ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

補虫網

2009年07月31日 | 俳句雑考

少女ふたりが補虫網を逆さに握って、空地の雑草を熱心に掻きまぜていた。あたりに補虫籠は,見当たらなかった。
画像は29日、鹿児島市谷山中央で写す。

   補虫網まだ使はれぬ白さもて   貞 雄

ふたりの少女の捕虫網は新品か、新品同様だった。


2009年07月30日 | 俳句雑考

公園の木で蝉が鳴いていた。法師蝉のように翅が透けていた。
画像は29日、鹿児島市谷山中央で写す。

   蝉の音も煮ゆるがごとき真昼かな    蘭 更

翅が透けた蝉はツクツクホーシとは鳴かず、引用句のように鳴いていた。


プール

2009年07月29日 | 俳句雑考

保育園の屋上のプールで、園児たちが歓声をあげていた。画像は28日、鹿児島市谷山中央のベランダから写す。

   プールより四五歩で慣れてあるきだす   達 治

生まれてはじめてプールに入ったのだろうか。


桔梗

2009年07月28日 | 俳句雑考

撫子とともに秋の七草のひとつ、桔梗が咲いていた。暑さのせいかどうか、すこしやつれていた。
画像は27日、鹿児島市谷山中央の民家の玄関脇で写す。

   桔梗や男に下野の処世あり     悦 子

歳時記をめくっていると、桔梗の句にはどういうわけか雄心を詠った作品がすくなくない。


剪定

2009年07月27日 | 俳句雑考

その家のあるじらしい男が生垣を剪定していた。画像は25日、鹿児島市谷山中央で写す。

   剪定の枝揺さぶつて了りけり      慶 子

歳時記では剪定は春の季語になっているが、薩摩では四季を通じてよく見かける。


草取

2009年07月26日 | 俳句雑考

幼女がひとり庭の隅にしゃがんでいた。草を取っているようだった。
画像は24日、鹿児島市谷山中央で写す。

   草を取るしぐさかなしく母病めり     究一郎

幼女は、草取が習い性となった母か祖母のまねをしていたのだろうか。


2009年07月25日 | 俳句雑考

二羽の雀が嘴を接していた。親が子へ口移しに餌を与えているようだった。
画像は23日、鹿児島市谷山中央で写す。

   戒名をつけてやらねば雀の子    六 戈

帰宅して引用句を探しているうちに、親雀は巣立後の子の世話はしないという話を思いだした。梅雨のころ子雀の屍をよく見かけるが、話が事実だとすると、画像の雀はどういう関係で、何をしていたのだろうか。


撫子

2009年07月24日 | 俳句雑考

民家の玄関わきに秋の七草のひとつ、撫子の鉢植えが飾ってあった。画像は23日、鹿児島市谷山中央で写す。

   撫子のまなじりを裂きそめしかな     比良男

まなじりを決する大和撫子を連想した。


タラの花

2009年07月23日 | 俳句雑考

住宅街の空地の楤の木に花が咲いていた。
芽を天ぷらに揚げると旨いので、この植物にはとくに関心があるが、花が咲くとは知らなかった。画像は22日、鹿児島市谷山中央で写す。

   底見えぬ崖に茫々楤の花     知世子

歳時記の秋の部に、楤の花が載っていることも知らなかった。


夏山

2009年07月22日 | 俳句雑考

ひさしぶりに雨らしい雨が降った。ベランダから眺めていると、夏山の尾根越しに雨雲が押し寄せてきた。
画像は今朝、鹿児島市谷山中央で写す。

   夏山や雲湧いて石横たはる    子 規

作者の故郷松山での吟詠だろうか。


2009年07月21日 | 俳句雑考

路上の猫が石垣を仰いでいたので、跳躍の一瞬を撮ろうとカメラを構えた。
画像は20日、鹿児島市谷山中央で写す。 

       猫も野の獣ぞ枯野をひた走る    誓 子

猫が跳躍したのでシャッターを押したが、跳躍が終わったところが写っていた。


瀑布

2009年07月20日 | 俳句雑考

川に二重の段差が設けられ、飛沫があがっていた。画像は19日、鹿児島市慈眼寺で写す。

   落ちてなほ瀑布の白さ失はず    狩 行

歳時記によると瀑布は夏の季語。あまりに暑いので、壮大な瀑布の飛沫を浴びたくなった。


君子蘭  

2009年07月19日 | 俳句雑考

部厚い葉にはさまれて、窮屈そうだったベランダの君子蘭の蕾がひらいて、存在感を示しはじめていた。
画像は18日、鹿児島市谷山中央で写す。

    愛しけやし花咲きのぼる君子蘭     照 子

ベランダの君子蘭も、そのうちに咲きのぼりそうだ。


椰子の花

2009年07月18日 | 俳句雑考

緑地帯の徳利椰子の中心部が赤茶けていた。蘇鉄と同じように、花が咲いたのだと思った。
画像は17日、鹿児島市南栄で写す。

   琉球のいらかは赤し椰子の花     鳳 作

南国を詠った俳句をさがしていると、先日句碑の画像を載せた作者によく出会う。


3色さるすべり

2009年07月17日 | 俳句雑考

民家の玄関わきのさるすべりの木に、赤、白および薄紫の花が咲いていた。
画像は16日、鹿児島市谷山中央で写す。

   さるすべりしろばなちらす夢違ひ    晴 子

広辞苑を引くと「夢違い」は載っておらず、「夢違え」と「夢違う」は載っていたが、同じ意味ではなかった。 三省堂古語辞典には「夢違へ」しか載っていないので、下五はその意味「悪い夢をみたとき、災害が来ないようにまじないをすること」と受けとった。