ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

頬白か

2007年01月31日 | 俳句雑考

境内の桜の木に、小さな野鳥が訪れた。頬白と推定した。
画像は30日、印西市松崎で撮す。

   頬白や下枝下枝の芽ぐむ間を   汀 女

いまは冬のさなかにあるが、頬白は季語として、同じ角川書店刊でも新版俳句歳時記には秋の部、角川大歳時記には春の部に載っている。


白沈丁

2007年01月30日 | 俳句雑考

白沈丁が蕾んでいた。
嗅いでみたが、匂わなかった。紅い花と白い花の匂いが同じか異なるか、鼻は昨年のことは憶えていなかった。

   沈丁の咲きはじめたる白さかな   立 子

梅は蕾みはじめた段階で、紅白いずれか蕾だけを見て、わかる人にはわかるのだろうか。沈丁はわかるが。


梅一輪

2007年01月29日 | 俳句雑考

探梅の標木にしている旧家の門前の老樹は、蕾が小さかった。

念入りに見渡すと、一輪だけひらいていた。
画像は28日、印西市草深で撮す。

   むめ一輪一輪ほどのあたたかさ   嵐 雪

広辞苑は梅について「古くはムメとも」と説明。


フレーム 4

2007年01月28日 | 俳句雑考

フレームの戸が開いていた。のぞくと、夫は耕耘機を操り、妻はフレームの内部をいろいろと点検していた。
一礼してカメラをむけると、首肯された。この撮影マナーは、先日の田起しで身につけた。
画像は26日、印西市草深で撮す。

   フレームのため息のごと曇りをり    野生子

活花用の花を栽培しているのだろうか。


草深の寒禽

2007年01月27日 | 俳句雑考

雀と同じか、やや小さい鳥の群が、風のような声で鳴き交わしながら、枝から枝へと渡っていた。
帰宅してから、エナガではないか、というところまで調べたが、エナガは歳時記に載っていないこと、寒禽の項にその場の雰囲気を吟じた例句が載っていたことから、調べは打ちきった。
画像は26日、印西市草深で撮す。

   寒禽の強く短く枝渡る     節 子

草深の寒禽は、画像のイメージとは違って、めまぐるしく動きまわっていた。


蜂の巣

2007年01月26日 | 俳句雑考

辛夷の樹上に小鳥の巣をまた見つけたと思って、よく見ると、蜂の巣らしかった。
画像は25日、印西市草深で撮す。

   蜂の巣のみな出払つて港かな     あまり

養蜂業者が南から北へ旅して運ぶ巣箱のことだろうか。
どうして「港かな」と一句を結んだのかと考えて、出払ったのは蜂ではなく、巣箱だと解釈してみたが、ピントが合っているかどうか、自信はない。


香椿丸裸

2007年01月25日 | 俳句雑考

香椿の木は葉を散りつくして、丸裸になっていた。暖冬のせいか、冬に入っても枝上に枯葉が残っていたが。
画像は24日、印西市草深で撮す。

   裸木に裸の剛さありにけり     良 生

歳時記では、裸木と枯木は同じであるが、引用句は枯木に置き換えられないと思う。

昨年の5月2日付で「香椿若葉」と題して、ピンクのすがたを載せた。

6月13日付では「香椿青葉」と題した日記を書いた。


日向ぼこ

2007年01月24日 | 俳句雑考

ふたりの女の子が公園の置石を背にして、ゲーム機らしいものをいじっていた。
日向ぼこを兼ねているのだろうか。
画像は21日、印西市西の原で写す。

   石がゐて吾が影がゐて日向ぼこ    化 石

普通は「石ありて」と表現するところを「石がゐて」と、いかにも生物のように吟じられているので、石=作者自身と受けとった。


冬の雉

2007年01月23日 | 俳句雑考

雄の雉が冬野で餌を探していた。
こちらに気がつくと、枯葎のなかに隠れた。忍び足で追うと、足もとからいきなり飛びたった。首をすくめて一目散に去った。
画像は22日、印西市草深で撮す。

   四五寸の葎に雉の見えずなりぬ     子 規

雉は春の季語として歳時記には載っている。
引用句の場合は、春になっても枯れたままの葎のように思う。


寒紅梅

2007年01月22日 | 俳句雑考

公園の紅梅がようやく咲いた。
となりの白梅は、まだ蕾が点々としていた。
画像は21日、印西市西の原で撮す。

   紅梅を去るや不幸に真向ひて    三 鬼

作者はその結果、運が開かれたと思う。


田起し

2007年01月21日 | 俳句雑考

田起しがはじまった。歳時記では、田起しは春の季語。
カメラをむけると、農夫がこちらを見たので、カメラを指して一礼すると、首を縦にふった。撮影は許可された。
画像は19日、印旛村造谷で撮す。

      掌に拳一と打ち田起しへ    千 空

鍬一丁の田起しだろうか。


千日紅とバッタ

2007年01月20日 | 俳句雑考

ベランダの千日紅の葉うらに、バッタがじっとしていた。
接写を繰りかえしていると、肢をもそりと動かした。
画像は19日、印西市西の原で撮す。

       こほろぎのとびし千日紅の花       暮 石

バッタもコオロギも秋の歳時記に載っているが、引用句に冬の雰囲気を感じるのは、いまが冬だからだろうか。 千日紅は晩夏の花として載っているとしても。


冬耕

2007年01月19日 | 俳句雑考

霽れて、寒中とは思えほど暖かくなった。
専業の農夫かどうか、深紅のチョッキすがたで耕耘機を操っていた。
画像は18日、印西市宗甫で写す。

   冬耕の農良着を脱ぎて一詩人  勝 夫

歳時記には雨の例句が多く載っているが、晴耕雨吟の俳人が多いのかもしれない。


白障子

2007年01月18日 | 俳句雑考

その家の前庭には、財産を象徴するものがなかった。
障子が白く冴えわたっていた。
画像は16日、印西市松崎で撮す。

   白障子閉ざすはこころ放つなり   ゆう子

その部屋にはインターネットどころか、電話もないにちがいない。


消防車

2007年01月17日 | 俳句雑考

課外授業だろうか、小学生たちが消防車を前に、消防署の職員の説明を受けていた。
出動の準備をした職員も控えていた。みな、資料を手に熱心に聴いていた。
画像は15日、印西市草深で撮す。

   裏町に消防車突進はなやかに   青 邨

火事、消防車は歳時記には冬の季語として載っている。