そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

らくがき黒板

2008年04月27日 | 人間/社会派ドラマ


1959年 日本 白黒 48分
■2008.4.21 日本映画専門チャンネル
■監督 新藤兼人
■出演 
   加地健太郎(青山先生)
   宇野重吉(校長先生)
   水戸光子 殿山泰司

 《story》

広島県三原の小学校。周辺の町では、子ども達の落書きに困っていた。青島先生は、ただ子ども達の落書きを止めさせるのではなく、何かいい方法はないかと考えた。そこで、今は使っていない黒板を「らくがき黒板」として、教室の後ろに設置した。そこには自分の意見や日々の生活で思ったことなど何を書いてもよかった。子どもたちの落書きから始まり、子どもたちの夢が書かれた。そしてある朝、男の子たちの間で流行っているブロマイド返しの遊びへの批判が書かれていた。お金をせびられる母親の願いだった。子ども達は、気持ちはわかるがやめられず、何かいい方法はないかと考えた。足の不自由な女の子が、単語カードでしたらどうかと提案。先生も、ローマ字を書いたら覚えることもできて一石二鳥だと進める。家で、必死になって単語カードに書き込む子ども達。勉強を始めたと喜ぶ親たち。謙虚だった足の不自由な女の子が、近くの山に登りたいと自分の願いを行った。先生と子ども達は彼女に声援を送りながら、山に登る。

 なかなか見ることができない映画
新藤兼人と言えば、近くの小学校の出身だと聞く。昨年、最新の映画の撮影がそこで行われた。95歳の高齢での映画制作だと聞き驚いた。名前はよく聞くけど、彼が作った映画を見る機会がない。この「らくがき黒板」はビデオにもなっていない。こうしてケーブルテレビでしか見ることができない。
映画館で見て楽しいかどうかと言われたら評価はできない。しかし、三原という郷土での撮影だと聞けば見たくなる。白黒ながら町の様子を懐かしく眺める。教育の立場から考えて見ると、地域の人がいかに寛大だったかがわかる。現代では落書きがあれば、学校には非難の声、警察も動き、地域が不安定になる。落書きの質にもよるが、笑ってすまされない落書きに変わってきていることも事実だが、寛容さも失ってきていいる。昔のほのぼとした学校、地域を感じた。新藤兼人の作品を機会があればまた見てみたい。



最新の画像もっと見る