ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

寒椿

2009年01月31日 | 俳句雑考

寒椿が咲いていた。画像は30日、鹿児島市谷山中央で撮す。

 

寒椿の咲いている民家では、室内の猫が窓越しに外を眺めていた。歳時記ではこの時期は猫の恋の季節の始まり。逢瀬に出かけたいのに叶わないらしい。

   猫の恋猫の口真似したりけり        万太郎

作者の姓は久保田。

 目白

寒椿には目白が枝渡りしていた。色気より食い気と、猫は目白を眺めているようでもあった。

   口笛に答へ目白の高音来る     玲 子

どのような口笛なのか知りたいが、若いときには口笛が吹けたのに、いま試みて音がでなくなっている。


白鷺

2009年01月30日 | 俳句雑考

水草が青々と茂った雨後の川の瀬で、白鷺があちこちをくちばしで突っついていた。
画像は29日、鹿児島市谷山中央で写す。

    如月のひかりとなりて鷺立てり     富 子

あたりは寂寞としているのであろう。


冬菜畑

2009年01月29日 | 俳句雑考

住宅街を歩いていて、寒中にはめずらしiい緑の一角が目に入った。冬菜を栽培しているのだった。
画像は28日、鹿児島市谷山中央で写す。

   武家門の中に必ず冬菜畑     梧 逸

谷山の旧街は、かつて武家の集落だったようだ。


寒紅梅

2009年01月28日 | 俳句雑考

雨か雪か、いまにも降りだしそうな病院の庭に紅梅が咲いていた。
画像は27日、鹿児島市谷山中央で写す。

     寒紅梅馥郁として招魂社    虚 子

広辞苑によると、護国神社は1939年に改称するまで、招魂社と呼ばれていたそうだ。


黒牛

2009年01月27日 | 俳句雑考

峠で知り合ったIさんが麓まで車で送ってくれた。運転しながら、Iさんがいった。
「見たいものがあったら、駐めます」
「牛がいたら、駐めてください」
車が山道に分け入ると、小さな牧場があり、黒い牛が数頭いた。画像は20日写す。場所不詳。

   田植牛貸すや牛癖いひ添へて   泊 雲

機嫌を損なうと、梃子でも動かない癖だろうか。


霜覆い

2009年01月26日 | 俳句雑考

昨秋、猪垣で囲ってあった峠の藷畑は、霜覆いをした冬菜畑に代わっていた。
画像は20日、鹿児島市中山で写す。

    山畠や菜に笹さして霜覆ひ    宗 居

自給用の菜を丹精こめて育てているのであろう。


白梅

2009年01月25日 | 俳句雑考

垣ごしに白梅が咲いているのが見えた。
画像は17日、鹿児島市谷山中央で写す。

    灰捨てて白梅うるむ垣根かな   凡 兆

谷山には、引用句のモデルになりそうな路地がいくらでもある。


実の花

2009年01月24日 | 俳句雑考

峠の山道では、媼が杖をつきながら緑の実をつけた緑の小枝を手折り、籠にためていた。訊ねると「実の花」といって、供華にするのだそうだ。
帰宅して調べてみたが「実の花」がなにか、わからなかった。画像は20日、鹿児島市中山で写す。

    寒中や水なくば供華砂利に埋め    陽 子

実の花は水がなくても、供華として日持ちしそうだった。


寒鮒

2009年01月23日 | 俳句雑考

北総ではカメラ関係の畏友M氏夫妻に招待されて、川魚料理をもてなされた。前菜は鮒の唐揚げ、生まれて初めて食べた。
一昨年の正月過ぎ、北総・本埜村の里山祭を撮ったとき鮒料理に呼ばれたが、時間的な理由から、後ろ髪を引かれる思いで辞退したことを思い出した。画像は17日、栄町で写した。

   寒鮒を焼けば山国夕焼色     青 邨

歳時記によると、この時期の鮒は癖がなく脂肪分が多いそうだが、その通りだった。


利根

2009年01月22日 | 俳句雑考

利根川の土手に上ると、風は穏やかで冷たくはなく、寒の内とは思えなかった。
画像は17日、北総の栄町で撮った。

   利根の水つねに豊かや稲の花    冬 男

作者は利根近くの住民なのだろうか。


裸木

2009年01月21日 | 俳句雑考

ひさしぶりに訪ねた北総では、街路樹のメタセコイアはすっかり葉を落としていた。
画像は16日、印西市原で写す。

       雄ごころを尽して裸木となれり          若狭男

広辞苑を引くと、雄ごころとは「おおしい心」。「おおしい」とは「男らしい」ことで「めめしい」の逆の意。


雪の富士

2009年01月20日 | 俳句雑考

半年まえまで住んでいた北総を訪ねた。途次、新幹線の車窓から眺めた富士は雪を冠っていた。
画像は15日、富士川の橋上あたりから撮った。

   白馬の眼繞る癇脈雪の富士      草田男

北総のベランダから眺めていた遠富士は平面的だったが、間近に仰ぐ富岳は脈々としていた。


たら;紅葉

2009年01月14日 | 俳句雑考

住宅街の空き地に、のびのびとたらが繁り、葉が紅葉しはじめていた。これまで今ごろのたらは、天ぷら用に芽を摘みとられたか落葉して、丸坊主のかたちしか見たことなかった。
画像は13日、鹿児島市谷山中央で写す。

   たらの芽の道あるかぎり摘まれをり   仁 義

たらは原文では機種依存文字の漢字。北総では芽を摘む人間がひとり去ったので、今年からのびのびと枝葉をのばすたらが殖えるはず。


黒猫

2009年01月13日 | 俳句雑考

薄暗がりの山道で黒猫と出会った。画像は6日、鹿児島市玉利で写す。

   緑蔭に黒猫の目のかつと金      茅 舎

出会ったときはすぐには黒猫とは判らず、金色の玉がふたつ光っているので、何だろうと思った。


華の門

2009年01月12日 | 俳句雑考

真冬なのにいろんな花が咲いていて、彩りのある民家の門があった。
右側の門柱の彩りは、装飾だった。画像は10日、鹿児島市谷山中央で写す。

   花の門城の門にとつづきたり       緑 枝

題を「花の門」にしたかったが、歳時記では花は桜花の約束になっている。