少女ふたりが補虫網を逆さに握って、空地の雑草を熱心に掻きまぜていた。あたりに補虫籠は,見当たらなかった。
画像は29日、鹿児島市谷山中央で写す。
補虫網まだ使はれぬ白さもて 貞 雄
ふたりの少女の捕虫網は新品か、新品同様だった。
少女ふたりが補虫網を逆さに握って、空地の雑草を熱心に掻きまぜていた。あたりに補虫籠は,見当たらなかった。
画像は29日、鹿児島市谷山中央で写す。
補虫網まだ使はれぬ白さもて 貞 雄
ふたりの少女の捕虫網は新品か、新品同様だった。
公園の木で蝉が鳴いていた。法師蝉のように翅が透けていた。
画像は29日、鹿児島市谷山中央で写す。
蝉の音も煮ゆるがごとき真昼かな 蘭 更
翅が透けた蝉はツクツクホーシとは鳴かず、引用句のように鳴いていた。
撫子とともに秋の七草のひとつ、桔梗が咲いていた。暑さのせいかどうか、すこしやつれていた。
画像は27日、鹿児島市谷山中央の民家の玄関脇で写す。
桔梗や男に下野の処世あり 悦 子
歳時記をめくっていると、桔梗の句にはどういうわけか雄心を詠った作品がすくなくない。
幼女がひとり庭の隅にしゃがんでいた。草を取っているようだった。
画像は24日、鹿児島市谷山中央で写す。
草を取るしぐさかなしく母病めり 究一郎
幼女は、草取が習い性となった母か祖母のまねをしていたのだろうか。
二羽の雀が嘴を接していた。親が子へ口移しに餌を与えているようだった。
画像は23日、鹿児島市谷山中央で写す。
戒名をつけてやらねば雀の子 六 戈
帰宅して引用句を探しているうちに、親雀は巣立後の子の世話はしないという話を思いだした。梅雨のころ子雀の屍をよく見かけるが、話が事実だとすると、画像の雀はどういう関係で、何をしていたのだろうか。
住宅街の空地の楤の木に花が咲いていた。
芽を天ぷらに揚げると旨いので、この植物にはとくに関心があるが、花が咲くとは知らなかった。画像は22日、鹿児島市谷山中央で写す。
底見えぬ崖に茫々楤の花 知世子
歳時記の秋の部に、楤の花が載っていることも知らなかった。
ひさしぶりに雨らしい雨が降った。ベランダから眺めていると、夏山の尾根越しに雨雲が押し寄せてきた。
画像は今朝、鹿児島市谷山中央で写す。
夏山や雲湧いて石横たはる 子 規
作者の故郷松山での吟詠だろうか。
路上の猫が石垣を仰いでいたので、跳躍の一瞬を撮ろうとカメラを構えた。
画像は20日、鹿児島市谷山中央で写す。
猫も野の獣ぞ枯野をひた走る 誓 子
猫が跳躍したのでシャッターを押したが、跳躍が終わったところが写っていた。
川に二重の段差が設けられ、飛沫があがっていた。画像は19日、鹿児島市慈眼寺で写す。
落ちてなほ瀑布の白さ失はず 狩 行
歳時記によると瀑布は夏の季語。あまりに暑いので、壮大な瀑布の飛沫を浴びたくなった。
部厚い葉にはさまれて、窮屈そうだったベランダの君子蘭の蕾がひらいて、存在感を示しはじめていた。
画像は18日、鹿児島市谷山中央で写す。
愛しけやし花咲きのぼる君子蘭 照 子
ベランダの君子蘭も、そのうちに咲きのぼりそうだ。
緑地帯の徳利椰子の中心部が赤茶けていた。蘇鉄と同じように、花が咲いたのだと思った。
画像は17日、鹿児島市南栄で写す。
琉球のいらかは赤し椰子の花 鳳 作
南国を詠った俳句をさがしていると、先日句碑の画像を載せた作者によく出会う。
民家の玄関わきのさるすべりの木に、赤、白および薄紫の花が咲いていた。
画像は16日、鹿児島市谷山中央で写す。
さるすべりしろばなちらす夢違ひ 晴 子
広辞苑を引くと「夢違い」は載っておらず、「夢違え」と「夢違う」は載っていたが、同じ意味ではなかった。 三省堂古語辞典には「夢違へ」しか載っていないので、下五はその意味「悪い夢をみたとき、災害が来ないようにまじないをすること」と受けとった。