集会所の咲きはじめた桜の木に「助けて!!」の貼紙があり、読むと、切らないでほしいという内容だった。むかしからある「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」という言い伝えを思い出した。画像は30日、鹿児島市谷山中央で撮影。
さきみちてさくらあをざめゐたるかな 節 子
あとは散るしかない運命。
トレッキングにでも出かけそうな身なりの高齢のカップルが、街中を歩いていた。画像は25日、鹿児島市谷山中央で撮影。
登山靴穿いて歩幅の決りけり 比奈夫
カップルのうち、先をいく女の歩幅の方が決まっていた。
少女が幼女を背負っていた。訊くと、姉妹の関係だった。画像は22日、鹿児島市の野頭地区で撮影。
北風衝いて往くなり幼姉妹なり 南 方
作者は北風衝いて往く者に、どういう関係か訊いたのだろうか。
ベランダから眺めた山桜の点景に触発されて、山麓に出かけた。画像は22日、鹿児島市野頭地区で撮影。
観桜
美術館の庭園のはずれの数本の山桜が見ごろだった。
観桜や昭和生れの老人と 敏 雉
観桜や昭和も遠くなりにけり
初燕
燕に似た小鳥が頭上を往ったり来たりした。
初燕送電線に胸を張る 文 音
燕にしては時期尚早と思ったが、電線にとまったので燕だと確かめることができた。
若楓
楓がほかの樹々に先がけて若葉の季節を迎えていた。歳時記では若葉は夏の季語になっている。
動くものみなやわらかし若楓 雅 子
春風駘蕩。
山霞
桜島が霞んでいた。
さながらに羽化登仙の山霞 欣 一
山に登るにつれて霞が濃くなって、仙人になったような気分を味わったのだろうか。
伊作峠に発する永田川の源流を再訪した。念のため近くで野良仕事をしていた住民に確かめると、永田川ではなく住吉ダムの源流だと訂正した。画像は19日撮影。
源流の目覚めうながす初音とも 陽 路
歳時記によると、初音とはその年にはじめて聞く鶯、杜鵑の鳴き声。住吉ダムの源流では鶯の声は聞こえたが、すがたは見えなかった。
曾遊の伊作峠を訊ねた。画像は19日、鹿児島市中山で撮影。
三椏
街道の脇に三椏が咲いていた。
三椏や皆首垂れて花盛り 普 羅
例句はいろんな歳時記に載っていた。
馬酔木
くらがりに馬酔木が咲いていた。
月よりもくらきともしび花馬酔木 青 邨
馬酔木の花も三椏の花のように首を垂れていた。
多羅の芽
多羅の木が芽を出していた。
多羅の芽の十や二十や何峠 波 郷
伊作峠のそれは、天ぷらに揚げるといかにも旨そうな芽だった。
蝶
菜の花にとまっていた蝶にカメラを向けると、飛び去った。
落花枝にかへると見れば胡蝶かな 守 武
錯覚がテーマ。
新幹線の九州全線開通一周年を記念したイベントを見に行くと、黒山の人だかりだった。夕方のテレビのローカルニュースでは、イベントではなでしこジャパンの澤穂希選手や川澄奈穂美選手たちがトークショーに参加したと報じていた。画像は17日、鹿児島中央駅前広場で撮影。
見物の人に足らざる蛍かな たえこ
せっかく見物に行ったのに、蛍を見逃した人が多かったのだろうか。