ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

冬松籟

2006年12月31日 | 俳句雑考

松の木が悲鳴をあげるほど、北風が強かった。
画像は30日、印西市草深で撮す。

   松籟の上に松籟冬そこに    洞 然

広辞苑によると、松籟と松韻は同じ意味。
松の悲鳴などと表現するのは、風趣に欠けると認めざるをえない。


フレーム 3

2006年12月30日 | 俳句雑考

新しく作り始めたフレームは、これまで骨組みの段階で野ざらしにされていたが、4人がかりでビニールシートを貼っていた。
強い北風に、支えもつシートがはためいて鳴った。
画像は29日、印西市草深で撮す。

   温室に時が許せばなほゐたし      波津女

ビニールを貼り終われば、温室仕事は楽しいと思う。


臘梅

2006年12月29日 | 俳句雑考

暖かい日が二日つづいたせいか、臘梅が咲いていた。
歳時記によると、梅の花のうち臘梅と紅梅は冬の季語。
画像は28日、印西市松崎で写す。

   咲ききりし臘梅の蠟透き通る    朝 子

漢和辞典によると、臘の字には陰暦12月の意味も含まれている。
歳時記によると、蠟梅と表現してもいいらしい。


走る

2006年12月27日 | 俳句雑考

男が数人、刈田道を一団となって走っていた。
あたりの交叉点には信号がなかった。
画像は23日、本埜村笠神で写す。

   ひらりと礼落葉降る中走せながら    草田男

銀杏の葉がひらひらと舞っているイメージがうかぶ。


冬青草

2006年12月26日 | 俳句雑考

栗林いっぱいに、草が青々と伸びていた。
KAWASAKIさんの布佐の葉牡丹園がそうだったように、枯れないように手入れがしてあるのだろうか。
画像は24日、印西市草深で撮す。

   胸あつく冬青草が目にありき        楸 邨

回想句と解釈した。冬の忘れ得ぬ想い出のシーンで、いちめんに草が青々としていたのにちがいない。


竹伐って

2006年12月25日 | 俳句雑考

坂の端に沢山の青竹ならべて切っていた。
なにを作っているのか、聞いてみたかったが、仕事に没頭しているので遠慮した。
画像は23日、本埜村笠神で撮す。

   竹伐つて横たふ青さあらたまり     爽 雨

歳時記では「竹伐る」「竹の春」ともに秋の季語。
引用句からは、ほかの植物なら春の色をした青竹が思いうかぶ。


再掲二題

2006年12月24日 | 俳句雑考
久しぶりに好天にめぐまれて、すこし遠出したが、最近載せたテーマをふたたび掲げる破目に陥った。

  水仙

例年にくらべて水仙の開花が遅い、と書いたのは、観察不足だった。
里山のすそに一列の水仙が咲き競っていた。
画像は23日、本埜村笠神で写す。

       水仙花耳遠くなるまで生きました           政 雄

水仙は耳をかたむけて、聞いてくれたであろう。

  

 

見知らぬ鳥を撮ったので、専門家に問い合わせた。
「冬鵙か」と題して載せた画像をカワラヒワと訂正された専門家であるが、カワラヒワとの回答をいただいた。
画像は23日、牧の原公園で写す。

       石に戯るる水のこゑとも河原鶸        草 堂

鶸の啼きごえはまだ聞いていないので、耳をかたむけたいと思う。


足場はずす

2006年12月23日 | 俳句雑考

高層マンションの外壁の補修が終わって、足場をはずしていた。
足場を受け渡すとき、作業員は気合いの声を掛けあっていた。
画像は21日、印西市西の原で撮す。

   マンシヨンの足場をはずす四温の日     美代子

竣工だろうか。補修が終わったのだろうか。


水仙の蕾

2006年12月22日 | 俳句雑考

学校裏の小径に、水仙の蕾がふくらんでいた。
水仙の列には、離ればなれに蕾がふたつあったが、例年にくらべて、開花が遅いような気がする。
画像は21日、印西市西の原で撮す。

   水仙の蕾のままに活けてあり      梶 朗

蕾のまま活けても、そのうちに開花するのだろうか。


切干大根

2006年12月21日 | 俳句雑考

駐車場のあき地に、千切りに刻んだ大根が干してあった。
車に用があるときは、簡単にどかせるように、切干の台には車輪がついていた。
画像は18日、印西市草深で撮す。

   太陽にちぢむ切干大根かな   ひさを

春のような陽気だろうか。


草深の茅葺

2006年12月20日 | 俳句雑考

草深にも茅葺の古民家があった。
里山に隠れるようにして一軒、屋根だけ見えた。手前の樹木は、庭木のように手入れがしてあるようにみえた。
画像は18日に写した。

   一軒のために冬の日ある如し       みね子

貼替えたばかりの障子に、日があたってまぶしい状景が思いうかぶ。


花壇

2006年12月19日 | 俳句雑考

婦人がマンションの花壇の手入れに余念がなかった。
花好きの住人が私的に設けて、通行人を楽しませている花壇のようだった。
画像は17日、印西市西の原で撮す。

   玉霰花壇はつよき皮膚もてり       道

花壇の土が皮膚のように弾力性があるので、霰を玉のように弾きとばしているのであろう。


薬喰

2006年12月18日 | 俳句雑考

少女たちが歩道の端で立ち食いをしていた。
マンションの自治会による豚汁会の催しらしかった。
画像は17日、印西市西の原で撮す。

      薬喰わりなき人をだましけり       乙 字

歳時記によると、むかしは獣肉は穢れているとして、薬と称してたべたそうだ。
引用句の場合は狸汁だろうか。どんな仮病をつかったのだろうか。