■2007年 日本 106分
■2007.10.14 シネツイン2
■監督 荻上直子
■出演
小林聡美(タエコ=大学の先生)
市川実日子(ハルナ=高校の先生)
加瀬亮(ヨモギ=タエコの生徒)
光石研(ユージ=浜田の主人)
もたいまさこ(サクラ)
薬師丸ひろ子(マリンパレスの女将)
橘ユキコ 中武吉 荒井春代 吉永賢
里見真利奈
《story》
「何が自由か知っている」
春先のある南の町、小さな飛行場にプロペラ機が着陸した。「来た!」ユウジたちは浜辺の海の家の準備をして、その女性サクラを迎える。送れて、思いトランクを引きずって砂浜を横断し、宿舎の浜田に到着したタエコ。迷わずにたどり着いたタエコは、ユージに「ここにいる才能がありますよ」と言われる。朝目覚めると、足下にすわってあいさつするサクラ。浜辺で行う不思議な「メルシー体操」・・・浜辺の海の家でサクラにすすめるかき氷。落ち着かないタエコは、もう一件のホテルに向かう。しかし、そこは働く体験ホテルだった。すぐにそこを飛び出し、元の浜田に向かうが、重いトランクをひきずりとぼとぼと農道を歩く。サクラは自転車に乗り迎えにいく。後ろに乗せてもらうタエコ。どういうわけか、ハルナたちはタエコをうらやましがる。タエコを探しにきたヨモギを交え、たそがれる経験をする。物々交換のかき氷・・・不思議な空間にタエコは癒されていく。
何となく癒される空間
これは何なんだろう、と首をかしげたくなるけど居心地がいい。大きな感動も、登場人物の詳細な説明も、びっくりするような転換も、何もないんだけど、ほのぼのとしてくるのはなぜなんだろう。正直言って、何度も見たくはならない。映画館で何気なく見るのにちょうどいい。つまらなくてあくびがでるわけでもない、切なくて涙があふれるわけでもない。でも、そこに行ってみたくなる。黄昏れてみたくなる。浜辺でかき氷を食べたくなる。のんびり本でも読みたくなる。毎日の仕事を、ちょっと休んでみたくなる。それでもいいと思いたくなる。そんな不思議な映画だ。お金があれば・・・時間があれば・・・とつい現実と比べたくなってしまう。ふらっと町を出ることなど到底できるわけはない。せいぜい映画館にふらっと出かけるくらいだ。それも後ろ髪を引かれながら。映画館に入ったらそれも忘れてしまうけど。またいつか何となく見たくなる映画だろう。
ところで、なぜ題名が「めがね」なのか。みんなめがねをかけているから、なんて理由にならない気がする。めがねに秘められたものは何なのか。あるけど意識しないもの。いつも意識していないし、その存在価値なんて考えたことないけど、朝になればそれを探し身につける。本当はとっても大事なもの。
公式サイト「めがね」
東北は、もう朝・夕寒いですよー!
紅葉の季節で混雑するというニュースを聞いているぐらいですー。