ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

2013年04月19日 | 俳句雑考

曾遊の滝に行くと、民家の藤の花が滝のようになだれて咲いてい。画像は18日、鹿児島市中山で撮影。

   天心にゆらぎのぼりの藤の花     欣 一


滝をみつめていると、水はとまっていて、背景がせり昇っていくように見えた。


妖花

2013年04月18日 | 俳句雑考

明るくて春らしい花をバックにして、黒いチューリップが咲いていた。画像は16日、鹿児島市平川で撮影。

   チューリップ原色はみな孤独なる      正 幸

チューリップには三原色のうちの赤、黄色はよく見かけるが、青い品種もあるそうだ。


里山

2013年04月13日 | 俳句雑考

遠くの山畑で耕耘機がぽつんと動いていた。画像は12日、いちき串木野市で撮影。

    里山のゆるき稜線柿すだれ      美恵子

薩摩半島でまだ峻厳な山には出会っていない。


白鷺闊歩

2013年04月11日 | 俳句雑考

白鷺が白鷺を従えて、浅瀬を闊歩していた。画像は10日、鹿児島市谷山中央で撮影。

   白鷺のかがやくことをいざ知らず     夏 子


広辞苑によると「いざ」は感動詞「いさ」と混同してできた語だそうだ。


補植

2013年04月09日 | 俳句雑考

機械が苗を植えた田で、農婦がひとりで水に輪を描きながら補植していた。画像は5日、鹿児島市生見で撮影。

   田の補植縦横斜めに水踏んで     豊 水

稲作は孤独な仕事になってしまったようだ。


旅人

2013年04月08日 | 俳句雑考

街道をゆく旅人の笠ならぬ傘の上には、繊維製品が洗濯バサミでとめてあった。画像は6日、指宿市で撮影。

   人も旅人われも旅人春惜しむ     青 邨

薩摩の春は短いので「春惜しむ」の心情がよくわかる。


青鷺

2013年04月07日 | 俳句雑考

春の突堤。鴉が発ち鴎が続こうとしていたが、青鷺が鳶に追随しないようにと諭しているようだった。画像は5日、指宿市で撮影。

   手こぎ舟仙人のやうに青鷺       和

五七五ではないが、合計すると十七音の句は少なくない。

 


鶸渡る

2013年04月06日 | 俳句雑考

田植えの始まった田圃を真鶸か河原鶸らしい色鳥が渡った。鈴をふるように鳴きながら。画像は5日、鹿児島市生見で撮影。

   一羽鳴きみな鳴き鶸の渡りけり     善 昭


帰宅して調べると、歳時記には真鶸は秋季、河原鶸は春季の部に載っていたので、生見の鶸は河原鶸だったかもしれない。