気象士はテレビでそう言っていたが、逸れたので台風一過といえるかどうか、ひさしぶりの青空をバックに海紅豆の花が民家の庭に咲いていた。
画像は30日、鹿児島市谷山中央で撮す。
海紅豆咲き焼酎の甕ひとつ 時 彦
海紅豆は房総でもよく見かけたが、鹿児島の県木なのだそうだ。
気象士はテレビでそう言っていたが、逸れたので台風一過といえるかどうか、ひさしぶりの青空をバックに海紅豆の花が民家の庭に咲いていた。
画像は30日、鹿児島市谷山中央で撮す。
海紅豆咲き焼酎の甕ひとつ 時 彦
海紅豆は房総でもよく見かけたが、鹿児島の県木なのだそうだ。
ベランダに時計草が咲いていた。画像は29日、鹿児島市谷山中央で撮す。
問わんとすことを問われて時計草 千佳子
「どうして時計草というのだろうか」と聞こうとすると、相手に先手を打たれてしまったのだろうか。
民家の庭に石榴の花が咲いていた。画像は27日、鹿児島市谷山中央で撮る。
花石榴情熱の身を絶えず洗ふ 草田男
歳時記によると、スペイン語のグラナダは石榴のことで、6月のアルハンブラ宮殿には石榴が咲き乱れるそうだ。
駝鳥の一種だろうか、雄が雌に乗って羽ばたいていた。
もう一羽の雄がやはり羽ばたきながら、その行為を正面から見据えていた。画像は25日、鹿児島市の平川動物園で写す。
身に余る翼をひろげ鳥交む 狩 行
駝鳥は交むとき以外に、翼をひろげることがあるのだろうか。
恋というには
雄が雌から降りると、見据えていた雄が代わって乗ろうとしたが、雌は逃げた。
鳥交る恋といふには淡すぎし 甲子雄
雄は雌のあとを追ったが、雌から降りた雄の方は、我関せず焉と翼をたたんでそっぽを向いた。
梅雨入り二日目、バスを待っていると赤い長靴を履いたおごじょが通り過ぎた。
画像は24日、鹿児島市高見馬場で撮影。
河岸の子の赤き長靴三の酉 杏 子
東京築地の魚市場で、ひとりだけ赤い長靴を履いたお侠娘が思いうかぶ。
早じまいして、浅草の三の酉では「お手を拝借」と叫び、一本締めの音頭をとるような。
蒲生郷を案内してもらった。画像は22日、姶良市で撮す。
日本一の楠
日本一と折紙のついた境内の楠には、木戸がはめ込まれていた。なかは八畳敷ほどの洞だそうだ。
西南の役見し大樹楠若葉 瑞 史
その当時、蒲生では官軍への投降事件があったらしい。
どくだみ
武家屋敷街の一角に門を構えていないので、庭が丸見えの家があり、石橋のわきにどくだみが咲いていた。
どくだみのいま花どきの位もつ 樹実雄
薩摩藩では俸禄十石以下の位の家には、武家門が与えられなかったそうだ。
白亜の病院の緋躑躅が雨に洗われていた。画像は20日、鹿児島市谷山中央で撮す。
春愁のかぎりを躑躅燃えにけり 秋櫻子
歳時記をめくると、躑躅とカンナは「燃ゆ」とつづく例句が多いが、いずれも花が緋色と受けとることにしている。
信号待ちのワゴン車の胴に「猫の手貸します」と書いてあった。
とりあえずカメラに収めて、意味を訊ねようと運転席に近寄ると、信号が青になって走り去った。
画像は19日、鹿児島市谷山中央で撮す。
来る日来る日匆忙として木葉髪 青 畝
猫の手も借りたい日々を過ごしているうちに、秋も終わりになると頭髪が薄くなっていた、という句意だと思う。