ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

2010年09月30日 | 俳句雑考

朱塗りの鳥居に肢の朱い鳩が近寄ってきた。
画像は29日、鹿児島市鴨池で写す。

   襟巻に一片浮ける朱唇かな     石 鼎

化粧は口紅をさす程度にとどめていた時代の作品と思う。


うろこ雲

2010年09月29日 | 俳句雑考

椰子の木の背景として、うろこ雲が漂っていた。
画像は28日、鹿児島市脇田で写す。

   うつくしき世をとりもどすうろこ雲     狩 行

ここ数ヶ月、ほとんど峯雲か雨雲しか見なかった。


紅葉

2010年09月28日 | 俳句雑考

何の木だろうか、公園の紅葉がはじまっていた。
画像は27日、鹿児島市谷山中央で写す。

   紅葉谷知りつくしたる案内かな    庄 蜂

角川大歳時記には紅葉する木として楓、満天星、葡萄、柿、梅、漆、櫨、桜、白膠木、柞、櫟が季語として掲げられているが、ぜんぶ知っている案内人。


海紅豆

2010年09月27日 | 俳句雑考

海紅豆が咲いていた。画像は26日、鹿児島市谷山中央で写す。

   火の国に火のいろ保つ海紅豆    照 子

海紅豆は県木。ちなみに県花は深山霧島。


秋の名峰

2010年09月26日 | 俳句雑考

櫻島は噴火を休み、錦江湾は客船を浮かべて凪いでいた。
画像は25日、鹿児島市東開町で写す。

   秋富士が立つ一湾の凪畳     五千石

櫻島を二日続けて眺めているうちに、富士山を見たくなった。


稲穂並

2010年09月25日 | 俳句雑考

郊外に行くと、桜島を背にして稲が稔っていた。
画像は24日、鹿児島市滝ノ下で写す。

   美しき稲の穂並の朝日かな    路 通

滝ノ下の穂並はよく垂れていた。

  曼珠沙華

穂並を背にして曼珠沙華が咲いていた。

   近頃の西日冷まじ曼珠沙華    蓼太

歳時記によると「冷まじ」は「スサマジ」と読み、秋の季語。冷然、凄然とした雰囲気なのだそうだ。


なだれ萩

2010年09月24日 | 俳句雑考

民家の石垣の内から外へ、萩が咲きなだれていた。
画像は23日、鹿児島市谷山中央で写す。

   萩の風何か急かるる何ならむ     秋桜子

秋になったら何かしなければならないことがあったが、それが思い出せないという句意がろうか。


木の寺

2010年09月23日 | 俳句雑考

最近改築したらしい木造の寺院に旭がさしていた。
廃仏毀釈が原因か台風対策か、薩摩の仏閣は石造りが多い。画像は17日、鹿児島市谷山中央で撮影。

    新寺の砂にしだるゝ柳哉     許 六

木の香りが清々しそうだ。


西瓜割る

2010年09月22日 | 俳句雑考

ベランダで種から育てた西瓜を割った。
画像は21日、鹿児島市谷山中央で写す。

   こころしづかに明日の吉兇西瓜割る     楸 邨

ベランダの西瓜は吉と出た。


曼珠沙華

2010年09月21日 | 俳句雑考

雨中の緑地帯に曼珠沙華の名にふさわしい花が咲いていた。
画像は彼岸の入りの20日、鹿児島市谷山中央で写す。

   曼珠沙華喜寿と思えぬ美女ばかり  千枝子

そういわれれば、写真で拝見する閨秀俳人は美女ばかりと思う。


夏草

2010年09月20日 | 俳句雑考

コスモスの原種に似た花が線路脇に咲いていた。
写真にして眺めているうちに、関心が線路内に生えている草に移った。
画像は19日、鹿児島市谷山中央で写す。

    夏草に汽罐車の車輪来て止る     誓 子

引込線の終点でSLを受けとめる勁い夏草。


また彼岸花

2010年09月19日 | 俳句雑考

民家の鉢に黄色い彼岸花が咲いていた。画像は18日、鹿児島市谷山中央で写す。

   旅の日のいつまで暑き彼岸花    亞 浪

暑さ寒さも彼岸までというが、作者は南九州でも旅しているのだろうか。


彼岸花

2010年09月18日 | 俳句雑考

駐車場」の隅の草むらに、淡色の彼岸花が群れ咲いていた。
画像は17日、鹿児島市谷山中央で写す。

   彼岸花の白きは幽冥界のもの        白葉女

おなじ花でも歳時記には、曼珠沙華の方が彼岸花より例句が多く載っているが、曼珠沙華は「赤い花ならー」の歌の印象が強いので、引用するのに彼岸花を選んだ。


露草と蓼

2010年09月17日 | 俳句雑考

 露草

民家の庭隅に露草が群れ咲いていたので、庭いじりをしている主婦に声をかけた。
「みごとな露草ですね」
主婦こちらをしばらく見ていたが、ぽつりと言った。
「トレニアといいますが」
帰宅して歳時記ではその名を探し出せなかったので、薩摩露草と命名した。
画像は16日、鹿児島市谷山中央で写す

 蓼の花

道の辺に蓼の花が咲いていた。画像は14日、鹿児島市平川で写した。

    いのちなり露草の瑠璃蓼の紅    波 郷

肺患の成形手術を前にした吟詠と思う。


花丁字

2010年09月16日 | 俳句雑考

民家の生垣に小さな赤い花が咲いていた。
これまでに見たことがないか、見たことがあっても注意を払わなかった花だった。
帰宅して調べた結果、丁字らしかった。画像は14日、鹿児島市平川で写す。

   丁字咲き夫婦が一つづつ咳す       双 魚

一方があくびをすれば、片方もするような夫婦。