ブライアン・ドイル=マーレイ

《story》
テレビで人気の天気予報官フィルは、プロデューサーのリタとカメラマンのラリーとともに、パンクスタウニーという町の聖燭祭の取材にやってきた。2月2日、冬眠からさめたモグラのウッドチャックが春の到来を告げる催しだった。
朝6時に起きたフィルは、廊下で人に会い、階下でコーヒーを飲み、街角で浮浪者に会い、保険外交のネッドに会い、リタやラリーと不機嫌な顔で仕事をした。そして車で帰る途中、吹雪に遭い、通行止めとなる。再び元の宿で寝るのだが、起きてみるとまた2月2日。何度死んでも、目が覚めれば2月2日。リタとの恋も、いつも振り出し。フィルに明日は来るのか。

◎何度もやり直せる1日はうらやましい。次の日が来ないつらさはあまり実感しない。次の日が来なければいいのにと思うことはよくある。人と人とのつながりって、「知る」ってことなんだと、これだけは言える。知ってもらえていることはうれしいことだ。その人がとても身近に感じられる。フィルが、明日をただあきらめたのではなく、自分の技術を磨いたり、人のためになることをしようと動く、これって大事なことなんだなと思う。私だったら、これ幸いに好き勝手するだろうな。でもフィルは町の人や、リタやラリーを大事にしていく。そこが人間のできの違いなんだろうな。2月2日はフィルを成長させてくれた。困難を乗り越えて、幸せをつかむことができた。


私の名前はキム・サムスン

2006年10月13日 | その他


2005年夏、韓国MBC放送テレビドラマ 全16話
■2006.10.13 wowow
■演出 キム・ユンチョル  脚本 キム・ドウ
■出演 キム・ソナ(キム・サムスン)  ヒョンビン(ヒョン・ジノン)  チョン・リョウォン(ユ・ヒジン)  ダニエル・ヘニー(ヘンリー・キム)  イ・ギュハン(ミン・ヒョヌ)  イ・ユンミ(チャン・チェリ)  クォン・ヘヒョ(イ料理長)   ヨ・ウング(オ支配人)   ナ・ムニ(ナ社長)  イ・アヒョン(キム・イヨン) 

《story》
30才で太めのキム・サムスンは、恋人にふられ、パティシエとして働いていた店も首になった。ジノンは自分が経営するレストランのパティシエを探していて、偶然サムスンのケーキを食べて、すぐにスカウトする。
ジノンは、事故で兄夫婦を失い、以前付き合っていた彼女が突然いなくなり、どこか陰があり、お金持ちの傲慢な態度でサムスンに接した。サムスンは、実家が人手に渡りそうになり、ジノンから5000万ウォン借りることになった。そのかわり、ジノンと恋人のふりをする契約をする。契約といいながらも、二人の心は次第に近づいていった。そんなとき、突然いなくなったジノンの彼女がアメリカからもどってきた。サムスンの恋は、いったいどうなっていくのか。

◎太めのサムスンだけど、どこかかわいい面をのぞかせる。おちゃめなところ、それでいてしっかりと舵取りをするところが魅力かも。それなのに、今まで結婚できないでいたなんて。個人的には、「ちょっとひどいな」「やりすぎ」と思う場面も多々あった。許してあげたら、そこまでやらなくても、って思った。最後に、ヒジンがアメリカから電話をかけてきたとき、「もうかけてこないで」って言った。わざわざサムスンにかけてきたのだから、もっと近づいてもいいんじゃないかな。つれないなって思ってしまった。まあ、それで、ヘンリーの方に目が向いていったのかもしれないけど。
ところで、イ料理長はどなったのだろうか。これもひどいなと思った。もっとお互いに言い方をやさしくしたらいいのにって。振り返れば「ひどい」と思った場面がけっこうあった。傷つくなあ、あれはないよ、と思った。
心に残った場面は、ジノンがハルラ山に行ったところ。わざわざ雨シーンだったから、困難を乗り越え結ばれる二人ってところかな。本当は、こんなにひどい天気だったら、入山禁止になってるよね。
 
