木陰に肌もあらわな釣人がいた。カメラのシャッターの音に見返った釣人は、水のしたたるような美形だった。
画像は26日、成田市で撮す。
沙魚釣や画にかゝれても知らぬ顔 三 允
見返り美形はカメラへ向いて口元をゆるめた。撮られ馴れている感じだった。
薔薇園を訪ねた。画像は26日、八千代市で撮影。
太陽の色
赤も黄も太陽の色薔薇盛り 西 方
初夏の太陽を仰いでみたが、眩しくて色を確かめられなかった。
手入れ
薔薇剪るや深きところに鋏入れ 征 良
棘をうまく避けて。
車椅子
車椅子の母のり出して薔薇をかぐ 郁 子
月曜の午前中の薔薇園は、人出がまばらで、車椅子が進むのに支障がなかった。
薔薇に読む
薔薇に読む船に始まる物語 風 車
メイフラワー号に始まる大河小説だろうか。
写しあう
薔薇を背に夫婦かたみに写しあふ 豊 水
撮りあっている夫婦に近寄ってみたが、ふたり一緒の写真を撮ってほしいとは頼まれなかった。
激しいこと
薔薇崩る激しきことの起る如 多佳子
薔薇の前で自裁するヒロインの小説は、読んだことがないか、あっても忘れてしまっている。
高級そうな耕耘機が草の生えた空地を行ったり来たりしていた。
耕しているようだったが、空地には建売住宅の事前公開板が掲げてあった。画像は24日、印西市西の原で撮影。
耕すやむかし右京の土の艶 太 祗
平成の今、そこにはまた家が建っているのではないだろうか。
農協祭がひらかれ、小さな男の子がコンバインの操縦席をながながと独占していた。若い母親は男の子をしたいようにさせていた。画像は24日、印西市西の原で撮影。
挨拶のしわぶき一つ在祭 喜代子
村長だろうか、会場のざわめきを咳ばらい一回で鎮めたのであろう。
先日、休耕田の跡地を造成していたので、工事関係者に訊くと、畑を作っているのだった。
画像は今朝、印西市草深で撮す。
向日葵畑迷路に己が齢捨つ 杏 花
向日葵畑のなかで迷ったのであろうが、そのとき迷いごとを抱えていたのだと受けとった。
おことわり
恐縮ですが、コメントには「俳句雑考」に関わりのある場合に限って、応対することにしました。
身辺雑事の整理のため、しばらく休載します。
高花六無斎さん、とんとんさん、諏訪ッチさん
いただいたコメントに返事をさしあげないで、申し訳ありません。
ターボ