ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

 向日葵

2011年06月30日 | 俳句雑考

民家の玄関わきに向日葵が咲いていた。画像は今朝、鹿児島市谷山中央で撮す。

   向日葵に今日の元気を貰ひたる        未知子

歳時記をめくると「病んでいるので、向日葵が眩しい」といった句意の例句が少なくない。


鬼百合

2011年06月29日 | 俳句雑考

 

路傍の草むらに百合が咲いていた。
鹿子百合のつもりで撮って、帰宅して調べると鬼百合らしかった。画像は27日、鹿児島市平川で撮す。

   父祖は海賊島の鬼百合蜜に充ち      稔 典

鬼ヶ島伝説の遺っている島だろうか。

 


薔薇園

2011年06月28日 | 俳句雑考

 

雨催いのウイークディのせいか、薔薇園に人影がなかった。画像は27日、鹿児島市平川で撮す。

    薔薇園にすれ違ふとき人若し        青 児

交わした挨拶の声が若やいでいたのだと思う。歳時記の薔薇の項には、若さをテーマにした例句がめだつ。
つぎの掲句はこの日記でも引用したことがあった。

   命ある日々が青春薔薇を観に        宏 晃

 


噴水

2011年06月27日 | 俳句雑考

 

役所の前庭の噴水は昨今の電力事情によるのか、丈が短く休みがちだった。
画像は26日、鹿児島市谷山中央で撮す。

   噴水の内側の水怠けをり      広

噴水の内側を観察するのは、俳人か、よほどの暇人に限られると思う。

 


蘇鉄

2011年06月26日 | 俳句雑考

集会所の庭の太い蘇鉄の根元に、蘇鉄が生まれていた。
画像は25日、鹿児島市谷山中央で撮す。

      奧津城の庭の蘇鉄の刈られけり        鳳 作

奧津城が墓所と同じ意味とは、俳句に親しむようになってからも永いあいだ知らなかった。

 


2011年06月25日 | 俳句雑考

緑地帯に枝分かれの多い大樹が生えていた。画像は24日、鹿児島市谷山中央で撮す。

   樹のそばにゐて樹になりぬ子供の日      寿美子

上五中七と読み下して
意味がわからなかったが、下五の「子供の日」で推測できた。
子供が
作者を樹になぞらえて、よじ登り出したのだと思う。

 


燕の子

2011年06月24日 | 俳句雑考

舗道に燕がうずくまっていた。
カメラのシャッターを鳴らすと、カメラを見ながら嘴を少しあけた。画像は22日、鹿児島市平川で撮す。

    燕の子つばめ返しをして見せし      芳 子

平川の燕は、巣立ったばかりの燕の子と推測した。

 


雲の峰

2011年06月23日 | 俳句雑考

久しぶりの青空に雲の峰が湧いていた。画像は22日、鹿児島市平川で撮す。

   握りたる拳の強さ雲の峰       むさし

逃げようかと迷っていたが、雲の峰を仰いでいるうちに闘志が湧いてきたのだろうか。


木槿か芙蓉か

2011年06月22日 | 俳句雑考

民家の生垣に、木槿か芙蓉らしい白い花が雨に打たれていた。
これまで気分次第でどちらかに決め込み、日記に載せてきたが、この際両花を識別できるようになろうと考え、帰宅して「季寄せー草木花」(朝日新聞社)と「俳句の花図鑑」(成美堂出版)の添付写真を観くらべてみたが、識別に失敗した。
画像は21日、鹿児島市谷山中央で撮す。

   道のべの木槿は馬に喰はれけり     芭 蕉
   枝ぶりの日ごとにかはる芙蓉かな     〃

元禄期の歳時記には、写真は載っていなかったはず。


朝市

2011年06月21日 | 俳句雑考

昼下がりになってようやく雨がやんだので、目抜き通りの常設の朝市にいくと、まだ多くの野菜類が残っていた。
画像は20日、鹿児島市谷山中央で撮す。

    朝市の朝の香りの青蜜柑        和 子

アの押韻が快いが、俳人は韻を踏むことは意識しないで作句しているようだ。

 


揚羽蝶

2011年06月20日 | 俳句雑考

 

長雨が続いたあと、ベランダに初めて揚羽蝶がいるのを見た。
なぜ高階まで昇ってきたのか、
蜜柑の葉にとまって羽ばたいていた。画像は19日、鹿児島市谷山中央で撮す。

    蘂につき羽ばたく揚羽嬉しげに      豊 水

引用句からは華やかな舞踊の雰囲気が伝わってくるが、ベランダの揚羽の翅の動きは小刻みで、羽ばたくというよりも震えているようだった。

 


ダリア

2011年06月19日 | 俳句雑考

 

民家の門の傍らに一輪のダリアが咲いていた。画像は今朝、鹿児島市谷山中央で撮す。

    ダリア大輪ルヰ王朝に美女ありき     蓼 汀

腸詰俳句との批判があるかもしれないが、ダとリの重複が快いと感じた。

 


凌霄

2011年06月18日 | 俳句雑考

民家の庭に凌霄が咲いていた。画像は17日、鹿児島市谷山中央で撮す。

   風の凌霄楽の終曲高まりつつ      節 子

頭部の字余りは「腸詰俳句」だとの批判に対して、内在律を伴っていればよいという反論を聞いたことがある。
つぎの掲句は
引用句と同じ破調の聴覚俳句。

   芭蕉野分して盥に雨を聞く夜哉     芭 蕉


登校

2011年06月17日 | 俳句雑考

登校の児童たちは右側通行を守っていた。
画像は今朝、鹿児島市谷山中央で撮す。

   紫陽花の毬の日に日に登校す       立 子

同じ児童たちが下校時には、いつも道いっぱいに広がっている。


双子

2011年06月16日 | 俳句雑考

うしろ姿のよく似た男児と女児が、柵をへだてて麒麟と見つめ合っていた。
画像は14日、鹿児島市・平川動物園で撮す。

    双子とはいふも良く似て甚平着て          たかし

動物園では、うしろに控えていた母親に聞くと一歳七ヶ月の双子だった。