WOWOW「私の名前はキム・サムスン」


恋するトマト-クマインカナバー

2006年10月10日 | ラブロマンス/青春


2005年 日本 126分
2006.10.10 TOHOシネマズ緑井 試写会
■監督 南部英夫   製作総指揮 大地康雄
■出演 大地康雄(野田正男)  アリス・ティクソン(クリスティナ)  富田靖子(景子)  村田雄浩    ルビー・モレノ(リバティ)   織本順吉   いまむらいづみ   でんでん   阿知波悟美   あき竹城   石井光三   アレックス・アルジェンテ   アリエル・バルド   清水紘治(中田)  藤岡弘(勇作)

《story》

「大切なものは土と水と太陽。そして、あなた」

農家の長男である野田正男は、45才になるが未だ結婚できないでいた。何度も見合いはするのだが、正男は優しい人だと言われながらも、農家の嫁になる人は見つからなかった。ある日、フィリピンパブで働くリバティを紹介され、結婚を前提に交際を始める。そしてフィリピンに渡り、リバティの家族に会ったあと、次の日結婚式を行う予定だった。しかし、家の中は誰もいなく、正男が渡した200万も持ち逃げされてしまったのだった。フィリピンの町をさまよう正男、お金も使い果たし浮浪者となってしまった彼を助けたのが、フィリピン女性を日本に送るブローカーをしていた中田だった。正男は中田の下で働くうち、次第にだます技術を身につけ、その世界にどっぷりつかっていくのだった。
ある日、仕事帰りの途中、稲刈りをしている風景に出会う。家族、知り合い、近所の人々みんなで手作業で稲刈りをしていた。その中に、マニラのレストランで給仕をしていた女性の姿を見つけ、正男も稲刈りを手伝った。その日から、毎日のように農作業に精を出した。そしてここでは高級とされている、日本の大玉のトマト栽培を始め、そうした家族のつきあいをしているうち、クリスティナへの思いは深まっていった。

◎確かに私もふくめて農業のことを本気で考えてはいない。いつか私たちの食べ物を作る人はいなくなってしまう。農業が身近でなくなればなくなるほど、食料に対する大切に思う気持ちは薄れ、傷があるだの、曲がっているだの、色が悪いだの、見かけだけにこだわるようになっていく。作る人の苦労などこれっぽっちも感じることなく、、私たちの要求に応えるために、体にはよくないものを使わざるを得なくなっていく。
人は、土や水、太陽から離れ、心も失っていくのだ。人間も自然の中でしか生きられない生き物。コンクリートと機械の中で管理されながら生きていく未来は、いつしか精神がボロボロになり、やさしさもあたたかさもなくしてしまう。自然を通してつながってきた人と人との関係も切れていくのだろう。
正男とクリスティナが結ばれていくのも、土と水と太陽を通してだった。日本では、もうすでに結ばれることが難しくなってしまった。

公式サイト「恋するトマト-クマインカナバー」


旅の贈りもの-0:00発

2006年10月09日 | 人間/社会派ドラマ

2006年 日本 109分
2006.10.9 サロンシネマ2
■監督 原田昌樹
■出演 櫻井淳子(由香)  多岐川華子(華子-女子高生)  徳永英明(越智太一先生)  大平シロー(若林-サラリーマン)  大滝秀治(真鍋善作)  黒坂真美(ミチル)  樫山文枝(本城多恵)  梅津栄(本城喜助)  石丸謙二郎(列車の車掌)  細川俊之(網干)  正司歌江(浜川裕子)

