ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

輪廻転生

2006年01月21日 | 俳句雑考

草深の森の端に墓地があり、神木が祀られていた。
本木は伐られており、朽ちていたが、 ひこばえが若木へと育ち、葉が青々と茂っていた。
葉は椿に似ており、蕾をひとつ抱いていた。蕾はまだ青く、衿を重ねるように閉じて、玉をなしていた。
画像は20日に撮した。

   蘖(ひこばえ)や瀬戸片点じ沃土たり     照 雄

本木は朽ちて大地にまじり、沃土となって、ひこばえを育てているのであろう。
瀬戸片もこの世の役目を終えたようでありながら、ともしびとなって沃土を瞭かにしている光景。輪廻転生がテーマの一句と解釈した。