■2006年 日本 116分
■2006.10.20 バルト11
■監督 土井裕泰
■出演 妻夫木聡(新垣洋太郎) 長澤まさみ(かおる) 小泉今日子(母-光江) 麻生久美子(恋人-恵子) 塚本高史 中村達也 平良とみ
《story》
「泣いても、泣いても、溢れ出す、君への想い」
洋太郎が8才のとき、ライブハウスの廊下で出会ったかおるはまだ幼かった。洋太郎に驚き、階段から落ちてけがをした。そのときから二人は兄妹になった。
2001年、沖縄。洋太郎はいつか自分の店を出したいと、市場や居酒屋で働いてお金を貯めていた。かおるが高校生なり、本島の高校に通うことになり、洋太郎のボロ家でいっしょに生活することになった。洋太郎は、お母さんが死ぬ間際に言った、「かおるを守って」という言葉を胸に、血のつながらない妹を大事にしていた。
かおるは、大学に合格し、兄から離れ、一人暮らしを始めた。ある日、台風がきて、かおるの家の窓に木がつっこんできた。どうしていいかわからずうずくまるかおるの元にやってきたのは、兄の洋太郎だった。壊れた窓の処置をした洋太郎は、その場で倒れ、病院にかつぎこまれた。そして・・・。
◎むくわれぬ恋と言えるのかもしれない。いや、洋太郎が病気になることがなかったら、「みゆき」のようにラストは結ばれたかもしれない。二人は、まるで「みゆき」のように、心の底でお互いを愛し、お互いを求めていたのだから。
洋太郎の恋人だった恵子との関係は・・。かおるが本島に来なかったら続いていたのだろうか。相容れない世界ってあるのだと思う。若いときは、好き会っていても、結婚となると、後ずさりする世界がある。どう考えても、二人がそれぞれの夢を追いつつ、ともに生活をすることは無理だ。どちらかが夢をあきらめ、どちらかの世界にどっぷりつからない限り、同じ基盤の生活はできない。なんだか「それが現実だよ」と言ってしまう自分がさみしい気がした。「どこかに道はあるよ。突き進もうよ」とは言えない。
洋太郎は、恵子よりも、心の奥底にいるかおるを選んだのだ。確かに世界がちがうけど、それを理由に恵子よりかおるを大事に思う心を選んだのだと思う。そしてそれが恋なのか、それともそれをもっと乗り越えた兄妹愛なのか、家族愛なのか。
兄の一生懸命さを思ったら、「みゆき」のようなラストであったら・・・。ありきたりかもしれないけど。
公式サイト「涙そうそう」
■2005年 日本 126分
■2006.10.10 TOHOシネマズ緑井 試写会
■監督 南部英夫 製作総指揮 大地康雄
■出演 大地康雄(野田正男) アリス・ティクソン(クリスティナ) 富田靖子(景子) 村田雄浩 ルビー・モレノ(リバティ) 織本順吉 いまむらいづみ でんでん 阿知波悟美 あき竹城 石井光三 アレックス・アルジェンテ アリエル・バルド 清水紘治(中田) 藤岡弘(勇作)
《story》
「大切なものは土と水と太陽。そして、あなた」
農家の長男である野田正男は、45才になるが未だ結婚できないでいた。何度も見合いはするのだが、正男は優しい人だと言われながらも、農家の嫁になる人は見つからなかった。ある日、フィリピンパブで働くリバティを紹介され、結婚を前提に交際を始める。そしてフィリピンに渡り、リバティの家族に会ったあと、次の日結婚式を行う予定だった。しかし、家の中は誰もいなく、正男が渡した200万も持ち逃げされてしまったのだった。フィリピンの町をさまよう正男、お金も使い果たし浮浪者となってしまった彼を助けたのが、フィリピン女性を日本に送るブローカーをしていた中田だった。正男は中田の下で働くうち、次第にだます技術を身につけ、その世界にどっぷりつかっていくのだった。
ある日、仕事帰りの途中、稲刈りをしている風景に出会う。家族、知り合い、近所の人々みんなで手作業で稲刈りをしていた。その中に、マニラのレストランで給仕をしていた女性の姿を見つけ、正男も稲刈りを手伝った。その日から、毎日のように農作業に精を出した。そしてここでは高級とされている、日本の大玉のトマト栽培を始め、そうした家族のつきあいをしているうち、クリスティナへの思いは深まっていった。