《story》

「夜汽車のベルが鳴る。いまハートフルな旅が始まる」
「誰もが旅に出たくなる。」


偶数月の第3金曜日、深夜0:00大阪発の不思議な列車に、悩みをかかえた男女5人も乗り込んでいた。列車は翌朝、「風町」の到着した。そこは時代に取り残されたような田舎の町だった。
由香は年下の彼とハワイ旅行に行くはずだったが、空港で彼の浮気を目撃し、逃げ出し、列車に乗った。華子は、自殺をしそこねて、行く当てもなく、列車に乗り込んだ。ミチルは、タレントを夢見ていたが、かなわぬまま、列車の不思議な旅に何かを期待していた。若林は、会社をリストラされ、妻子に疎んじられ、何となく列車に乗り込んだ。網干は、先立たれた妻の遺影とともに、旅を楽しんでいた。風町には以前、この列車でたどりついた越智先生が住み着いていた。
さあ、5人の旅の行方は・・・。

◎ドラマでよくある展開だった。先が読める、こうなるだろうなと思いながら、それでもドラマの展開に入っていける。私は単純なんだろうか。それとも、いいように見ていこうとしているのか、よほどのものでない限り、映画館で見るという条件があれば、満足だ。大きなスクリーンに映し出された風景の中に入り込んでいければそれでいい。
「風町」これは架空の町だって。広島のロケあり、岡山のロケあり、合成されたものらしい。でも、のんびりさわやかな風が舞う町、ゆっくり歩いて見たい町だと思った。不器用な私が、早く早くとせかされて大きな失敗をする。でも、ここなら、「ゆっくりでええよ」「のんびりやりんさい」と失敗も暖かく見てもらえそう。競争社会で、いつも評価を気にしながら働き、時間に追われ、量に埋もれていく今。自殺をしたくなるのもわかるよ。行ってみたい風町、それでいいんじゃないかな。

公式サイト「旅の贈りもの-0:00発」

郡上一揆

2006年10月09日 | 歴史映画/時代劇

2000年 日本 112分
■2006.10.9 BS2
■監督 神山征二郎
■出演 緒形直人(定次郎) 岩崎ひろみ(かよ) 古田新太(喜四郎) 前田吟(平右衛門) 山本圭(善右衛門) 篠田三郎(秩父屋半七) 永島敏行(孫兵衛) 林隆三(四郎左衛門) 加藤剛(助左衛門) 林美智子(たつ)  犬塚弘(清兵衛)  平泉成(藤弥一郎)  内藤武敏(青木次郎九郎)

《story》

「その時がきた」

江戸時代1754年、現在の岐阜県、美濃国。藩主金森は、農民に対して、『検見取り』(出来高によって年貢を変える)を実施しようとしていた。それに対し、120余りの村から3000人以上の農民が八幡城にかけつけ、国家老から、検見はしないというお墨付きをもらった。
しかし、翌年、藩主は庄屋らに圧力をかけ、強行策に出てきた。農民たちは、代表者を江戸に送り、江戸の藩邸に直訴するのだった。それも成果があがらぬまま、藩はさらに強行に出てくるのだった。定次郎らは、死を覚悟し、幕府へ箱訴を決意。

◎「一揆」を、こんなに多彩なキャストで大がかりに扱った映画はめずらしいと思った。江戸時代といえば、武士が中心となる映画が多い。でも、江戸時代の多くの国民は農民であり、そこにこそ多くのドラマがあったはずだ。だから、そんな農民の苦悩を描いたこの映画は希少価値がある。
ただ、言葉がよくわからなかった。何を言っているのか意味がわからない会話があった。それにその時代の物事の言い方が、すぐに理解できなかった。「検見」もそうだ。あらかじめ解説を読んでおくか、その時代の様子をよく知っていなければ、この映画はおもしろくないかも。
今に通じることで、たくさんの人で力を合わせれば、流れを変えることができるということだ。お互いに気遣い、助け合って、力を合わせようと、がんばっている姿がいい。

