ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

待春

2009年02月28日 | 俳句雑考

裏通りの民家の壁の模様と組み合わせて、いろんな花が飾るように咲いていた。
画像は26日、鹿児島市谷山中央で撮す。

   見ぬ かたの花咲く春を待つ身かな     大 魯

作者は脳裏の花をみな知っているのであろうが、民家の花はひとつも名前がわからなかった。


金縷梅

2009年02月26日 | 俳句雑考

トックリ椰子の木だろうか、南国的な樹木とならんで金縷梅が咲いていた。
画像は25日、鹿児島市谷山中央で撮す。

      好日の古刹金縷梅明かりかな     猿 子

北総の古刹めぐりをしたくなった。


土佐水木

2009年02月25日 | 俳句雑考

小雨の降るなか、住宅街の空き地に土佐水木が咲いていた。本格的に暖かくならないと咲かない花という先入観が、つぎつぎと覆されている。
画像は24日、鹿児島市谷山中央で撮す。

   土佐みづき南国の雨ひかり降る     み ち

薩摩では日照雨がよく降る。


花豌豆

2009年02月23日 | 俳句雑考

ベランダに豌豆の花が咲いた。画像は22日、鹿児島市谷山中央で撮す。

   仮死の虫あたふたと這ふ花豌豆    南 郎

北総では天道虫がはい出してから、豌豆の花が咲いたものだったが。


躑躅

2009年02月22日 | 俳句雑考

民家の門脇に淡紅色の躑躅が咲いていた。帰宅して調べるとミヤマキリシマ、漢字は深山霧島の色に似ていた。
画像は21日、鹿児島市谷山中央で撮す。

     躑躅赫し愛より強き言葉欲し     芳 堂

俳人は「志」の一語を好むようだが。


御柳梅

2009年02月21日 | 俳句雑考

これまで盆梅しか知らなかった御柳梅が、二月の空いっぱいに咲いていた。
画像は14日、鹿児島市谷山中央で撮す。

   夭折も天寿も梅の花の中    七 種

どういうわけか、梅の咲くころに訃報に接することが多い。


辛夷

2009年02月20日 | 俳句雑考

辛夷が綻んでいた。辛夷の開花は北総時代には昨年と一昨年は3月23日、そのまえの年は3月20日に載せている。
画像は18日、鹿児島市谷山中央で撮す。

   古稀自祝一天辛夷あかりかな    ヨシ子

いまは珍しくもない齢なので、だれも祝ってはくれなかったのだろうか。


無縁墓

2009年02月18日 | 俳句雑考

路傍の無縁墓が篤く祀られていた。さすが生花の消費料が日本一の土地柄だった。
画像は16日、鹿児島市玉利で撮す。

   冬鴎生に家なし死に墓なし     楸 邨

薩摩に骨を埋めるのも悪くはないと思った。


春花繚乱

2009年02月17日 | 俳句雑考

南面の山腹の集落を散策していると、春のいろんな花が咲いていた。画像は16日、鹿児島市玉利あたりで撮す。

 猫柳

山道に猫柳がひっそりと咲いていた。猫柳にはこれまで縁がなく、北総時代をふくめて初めて日記に画像を載せた。

   風やみて日のやさしさよ猫柳     櫻桃子

やんだのは、この時期に吹く「光る風」だったのであろう。

 犬ふぐり

日だまりに犬ふぐりが咲いていた。犬ふぐりの画像は昨年は2月23日、一昨年は1月5日(忘れていたが、正月早々に咲いていたのだった)と毎年のように載せている。 

   犬ふぐり星のまたたく如くなり   虚 子

ぎっしりと咲いているのであろう。

 緑萼梅

野梅が咲いていた。普通の白梅より青みがかっているので、近寄ってみると緑萼梅だった。

   村々に梅咲きて山機嫌よし    章

歳時記には今頃の季語として「山笑ふ」が載っている。

  馬酔木

墓地の隅に馬酔木が咲いていた。

   来しかたや馬酔木咲く野の日のひかり     秋櫻子

作者の代表句。

 紫雲英

棚田に紫雲英、別の名は蓮華草が咲いていた。

    桜島いまし雲脱ぎ紫雲英の上    青 邨

桜島が遠くにみえたが、どのように苦心しても紫雲英と一緒には撮れなかった。

  桃の花

民家の庭に桃の花が咲いていた。木に咲くピンク色の花は、緑の芽が出ているのが桃と憶えている。

   野に出れば人みなやさし桃の花    素 十

桃はやさしいからこそ、女の子の節句の花に選ばれたのであろうと思うのは、発想に新味がなさそうだ。

 椿

山道に赤と白がぶちの椿が咲いていた。歳時記によると「岩根絞り」というらしい。

   赤い椿白い椿と落ちにけり      碧梧桐

写真に撮りたいモチーフ。

 花ミモザ

民家の庭木のミモザが満開だった。

   惜しみなき愛の畢りや花ミモザ    一 司

歳時記によると、ミモザはフランスでは復活祭の花として親しまれているそうだ。

  白沈丁

民家の庭で白い沈丁が芳香を放っていた。

   沈丁の香にひたりゐて過去は過去     占 魚

今が大切。

 謎の花

野の樹にピンクの花が咲いていた。海棠かと思って帰宅してから調べてみたが、ちがうようであり、名は推定もできなかった。

   謎などはもたざり現の証拠の花      凱 夫

隔靴掻痒というか、句意がわかるようで、よく考えると解らない。


猫の恋

2009年02月16日 | 俳句雑考

路上に二匹の猫がうずくまっていた。歳時記によると、この時期の猫は恋に陥っているが、会えた喜びに浸っているのか、別れを悲しんでいるのかわからなかった。
画像は15日、鹿児島市谷山中央で撮す。

    声たてぬ時が別れぞ猫の恋    千代女

路上の猫はニャーニャーとうるさく喚かず静かにしていたので、別れを悲しんでいたのだった。


アイリス

2009年02月15日 | 俳句雑考

ゴールデンウィークのような陽気のなか、公園にアイリスが咲いていた。歳時記には初夏の花として載っている。
画像は14日、鹿児島市慈眼寺で撮す。

   アイリスのひらく有給休暇かな     あつ子

菖蒲、杜若と同じ時期に咲く花のせいか、歳時記にはアイリスの例句がすくない。


雄鶏

2009年02月14日 | 俳句雑考

動物園の放し飼いの雄鶏が、喉をふりしぼって鳴き交わしていた。
画像は12日、鹿児島市平川で撮す。

   雄鶏の胸板厚しひこばゆる      靖 子

言われてみると、たしかに胸板が厚い。