◎確かに私もふくめて農業のことを本気で考えてはいない。いつか私たちの食べ物を作る人はいなくなってしまう。農業が身近でなくなればなくなるほど、食料に対する大切に思う気持ちは薄れ、傷があるだの、曲がっているだの、色が悪いだの、見かけだけにこだわるようになっていく。作る人の苦労などこれっぽっちも感じることなく、、私たちの要求に応えるために、体にはよくないものを使わざるを得なくなっていく。
人は、土や水、太陽から離れ、心も失っていくのだ。人間も自然の中でしか生きられない生き物。コンクリートと機械の中で管理されながら生きていく未来は、いつしか精神がボロボロになり、やさしさもあたたかさもなくしてしまう。自然を通してつながってきた人と人との関係も切れていくのだろう。
正男とクリスティナが結ばれていくのも、土と水と太陽を通してだった。日本では、もうすでに結ばれることが難しくなってしまった。




■2005年 日本 116分
■2006.10.4 T.V
■監督 犬童一心
■出演 長澤まさみ(浅倉南) 斉藤祥太 (上杉達也) 斉藤慶太(上杉和也) RIKIYA (原田正平) 平塚真介(松平孝太郎) 上原風馬(黒木武) 安藤希(日向小百合) 福士誠治(新田明男) 風吹ジュン(上杉晴子) 小日向文世(上杉信悟)
《story》
「いつでもいっしょだった」
「三人で描いた夢」
「届けたい、この想い」
上杉達也と和也、そして朝倉南は、隣同士の家で、同じ年に生まれた幼なじみ。3人の小さい頃からの夢は、甲子園に行くこと。和也は高校で投手を続け、地区大会で順調に勝ち進んでいた。南はその野球部のマネージャーで、チームのサポートをしていた。達也は、高校では野球をやめてボクシング部に入っていた。
地区大会決勝の日、和也はいつも通り家を出た。しかし、試合会場に行く前に、男の子の身代わりに車にひかれ死んでしまった。達也は南を甲子園に連れていくために野球部に入ったのだが・・・。
◎マンガが単行本で売り出されたときに、必死で読んだものだ。もう20年以上も前になるかな。マンガから実写となると、マンガを知らない方がいいみたいだね。ついつい比べてしまう。そして、やっぱりマンガの方がいいか、という結論に達してしまう。それにテレビはかなりカットされていたみたいだ。たくさんのコマーシャルに、2時間枠に収まっているのだから、そうだろう。まあ、どんなものか見てみたというところで、正直それほどおもしろくありませんでした。





■2004年 韓国 106分
■原題「Ice Rain」
■2006.9.23 wowow
■監督 キム・ウンスク
■出演 ソン・スンホン(ハン・ウソン) イ・ソンジェ(カン・ジュンヒョン) キム・ハヌル(キム・ギョンミン):ユ・ヘジン:キム・ジョンハク
《story》
ウソンと先輩のジョンヒルは、あこがれのアラスカ、アクシア登山に参加する。二人にはそれぞれ思い出のある山だった。登頂後、天候が崩れ、二人は一行から離れ遭難してしまう。吹雪をさけるために岩穴に入り、ウソンは、先輩のジョンヒルから、かつて愛した女性の話を聞く。その女性は、ウソンにとっては幼い頃から思いを寄せていたギョンミンであることがわかった。足を負傷して動けないジョンヒル。吹雪はますます強くなっていった。一人の女性を愛していたことがわかった二人。猛吹雪の中で二人は・・・。
◎どちらが切ないか、つらいかと考えたら、ウソンだ。思い続けてきた時間が長いし、優しく彼女を見守ってきた兄のような存在だし、彼女は異性として見ることができなかった。彼女に恋人がいるとわかっていても、彼女を愛し続け見守ってきた。そして、遭難の場でその男と出会うのだからつらい。それにその男が自分が尊敬している先輩だからなおさらだ。