男はつらいよ33 夜霧にむせぶ寅次郎

2006年10月08日 | コメディ

1984年 日本 102分
■2006.10.8 BS2
■監督 山田洋次
■出演 渥美清(寅次郎)  倍賞千恵子(さくら)  中原理恵(風子・美容師)  佐藤B作(逃げた女房を捜す男・福田栄作)  美保純(タコ社長の娘)  渡瀬恒彦(オ-トバイの曲乗り・トニ-)

《story》
満男は中学生、寅さんは小さな地球儀を贈る。たこ社長の娘が結婚。
寅さんは北海道釧路に渡る。町の床屋にいると、仕事を求めてきた女性がいた。公園でその女性と会い、意気投合。女房に逃げられた男と三人の旅が始まる。風子の叔母のいる根室に行く。風子はその町の理容店で仕事を見つける。寅さんはそこで風子と別れ、柴又に戻る。しばらくして、ともに旅をした男が、風子が東京にいてお金に困っていることを知らせる。そして、テキ屋仲間のトニーが、自分の家に風子がいるから来てくれと、とらやを訪ねる。風子は病気で、とらやで看病する。元気になった風子だったが、寅さんとけんかし、とらやを飛び出す。月日は流れ、ある日風子から「結婚するから来てほしい」という手紙がくる。

◎良き世話役になってきたなあ。
渡瀬恒彦ってアクション俳優というイメージだから、この映画にいること自体違和感が・・と、思ったけどそうでもないのでびっくり。けっこう合っている。同じテキ屋でもこういうタイプもいるよって感じだった。この映画に出ている人はみんないい人なんだけど、トニーはその狭間にいた。暗い何かを背負っているような、そこに顔をつっこんでいくと、寅さんの世界に引っ張られていかれそう。そうならないように、でもつながっていなければ。「兄さん、以外と純情なんですね」
満男に贈った小さな地球儀。一悶着あるかなと思ったけど、世界なんてそんない怖いもんじゃない、自信を持って生きろ、そんな声が聞こえてきそう。ぽろっと地球儀が転がるところなんて、何かを暗示しているのかなと思ってしまった。

ポーラー・エクスプレス

2006年10月07日 | アニメ

2004年 アメリカ 100分
■2006.10.7 wowow
■監督 ロバート・ゼメキス
■声の出演 トム・ハンクス(ヒーロー・ボーイ/父親/車掌/ホーボー/サンタ)    ノーナ・ゲイ(ヒーロー・ガール)  ピーター・スコラーリ(ロンリー・ボーイ)   エディ・ディーゼン(知ったかぶりっ子)   マイケル・ジェッター(スモーキー/スチーマー)   チャールズ・フライシャー(エルフ隊長)

《story》
「クリスマスなんて信じない」それでも少年は、ベッドの中で耳を澄ませていた。真夜中まであと5分、時計の針が11時55分を指したとき、轟音とともにそれはやってきた。パジャマ姿の少年に車掌は声をかけた。その列車は、ポーラー・エクスプレス。動き始めた列車に少年は乗り込んだ。車内には大勢の子どもが乗っていた。いつの間にか、ポケットには列車の切符。北極点に向けて不思議な冒険が始まった。

◎信じない子どもには、きっと何か心に暗い部分があるのかもしれない。信じることが大切。そんな前提があってこの物語は始まる。夢を信じることはすばらしい。夢を失うこと、それは信じることができなくなったとき。でも、サンタクロースってのは大人の姿。子どもに夢がなくなるのは、サンタクロースである大人の責任なんだと思う。信じなくなった子どもより、信じることが難しくなった社会を作った大人の責任だと思う。信じることができる夢のある社会を・・・・。

公式サイト「ポーラー・エクスプレス」

タッチ

2006年10月04日 | ラブロマンス/青春

2005年 日本 116分
■2006.10.4 T.V
■監督 犬童一心
■出演 長澤まさみ(浅倉南)   斉藤祥太 (上杉達也)   斉藤慶太(上杉和也)   RIKIYA (原田正平)  平塚真介(松平孝太郎)  上原風馬(黒木武)  安藤希(日向小百合)  福士誠治(新田明男)  風吹ジュン(上杉晴子)  小日向文世(上杉信悟)

