山ぎわの青田に稲穂が出はじめていた。あたりを見まわして、出穂の田はそこだけだった。
その田では昨年の初夏、農夫が草取りをしていたことを思いだした。
その農夫は自分は昭和2年生まれといい、
「大正何年生まれかね」
と、聞かれてショックを受けたと、昨年の5月26日付の日記に書いた。
ところが後日、農夫は、
「大将、何年生まれかね」
と、聞いたのだと気がついた。そのことも日記も書いた。
画像は28日、本埜村笠神で撮す。
暁の風に初穂の見えかくれ 双 魚
前日までは、風が吹いても吹かなくても、穂は見えなかったのであろう。