自分勝手に見えるのが先輩ジョンヒルだ。結婚しているのに、女性を惑わしている。好きになるのは仕方ないにしても、早めに彼女との仲にけじめをつけるべきだった。そうすればこんな悲劇はおきなかったかもしれない。前しか見えなくなってしまたのがギョンヒル。一番自分の幸せを思っていたウソンが見えなかった。恋とはこんなものかもしれない。
生き残ったウソン、それも悲劇だ。事実を知り、苦悩する日々が始まる。
■2004年 アメリカ 99分
■原題「50 First Dates」
■2006.9.17 wowow
■監督 ピーター・シーガル
■出演 アダム・サンドラー(ヘンリー・ロス) ドリュー・バリモア(ルーシー・ホイットモア) ロブ・シュナイダー(ウーラ) ショーン・アスティン(ダグ・ホイットモア) ダン・エイクロイド(Dr.キーツ)
《story》
「記憶をなくしてしまう自分に、絶対伝えたいこと」
「失恋より切ない。彼女が毎日味わう恋の始まり」
交通事故で頭を打ち、その日以後の出来事を記憶することができなくなったルーシー。彼女にとっては毎日があの事故を起こした朝、パパの誕生日。彼女はなじみのレストランに行き、朝食をとる。
ヘンリーは近くの水族館で働く研究員。偶然店に立ち寄り、ルーシーに会い、恋してしまう。彼女の病気を知ってからは、毎日朝彼女の気を惹くところから始める。そして、ルーシーにとっては、毎日が彼との初めての出会いであり、ファーストキスだった。自分の日記から、病気のことを知ったルーシーは、ヘンリーに別れを告げ、日記を燃やしてしまうのだが。彼女の頭の中にはいつの間にか・・・・。
◎ルーシー役のドリュー・バリモアはどこかで見たことがあるなと思っていたら、『E.T』に出ていた女の子だった。笑顔が魅力的だ。
最近、記憶をなくしてしまう映画が多い。記憶に関する映画が多い。記憶とはあいまいなものだ。自分の頭の中にあり、その記憶が真実かどうかあやうい。自分はそうだと思っていても、実は夢だったり、人から聞かされたものだったり、本で読んだものだったり。それでも、大事にしたい記憶がある。心をやさしく揺さぶる記憶がある。
この病気は自分ではどうしようもない。自分では理解できないのだから。でも、こうして周りの人たちが暖かく支えてくれたら少しでも幸せに生きることができる。10秒しか記憶がもたない人。「博士が愛した数式」のように80分しかもたない人。それでも支える人がいたら・・・
楽しみながらアイデアを出すヘンリーがすばらしいし、毎朝きちんと自分への出来事を受け止めることができるルーシーだからこそ、乗り越えていける。なんだかいつしかもっと奇跡が起きるような予感を持たせてくれる。
公式サイト「50回目のファースト・キス」





■2005年 日本 101分
■2006.9.16 T.V
■監督 村上正典
■出演 山田孝之(電車男) 中谷美紀(エルメス) 国仲涼子(りか-看護士) 瑛太(ひろふみ-ひきこもり) 佐々木蔵之介(ひさし) 木村多江(みちこ)
《story》
電車の中で酒に酔って暴れる中年男から彼女を守った電車男。彼は22才の内気な男。パソコンとマンガとキャラクターが人生の友達だった。そんな彼が、電車に乗ってきた女性に心惹かれ、中年男の暴力から、勇気を出して自分の体で守った。警察でお礼を言われ、住所を教える。それから贈り物が届く。その一部始終を2チャンネルの掲示板で報告。見知らぬ人たちのアドバイスを受けながら、電車男は行動していく。お礼の電話をしろというアドバイスに、震える手で携帯をにぎる。さて、恋の行方は・・・。
◎すばらしい女性に出会ったものだ。彼女だからこそ、純粋な気持ちを認めてくれた。まどろっこしいほどの思いを受け入れてくれた。彼女の優しさと、まわりの人のあたたかな心に感動する。
ネット上では2種類の人種があるような気がする。善を追求し、応援し、自分の心の中の天使を大きくふくらませる人たち。もうひとつは、人前では言えない汚い言葉で罵り、悪魔のような暴力性を堂々と出し合う人たち。後者の人たちは心が荒み、日常生活でも切れることが増えていくにちがいない。前者の人たちは、人を応援することで、いつのまにか自分自身をも励まし、あたたかい心に包まれ、人とのつながりを深めていく。感動はもちろん前者だ。見知らぬ人たちが電車男を支え、恋が実っていくところに大きな感動がある。