《story》

「いつでもいっしょだった」
「三人で描いた夢」
「届けたい、この想い」


上杉達也と和也、そして朝倉南は、隣同士の家で、同じ年に生まれた幼なじみ。3人の小さい頃からの夢は、甲子園に行くこと。和也は高校で投手を続け、地区大会で順調に勝ち進んでいた。南はその野球部のマネージャーで、チームのサポートをしていた。達也は、高校では野球をやめてボクシング部に入っていた。
地区大会決勝の日、和也はいつも通り家を出た。しかし、試合会場に行く前に、男の子の身代わりに車にひかれ死んでしまった。達也は南を甲子園に連れていくために野球部に入ったのだが・・・。

◎マンガが単行本で売り出されたときに、必死で読んだものだ。もう20年以上も前になるかな。マンガから実写となると、マンガを知らない方がいいみたいだね。ついつい比べてしまう。そして、やっぱりマンガの方がいいか、という結論に達してしまう。それにテレビはかなりカットされていたみたいだ。たくさんのコマーシャルに、2時間枠に収まっているのだから、そうだろう。まあ、どんなものか見てみたというところで、正直それほどおもしろくありませんでした。

蛇イチゴ

2006年10月03日 | 人間/社会派ドラマ


2003年 日本 108分
■2006.10.3 BSJ
■監督 西川美和
■出演 宮迫博之(明智周治)  つみきみほ(明智倫子)  平泉成(明智芳郎)  大谷直子(明智章子)  手塚とおる(鎌田賢作)  絵沢萠子(喜美子)  寺島進(前田)    笑福亭松之助(明智京蔵)  蛍原徹

《story》

「家(うち)がお終いになっちゃうまえに、お兄ちゃんに出てってもらおうよ」

倫子は小学校の教師をしている。父と母と、少しボケ始めた祖父と、暖かな家庭で暮らしていた。倫子の同僚の賢作を家に呼び、両親に紹介し、幸せな結婚も目の前に来ていた。
しかし、ある日、祖父が死んだ。介護に疲れていた母が一瞬の迷いから、祖父の死を早めた。葬儀の日、父の目の前にサラ金の取り立てがやってきた。父は、数年前に会社を首になり、会社に行っているふりをしながら、お金を借りて生活をしていたのだった。怒鳴り散らす借金取りの男の前に立ちふさがったのが、数年前に家を飛び出した倫子の兄だった。弁護士のふりをして、男を追い払う。
弟の周治を中心に、借金対策を練るのだが、実は周治は香典泥棒で生活をしていたのだった。それを知った倫子は・・・・・。

◎暖かな幸せな家庭だったはずが、実はそれぞれが不幸の種を育てていた。何も知らず、純粋に(もしかしたら無関心か鈍感なのかもしれない)幸せを感じていた倫子は、兄が出現したことで家庭が壊されていくと思ってしまった。実はそうじゃないのかもしれない。兄や父や母の生きてきた道こそ現実の人生で、倫子はただ汚い道を見させられることなく、天を仰ぎ、夢を抱いて生きてきてこれただけだったのだ。現実はそう甘くないよ、もっと厳しいよ、と言いたいのかもしれない。
幸せの中の不幸より、たくさんの不幸の中に見える小さな幸せを感じることの方が、それこそ幸せかもしれない。蛇イチゴがその小さな幸せだったはず。でも、子どもの頃の怖い思い出は容易く消えはしない。一番思いやりがあって、やさしかったのは兄の周治のように思えてくる。
広島出身の監督なので、これからも期待します。「ゆれる」は、この作品以上によかったです。

公式サイト「蛇イチゴ」