春の日差しを浴びながら、木之下川沿いの道をさかのぼった。
やがて舗装が尽きて、青草に覆われた道に変わった。画像は29日、鹿児島市上福元町で写す。
野辺の草草履に踏めば芳しき 子 規
歳時記によると「草芳し」が春の季語。
さくらの下、若者が携帯電話のカメラで、乙女の写真を撮っていた。
画像は22日、鹿児島市平川で写す。
二日灸花見る命大事なり 几 董
二日灸が季語と受けとった。こじつけかもしれないが、歳時記には「花見」は載っているが「花見る」は載っていない。
一部が改装された動物園は、休日とあって賑わっていた。
とくに親子連れで混んでいる場所があったので、のぞいてみると、兎にさわってもいいのだった。
画像は22日、鹿児島市平川で写す。
春日差親に抱かれて兎抱く 信 子
省略されている主語は嬰児、と説明するのは蛇足と思う。
民家の門わきの木に黄色い花が咲いていた。すぐに昨春、主婦から教えてもらったブラジルの国花イペーだと思い出した。
画像は20日、鹿児島市谷山中央で写す。
南米の花すくすくと薩摩の春
引用句を求めて歳時記をめくったが、探し出せなかった。
慈眼寺の渓流沿いの小径を歩いた。画像は18日に写す。
若楓
若楓径をおほひて明るけれ 年 尾
楓の木のあたりは初夏のように明るかった。
渓の音
万緑に抱かれて渓の音弾む 嘉 幸
雨の日が続いたせいか、渓流は水量が豊かだった。
花八分
死支度致せ致せと桜哉 一 茶
桜は満開にみえたが、桜守によると八分咲きだった。作者がながめていたのは満開の桜と思う。
落花
ビルの前庭に真紅の花びらのようなものが散らばっていた。画像は14日、鹿児島市谷山中央で写す。
満開
仰ぐと満開の庭木が見ごろだった。帰宅していろいろ調べてみたが、何の木か判らなかった。
何の木の花とは知らず匂ひかな 芭 蕉
歳時記では花といえば桜の約束になっているようだが、より文学的、詩的なことばであり、梅や桃、椿などにも、さらに植物以外のはなやかなものにも変幻自在にすがたを変えるという説がある。