ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

フラミンゴ

2012年09月30日 | 俳句雑考

開園直後に動物公園に入ると、フラミンゴだろうか、見物客のように見てまわっていた。画像は24日、鹿児島市平川動物公園で撮影。

   冬の園片足折れしフラミンゴ     君 子


一本足で佇んでいる姿を即物的に写生したのだと思う。
「折れし」は「折りたたみし」


2012年09月29日 | 俳句雑考

崩れてゆく陋屋の近くで、媼が草をとって燃やしていた。棲家はどこか知りたいと思い、しばらく眺めていたが、延々と草取りがつづいた。
画像は27日、鹿児島市下福元町で撮影。

    草を取るしぐさかなしく母病めり       究一郎

草取りは媼の本能に思える。


2012年09月28日 | 俳句雑考

動物園に一番乗りすると、サル山ではボスが一族郎党を引き連れてのし歩いていた。画像は27日、鹿児島市平川で撮影。

   人去つて猿臀を掻く夕立雲      石 鼎


去りゆく人へ臀を向けて。

 


彼岸花と稲穂

2012年09月27日 | 俳句雑考

彼岸花と稲穂が対峙していた。画像は24日、鹿児島市中山で撮影。

   稲穂いま乳こもり来し撓ひにあり       梵

作者には下五が字余りの佳句が多いといわれている。


炊煙

2012年09月26日 | 俳句雑考

昼餉まえ。山家の煙突から、おそらく炊煙がのぼっていた。画像は21日、鹿児島市谷山中央で撮影。

   冬入日屯の炊煙透きとほし     龍 男

どんな薪をくべると、煙が透きとおるのだろうか。


瑠璃揚羽

2012年09月25日 | 俳句雑考

瑠璃揚羽が曼珠沙華にとまっていた。画像は24日、鹿児島市中山で撮影。

   揚羽より速し吉野の女学生    湘 子


女学生は袴姿と思う。


運動会   

2012年09月24日 | 俳句雑考

中学校で運動会がひらかれた。画像は23日、鹿児島市谷山中央で撮影。

   胸で切るゴールテープや運動会       啓 子


胸を張って。


お辞儀

2012年09月23日 | 俳句雑考

まわりの雑草をとり除いている老農に対して、パンパスグラスが感謝のお辞儀をしているようにみえた。画像は21日、鹿児島市玉利で撮影。

   母の日のもつとも辞儀の低き母     秋 子

曲がった背中をさらに曲げて。


赤と黒

2012年09月22日 | 俳句雑考

曼珠沙華に黒揚羽がとまった。画像は21日、鹿児島市慈眼寺で撮影。

    曼珠沙華黒き蝶吸ひ寄せてをり      占 魚

赤と黒。


珊瑚

2012年09月21日 | 俳句雑考

珊瑚の上に珊瑚色の魚が休んでいた。画像は20日、かごしま水族館で撮影。

   陵に敷く珊瑚の小片に蟻まぎれ     日差子


蟻も保護色を求めるのだろうか。


紫式部

2012年09月20日 | 俳句雑考

民家の庭の紫式部が色づいていた。画像は18日、鹿児島市谷山中央で撮影。

   冷たしや式部の名持つ実むらさき    かな女

上五は「触れたら冷たかった」、「触れると冷たいだろうか」のどっちだろうか。

 


2012年09月19日 | 俳句雑考

和田川沿いの民家の柿が色づいていた。画像は18日、鹿児島市和田で撮影。

   柿すでに柿色斜陽とどめをり     悟 朗

柿と夕日の照合。


秋桜

2012年09月18日 | 俳句雑考

廃屋跡を利用した菜園に、コスモスが咲いていた。画像は15日、鹿児島市谷山中央で撮影。

   風つよしそれより勁し秋桜    秀 子


花は乱れるが、散らない。


覗く

2012年09月17日 | 俳句雑考

猫が溝のなかを覗きこんでいると、別の猫がやって来て覗いた。画像は15日、鹿児島市慈眼寺で撮影。

   やゝ寒く人を覗ふ鼠かな        乙 州


慈眼寺の猫は、どぶ鼠でも覗いていたのだろうか。

 


彼岸花

2012年09月16日 | 俳句雑考

民家の庭隅に赤、黄、白の彼岸花が咲いていた。画像は15日、鹿児島市谷山中央で撮影。

   なかなか死ねない彼岸花さく       山頭火

作者は野垂れ死を願っていたようだ。