いつも思ってしまうことだけど、このあと二人はうまくいったのだろうか。
公式サイト「電車男」






■2004年 アメリカ 107分
■原題「Eternal Sunshine of the Spotless Mind」
○アカデミー賞 / 第77回(2005年)脚本賞
■2006.9.16 wowow
■監督 ミシェル・ゴンドリー
■出演 ジム・キャリー(ジョエル・バリッシュ) ケイト・ウィンスレット(クレメンタイン・クルシェンスキー) キルステン・ダンスト(メアリー) マーク・ラファロ(スタン) イライジャ・ウッド(パトリック) トム・ウィルキンソン(ドクター・ハワード・ミュージワック)
《story》
「“さよなら”の代わりに記憶を消した」
ジョエルは、一通の手紙を目にする。そこには、「クレメンタインはジョエルの記憶をすべて消去しました。今後、彼女の過去については絶対触れないようにお願いします」と書かれていた。それを読んでショックを受けたジョエルジョエルは、仲直りしたいという気持ちもふっとび、自分もその会社を訪ね、記憶を消そうとする。彼女に関わる物を集め、治療を受けるため、自宅のベッドで眠る。夢の中でひとつひとつ彼女の記憶が消えていく。そのうち夢の中で彼女を愛していることに気づき、彼女の記憶を消すことに抵抗し始める。彼女の記憶が消えた朝、会社に行く気分になれず、ちがう列車に乗り、当てもなく時間を過ごす。列車内で知り合った女性と恋に落ちる。さわやかな気持ちで家に帰ったのだが、その女性はクレメンタインだった。
◎夢に見ることなく、瞬間的に忘れることができたら、きれいさっぱり別れられたかもしれない。消えていく場面が夢に出てくるから未練が残るんだ。しかし、見知らぬ二人になっても再び恋に落ちる可能性は十分ある。他の人とは味わえない、その人との波長みたいなものがあるんだと思う。ちがう男性と氷の上で寝るシーンは、気持ちがのらなかった。その人とその場所と自分の思いが重なり合って、二人の恋する気持ちは深まっていく。別な人ではだめなんだ。
出会いの新鮮な気持ちに戻れば、だれだって素直に愛に目覚める。さまざまな経験を通しながらも、その新鮮な気持ちでいられたら、どんなにいだろうか。
公式サイト「エターナル・サンシャイン」
■2002年 韓国 112分
■原題「Married to the Mafia」
■2006.9.16 wowow
■監督 チョン・フンスン
■出演 キム・ジョンウン(チャン・ジンギョン) チョン・ジュノ(パク・デソ) ユ・ドングン(チャン・インテ) ソン・ジル(チャン・ソッテ) パク・サンウク(チャン・ギョンテ) パク・グニョン(チャン・ジョンジョン)
《story》
「こんな出会いってアリ」
ソウル大学法科を卒業してベンチャー企業を経営するデソが、朝起きてみると、自分のベッドに見知らぬ女性が裸で寝ていた。その女性、ジンギョンの3人の兄が、デソの会社に殴り込みにくる。デソの学歴を確認した後、このやくざの兄3人は、愛する妹とデソが結婚するように仕組んでいく。そして次第に二人は心を通わせていくのだが、デソには付き合っていた恋人がいた。二人は別れるしかないのか・・。
◎うまくいったからいいようなものの、そうじゃなかったら大迷惑な話。まあ、二人は赤い糸で結ばれていて、兄たち3人の目に狂いはなかったということかな。
暴力いっぱい。バッドであれだけ殴ったら殺してしまってるよ。頭を思い切りだからね。コメディーだからいいようなものの、やっぱり暴力のシーンは好きじゃない。
結婚式の場面で、兄たちとともにデソも立ち向かってるけど、暴力の連鎖の始まりにしか見えないね。デソの非暴力性とジンギョンの優しさで、一家が暴力から脱却していったらおもしろいかも。これからの二人が思いやられる。学力は悪に使われるかも。
