ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

蕗の薹

2007年12月31日 | 俳句雑考

民家の生垣の蕗の芯に、新しい芽が生まれていた。画像は30日、印西市草深で写す。

   蕗の薹すり入れし味噌一人酒   阿 舟

写真を撮ってから、芽をふたつ失敬した。


2007年12月30日 | 俳句雑考

老木の剝げ落ちそうな樹皮を、蔦が支えていた。
蔦の種類はわからなかったが、葉が青かった。画像は25日、印西市草深で写す。

   子が育つ青蔦ひたと葉を重ね     三 鬼

放っておいても子は育つという句意だろうか。作者には戸籍上の妻にも、事実上の妻にも子がいたそうだ。


冬落暉

2007年12月29日 | 俳句雑考

冬至過ぎの手賀沼の落暉を眺めた。
沼上の干網の影が実物のようだった。杭に百合鷗がとまっていた。画像は27日撮影。

   沼統べて冬至の落暉赤かりし      とし夫

歳時記では、冬至の別名が一陽来復である実感を味わった。


印旛村

2007年12月28日 | 俳句雑考

快晴無風、久しぶりに印旛村を訪ねた。画像は27日に写す。

 冬桜

神社の境内に桜がひっそりと咲いていた。枝上には小さな蕾が生まれ、落花の終わった蘂も残っていた。

   冬桜ことば足らざる思ひあり      敬 子

句作を推敲中なのであろうか。

 掛大根

冬の畑に大根が懸けてあった。

   妻と我沢庵五十ばかりかな    五 空

ほかにあまり惣菜はいらないのだろう。

 花三椏

海鼠壁の上に三椏が莟んでいた。

   三椏の花に光陰流れ出す   澄 雄

 新年の嘱目吟と思う。

 薪割り

薪を割っている男に声をかけた。
「写真撮らせてください」
「いいよ、撮りな」
男の返事に息の乱れはなかった。

  薪割りの終りは激す紅梅に    あまり

 一刀両断。

 落葉掃き

媼が落葉を掻いていた。撮影の許しを得ようと大声をあげたが、聞こえないようだった。

   落葉掃く音の風にも似たるかな    怜 子

静かな里。

 焚火

冬桜とは別の神社の境内で、掃き集めた落葉を焚いていた。

   尻あぶる人山を見る焚火かな    喜 舟

境内の人たちに撮影の許しを請うと、つぎつぎと尻をあぶりだした。

  枯野

媼が手押し車を押して、枯野道をゆっくりと歩いていた。

   枯野行く人や小さう見ゆるまで     千代女

媼は近くで見ても小さかった。


葉牡丹

2007年12月27日 | 俳句雑考

市の貸農園に葉牡丹が列をなしていた。
KAWASAKIさんの葉牡丹園の縮図のようだったので、帰宅して調べると、KAWASAKIさんの指導によるものだった。画像は26日、印西市草深で写す。

   葉牡丹の渦の吉相朝はじまる    南 畦

渦は旭を浴びているのであろう。


餅搗き

2007年12月26日 | 俳句雑考

施設「いんば学舎草深」で屈強な男たちが餅を搗いていた。許しを請うて撮りながら、訊ねた。
「正月用には、早過ぎませんか」
「商売用です。売るんですよ」
画像は25日、印西市草深で写す。

   杵にまづ湯気のからまり餅を搗く   東 人

搗く前にこねているのであろう。


水仙

2007年12月25日 | 俳句雑考

路傍の水仙が北風に揺れていた。画像は24日、印西市草深で写す。

   抱かねば水仙の揺れやまざるよ       眸

北風が吹いて寒いのであろう。歳時記によると、水仙は冬の季語。


干し柿

2007年12月24日 | 俳句雑考

家人がベランダに渋柿を干して19日目、黒ずんできたので食べてみた。ねっとりとして、甘味がいつまでも口内に残った。
改修ネットに覆われて日照時間が少なかったため、酒の肴になるのではないかと期待していたのだが。画像は23日、印西市西の原で写す。

   干し柿の暖簾が黒く甘くなる     誓 子

暖簾の黒ずんだ塊から、順ぐりに食べているのであろう。


冬至

2007年12月23日 | 俳句雑考

雨催いの冬至の日、大欅は丸裸だった。
画像は22日、印西市草深で写す。

   けふ冬至餘生こたびはいかならむ       秋櫻子

「昨年の冬至から今日まで生き延びてきたが、こんどの冬至までにはどうなるだろうか」と解釈した。
歳時記によると、冬至と一陽来復は同じ日であり、大欅は見えないだけで、すでに芽を持っているはずだが。  


枯色の雀

2007年12月22日 | 俳句雑考

ひさしぶりにカメラを提げてぶらぶらした。
葉を散り尽くした冬木に、雀たちがとまっていた。画像はきょう22日、印西市草深で写す。

     兄亡くてはや枯色の雀たち     榮 治

草深の雀たちは、枯葉のようだった。


笑う犬

2007年12月17日 | 俳句雑考

ようやく改修ネットが除かれたので、日光浴をしながら写真の整理をしていると、犬が思い出し笑いをしているような画像が出てきた。
撮ったのは昨年4月26日、場所不詳。

   座敷犬人の顔して昼寝せり      瑞 芽

人が一緒に昼寝していて、人犬相似ているのだろうか。


目白

2007年12月16日 | 俳句雑考

椿か山茶花らしい木のなかから、か細くて単調な小鳥の声が聞こえた。
カメラを構えていると、赤い花びらがひとつ落ちて目白が現れ、めまぐるしく枝移りした。画像は15日、印西市草深で写す。

  見えかくれ居て花こぼす目白かな     風 生

一句は観察した結果を、そのまま五七五にまとめたのではないはず。


冬木たち 

2007年12月14日 | 俳句雑考

時雨のなか、並木のメタセコイアの葉が枯れ尽くしていた。画像は6日、印西市原で写す。

   一度くらゐは歩きたかろう冬木たち    繁 子

老いて歩けなくなりたくなかったら、毎日ぶらぶらではなく、せっせと歩くようにと、医者から注意された。  


栗林

2007年12月13日 | 俳句雑考

媼が栗林で枝を竿で叩いていた。枝には実がついていなかった。挨拶し、撮影の事後承諾を得てから聞いた。
「何をしてましたか」
「へっへっへ」
媼は開けた口を手で覆って笑った。
画像は10日、印西市別所で撮影。

    春風にいつまで栗の落葉哉     蝶 夢

媼は枯葉を払い落していたのだろうか。

  追記
先日、わからなかった「お地蔵さん童謡」について、メールで教えていただいた。 

     ♪  村の はずれの お地蔵さんは、
     いつも ニコニコ 見てござる
     仲良し小よしのジャンケンポン ホイ  
     石蹴り 縄跳び かくれんぼ
      元気に遊べと 見てござる
     ソレ 見てござる~