満開の梅の枝に鵯が静かとまっていた。画像は26日、鹿児島市谷山中央で写す。
仰ぐとは愛しき姿勢鵯仰ぐ 文 夫
鵯には梅の木の先客の目白、頬白などをけたたましい声で追い払うというイメージがある。
そのため静かに仰いでいる鳥は鶫か椋鳥ではないかと、撮っているときは思った。
満開の梅の枝に鵯が静かとまっていた。画像は26日、鹿児島市谷山中央で写す。
仰ぐとは愛しき姿勢鵯仰ぐ 文 夫
鵯には梅の木の先客の目白、頬白などをけたたましい声で追い払うというイメージがある。
そのため静かに仰いでいる鳥は鶫か椋鳥ではないかと、撮っているときは思った。
猫の額ほどの民家の庭に、猫柳が微光を放っていた。
画像は25日、鹿児島市谷山中央で写す。
ぎんねずに朱ヶのさばしる猫柳 櫻桃子
広辞苑によるとギンネズは銀鼠のこと。
君子の交わり
花と葉が枝上で交わっている寒桜があった。
寒桜交り淡くして長し まり子
君子の交わり淡きこと水の如し
こぼすもの
若葉が生い茂っている桜樹もあった。
葉桜のなほこぼすもの風に舞ふ 汀 子
こぼすものとは何か、は言わぬが花。
泡
船が帰港した。
航跡も泡がたつぷり生ビール 豊 水
真っ昼間からデッキでジョッキを傾けているのだろうか。
人参と夕日
農夫が掘り出した人参を整理していた。
人参の掘り出してある夕日かな 章
日が沈みそうになったので、一日の仕事は終わりにして農夫は帰宅したのだろうか。
南薩をめぐった。画像は23日、南九州市、枕崎市、南さつま市で写す。
山眠る
小雨がやむと、開聞岳が現れた。
わたくしの前おほらかに山眠る たく二
別名薩摩富士は、まだ眠りから覚めていないようだった。
奇巖
海中に奇巖がにょっきりと聳えていた。
奇巖怪石たまたま蝶の生れけり 万太郎
蝶が生まれられるような、奇巖怪石にはみえなかった。
酒樽
蒸留所には大きな酒樽が掲げられ、白い梅が咲いていた。
大酒樽巡りて味はふ新ワイン 勝 夫
なかに入ると、小さなプラスチックのコップにⅠミリずつ、数種類の焼酎を試飲させてくれた。
緋寒桜
緋寒桜が満開だった。
そして人忘れられゆく桜かな 龍 生
「さまざまの事思ひ出す桜かな 芭蕉 」を、ふまえていると思う。
朝、ベランダに出ると晴天に春の雲が浮かんでおり、地上近くに春霞がたなびいていた。
画像は22日、鹿児島市谷山中央で写す。
眼を凝らすと
ながめているうちに、雲も霞も火山灰ではないかと疑わしくなり、眼を凝らしていると雲は雨雲のように黒ずんであたりが暗くなり、焦げた匂いがし、凝らした眼に異物が入った。
春風が桜島か新燃岳の噴煙を運んできたのだった。
雨降らぬ夜は火山灰降りぬ懸煙草 岬
「たばこは国分」の国分での日常吟だろうか。
朝散歩していると、季節が夏のように水撒きがめだった。
風向きが東風に変わったらしくて、しばらくぶりに街が桜島か新燃岳か、あるいは両方の降灰に薄く覆われていた。
画像は19日、鹿児島市谷山中央で写す。
降る火山灰に馴れねばならぬ人の秋 久 を
火山灰はヨナと読むらしい。
白梅に隣り合った松の葉先に、白い蕾のように雨滴が宿っていた。
画像は17日、鹿児島市谷山中央で写す。
草萌えにショパンの雨滴打ち来たる 裕 計
ショパンをモチーフにした句では、つぎも有名。
ショパン弾き了へたるままの露万朶 草田男
ひさしぶりに好天に恵まれ、花舗が種袋を前面に出していた。
画像は15日、鹿児島市谷山中央で写す。
花の如花種袋土に挿し 泰
そうしてくれると、覚えられないにしても、花の名前を一時的には知ることができる。
猫が三匹、民家の軒下で日向ぼこをしていた。
庭木の沈丁は蕾が赤く膨らんでいた。画像は13日、鹿児島市谷山中央で写す。
シャッターを響かせると
カメラのシャッターを響かせると、茶色っぽい猫は逃げ腰になり、上段の三毛猫は起きあがって顎の下を掻き、うしろ向きの猫は反応を示さなかった。
両方に髭がある也猫の恋 来 山
三匹の猫の性別はわからなかったが、三角関係だろうか。