ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

鵯仰ぐ

2011年02月28日 | 俳句雑考

満開の梅の枝に鵯が静かとまっていた。画像は26日、鹿児島市谷山中央で写す。

   仰ぐとは愛しき姿勢鵯仰ぐ     文 夫

鵯には梅の木の先客の目白、頬白などをけたたましい声で追い払うというイメージがある。
そのため静かに仰いでいる鳥は鶫か椋鳥ではないかと、撮っているときは思った。


盲導犬 

2011年02月27日 | 俳句雑考

バス停に佇んでいるひとの傍らに、盲導犬が腰を落としていた。
画像は26日、鹿児島市谷山中央で写す。

   強東風や歩を小刻みに盲導犬        豊 水

対照的に闊歩する警察犬を見たことがある。


猫柳

2011年02月26日 | 俳句雑考

                猫の額ほどの民家の庭に、猫柳が微光を放っていた。
          画像は25日、鹿児島市谷山中央で写す。


             ぎんねずに朱ヶのさばしる猫柳     櫻桃子

          広辞苑によるとギンネズは銀鼠のこと。


続 早春の南薩路 

2011年02月25日 | 俳句雑考

             君子の交わり 

 

          花と葉が枝上で交わっている寒桜があった。

              寒桜交り淡くして長し   まり子

          君子の交わり淡きこと水の如し

                
           こぼすもの

 

          若葉が生い茂っている桜樹もあった。

              葉桜のなほこぼすもの風に舞ふ      汀 子

          こぼすものとは何か、は言わぬが花。
 

              泡 

          船が帰港した。

             航跡も泡がたつぷり生ビール         
豊  水

                   真っ昼間からデッキでジョッキを傾けているのだろうか。

                      人参と夕日

                     農夫が掘り出した人参を整理していた。

                          人参の掘り出してある夕日かな                    章

                    日が沈みそうになったので、一日の仕事は終わりにして農夫は帰宅したのだろうか。

 

 

 

 

 


早春の南薩路

2011年02月24日 | 俳句雑考

           南薩をめぐった。画像は23日、南九州市、枕崎市、南さつま市で写す。

                         山眠る

         小雨がやむと、開聞岳が現れた。

            わたくしの前おほらかに山眠る       たく二

         別名薩摩富士は、まだ眠りから覚めていないようだった。

             奇巖


          海中に奇巖がにょっきりと聳えていた。

             奇巖怪石たまたま蝶の生れけり        万太郎

          蝶が生まれられるような、奇巖怪石にはみえなかった。
    
              酒樽
          
           


         蒸留所には大きな酒樽が掲げられ、白い梅が咲いていた。

           大酒樽巡りて味はふ新ワイン        勝 夫

         なかに入ると、小さなプラスチックのコップにⅠミリずつ、数種類の焼酎を試飲させてくれた。

             緋寒桜

         緋寒桜が満開だった。

            そして人忘れられゆく桜かな          龍 生

         「さまざまの事思ひ出す桜かな     芭蕉 」を、ふまえていると思う。


春風にのって

2011年02月23日 | 俳句雑考

朝、ベランダに出ると晴天に春の雲が浮かんでおり、地上近くに春霞がたなびいていた。
画像は22日、鹿児島市谷山中央で写す。

 眼を凝らすと

ながめているうちに、雲も霞も火山灰ではないかと疑わしくなり、眼を凝らしていると雲は雨雲のように黒ずんであたりが暗くなり、焦げた匂いがし、凝らした眼に異物が入った。
春風が桜島か新燃岳の噴煙を運んできたのだった。

    雨降らぬ夜は火山灰降りぬ懸煙草         岬

「たばこは国分」の国分での日常吟だろうか。


緋寒桜

2011年02月22日 | 俳句雑考
一昨年、昨年と日記に河津桜の名で載せた近所の桜が咲きはじめた。
歳時記であらためて調べると、早咲きの緋色の桜は緋寒桜と言い、九州、沖縄に多いと書いてあるので、そちらのように思えてきた。
画像は21日、鹿児島市谷山中央で写す。

   ひと雨に空洗はれて寒桜     義 久

寒桜は寒中に咲く桜と思い込んでいたが、緋寒桜のことだそうだ。

目白が来た

2011年02月21日 | 俳句雑考

満開の白梅の木に、目白が来て枝移りした。
画像は19日、鹿児島市谷山中央で写す。

   今朝も鳴きに目白が来たよ背戸の梅      寅 彦

メルヘンの世界


火山灰

2011年02月20日 | 俳句雑考

朝散歩していると、季節が夏のように水撒きがめだった。
風向きが東風に変わったらしくて、しばらくぶりに街が桜島か新燃岳か、あるいは両方の降灰に薄く覆われていた。
画像は19日、鹿児島市谷山中央で写す。

   降る火山灰に馴れねばならぬ人の秋     久 を

火山灰はヨナと読むらしい。

 


撒餌

2011年02月19日 | 俳句雑考

女人が永田川の川面へ餌を撒いていた。画像は18日、鹿児島市谷山中央で写す。

  すさまじや撒餌に鯉の力満つ       水 桜

公園の池あたりの属目吟であろう。永田川には自然の餌があるのか、魚群はあまりたかっていなかった。

雨滴

2011年02月18日 | 俳句雑考

白梅に隣り合った松の葉先に、白い蕾のように雨滴が宿っていた。
画像は17日、鹿児島市谷山中央で写す。

    草萌えにショパンの雨滴打ち来たる      裕 計

ショパンをモチーフにした句では、つぎも有名。

     ショパン弾き了へたるままの露万朶      草田男

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                                              


門構え

2011年02月17日 | 俳句雑考

民家の塀内の紅梅が見ごろを迎えていた。画像は13日、鹿児島市谷山中央で写す。

   梅の花我家にてはなかりけり    一 茶

その民家は羨ましくなるような門構えだった。


花種袋

2011年02月16日 | 俳句雑考

ひさしぶりに好天に恵まれ、花舗が種袋を前面に出していた。
画像は15日、鹿児島市谷山中央で写す。

   花の如花種袋土に挿し     泰

そうしてくれると、覚えられないにしても、花の名前を一時的には知ることができる。


2011年02月15日 | 俳句雑考

蕾のふくらんだ木蓮または辛夷の枝にとまって、鵯が口なかを赤くして喚いていた。
画像は13日、鹿児島市谷山中央で写す。

   人のする絶叫なるを鵯もせる      垣瓜人

鵯は絶叫するか黙っているか、どちらかのようだ。


三匹の猫

2011年02月14日 | 俳句雑考

猫が三匹、民家の軒下で日向ぼこをしていた。
庭木の沈丁は蕾が赤く膨らんでいた。画像は13日、鹿児島市谷山中央で写す。
 
 シャッターを響かせると

カメラのシャッターを響かせると、茶色っぽい猫は逃げ腰になり、上段の三毛猫は起きあがって顎の下を掻き、うしろ向きの猫は反応を示さなかった。

    両方に髭がある也猫の恋    来 山

三匹の猫の性別はわからなかったが、三角関係だろうか。