汽車の中の卵を食べるジンギョンのシーン、デソがジンギョンを追いかける場面がよかったな。
公式サイト「大変な結婚」





■2005年 日本 103分
■2006.9.10 wowow
■監督 長崎俊一
■出演 山崎まさよし(寿俊) 関めぐみ(由紀子) 井川比佐志(鈴木雅俊) 西田尚美 (純子) 大倉孝二(宮田亮二)
《story》
「君は神様がくれた最高のプレゼントでした」
「もしも、あなたに残された時間がわずかだとしたら、
大切な人にどんな愛を残しますか?」
父から譲り受けた町の小さな写真館。店先で、店主の帰りを待つ由紀子。急いで写真の現像を頼みに来たのだった。店の前のベンチでたたずむ彼女に声をかけたときから、二人はたびたび出会い、会話するようになる。彼女は彼のことを「おじさん」と呼び、次第に好意を深めていく。しかし、寿俊は重い病気を持っていて、わずかな余命しかなく、ある日病状が急変し入院することとなった。写真館は閉じたまま、事実を知らない由紀子は何度も足を運ぶのだった。転勤を知らせる手紙をドアの向こうに残したまま、彼女は町を去っていった。一時回復した寿俊は、彼女の手紙を見て、彼女の転勤先に向かった。遠く彼女を見るだけで去るのだった。そして、寿俊は・・・。
◎淡々と物語が進んでいく。大きな盛り上がりはないけど、彼の優しさがしみじみと伝わってくる。彼女が無邪気なだけに、包み込むような愛が何とも言えない。
もし自分が余命短かったら、こんなに落ち着いて生活できるだろうか。毎日荒れ狂うだろうな。人のことなんて考える余裕なんてないだろうな。
何も語らない、ただ話をしてそばにいることが彼の愛であり、無邪気に寄り添うことが彼女の愛であり彼へのプレゼント。だからこそ、心に響くんだな。
公式サイト「8月のクリスマス」
■2006年 韓国 111分
■原題「ALMOST LOVE」
■2006.8.28 シネツイン2
■監督 イ・ハン
■出演 クォン・サンウ(イ・ジファン) キム・ハヌル(チン・ダルレ) イ・サンウ(ムン・ヨンフン) チャン・ミイネ(キム・ジミン) パク・チビン(ジファン子ども時代) チョン・ミナ(ダルレ子ども時代)
《story》
「空気のように 風のように 運命の愛は
ずっと君のとなりに」
子ども時代にふとしたことがきっかけで仲良しになり、それから13年。ジファンとダルレはまるで兄妹のようにお互いが近すぎて見えなかったり見えすぎたり、会えばけんかばかり。そんな二人も大学生になり、お互いに恋人ができた。ジファンはジャッキー・チェンが好きで、アクション俳優をめざし、ダルレは女優をめざしていた。
あるとき、ジファンは本格的なアクション演技をこなし、意気揚々と歩いていたところ、車にはねられてしまう。そして、片足を失ってしまう。絶望したジファンは、ダルレの元を去り、旅に出る。そして、お互いに心の奥底にあった愛に気づき始めるのだった。
◎韓国映画って、似たようなパターンのラブストーリーが多いよね。けんかするほどとっても仲良しで、でも自分の愛する心には気づいていない。窮地に陥り、お互いの存在を意識し始め、愛に目覚める。同じようなパターンでも、あこがれる恋愛、理想の恋愛がそこにあるような気がして見たくなってしまう。
今回の窮地は、まさか事故で足が片方無くなるとは思わなかった。もうスタントができないじゃないかと思ってしまった。ダルレの女優の方がどんどん売れて、ジファンを追い越してしまう。これからの二人は、うまくいくのだろうかと心配になって終わってしまった。
なぜ題が「青春漫画」なのか、つい考えてしまう。漫画のような恋と言いたいのかもしれないけど、漫画はなんだか遠い世界のような気になる。ここに夢と希望があるのだけど、それが漫画だとちょっと遠すぎる気がする。私にとって、これは漫画ではなくあこがれだ。少しでも現実に近いものであってほしい。
シネツインの映画館は女性ばかりだった。まあ、見たいものは見たいんだから堂々と。
公式サイト「青春漫画 ~僕らの恋愛シナリオ~」