ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

拘杞の実

2011年11月30日 | 俳句雑考

住宅街の雑然とした四辻の一角に、赤い実がたくさん生っていた。拘杞ではないかと推測した。画像は29日、鹿児島市上福元町写す。

   拘杞摘むや雲噴きあがる海の方        銑太郎

持ち主のなさそう拘杞の実が、いつまでも摘まれないで残っているだろうか。


蔦紅葉

2011年11月29日 | 俳句雑考

民家の石塀の蔦が紅葉をはじめていた。画像は28日、鹿児島市谷山中央で写す。

   西南の役の弾痕蔦紅葉           峠

西郷隆盛終焉の地城山に、いまも弾痕が残っている。

 


干柿

2011年11月28日 | 俳句雑考

民家の二階の軒に柿が吊してあった。画像は27日、鹿児島市谷山中央で写す。

   手の届くところに掛けて吊し柿        かをる

柿の数がすくないのは、手の届くところに干してあるからだろうか。

 


   晩秋

2011年11月27日 | 俳句雑考

木乃下川の上流まで散歩した。画像は26日、鹿児島市上福元町で写す。

   晩秋の野の明るさを歩きけり       震 生

そして、あっという間に明るい野は枯野と交代する。

 


白煙

2011年11月26日 | 俳句雑考

桜島の背後から白雲がむくむくと湧いた。そのうちに灰色に変わったので、白雲は白煙だったと推定した。画像は25日、鹿児島市谷山中央で写す。

   一汽缶車吐き噴く白煙にくるまる冬         兜 太

温かそうだ。


磯鵯

2011年11月25日 | 俳句雑考

和田川の防波堤に小鳥がとまっていた。既知の鳥と感じたので帰宅して調べてみると、かつて日記に載せた小鳥と似ていた。すこし色が異なるのは雄と雌の違いだろうか。同じ防波堤で撮った写真であり、日記に載せたとき磯鵯の幼鳥らしいとの指摘があった。
画像は24日、鹿児島市谷山中央で写す。

   磯鵯や諸鳥いまだ加はらず        峠

磯鵯は夏の季語。「小鳥来る」は秋の季語なので、まだ加わらないのだろうか。


秋思

2011年11月24日 | 俳句雑考

マント狒々が頬杖のしぐさをして、物思いに沈んでいる様子だった。画像は23日、平川動物公園で写す。

   頬杖に深き秋思の観世音        淡路女

中宮寺の如意輪観音像を思い出した。


大鷭

2011年11月23日 | 俳句雑考

永田川を大鷭が遡っていた。画像は22日、鹿児島市谷山中央で写す。

   渉る鷭の浮かびて行きにけり     茅 舎

「渉る」に「からわたる」とルビ。広辞苑には「わたる」で載っていた。


自転車

2011年11月22日 | 俳句雑考

ロードレースの練習だろうか、男が懸命にペダルを漕いでいた。画像は20日、鹿児島市谷山中央で写す。

   秋桑の照りに自転車疾かりけり      正 雄

自動車を追い越す速さ。

 


ピンクトンボ

2011年11月21日 | 俳句雑考

一か月ほど前、赤蜻蛉と題してブログに載せた画像は、徳之島に生息するピンクトンボと追記で訂正したことがあった。同じ色のトンボを観光施設「奄美の里」でも見かけた。
画像は20日、鹿児島市新栄町で写す。

   小春日や石を噛みゐる赤蜻蛉       鬼 城

いわれてみると、蜻蛉は石を噛んでいるときがある。

 


夕もみじ

2011年11月20日 | 俳句雑考

激しい風雨がうそだったように晴れた夕方、小学校の校庭の公孫樹と山毛欅だろうか、ことしも葉が黄と紅に染まっていた。
ニ樹ともかなり葉が散り落ちた感じだった。画像は19日、鹿児島市谷山中央で写す。

   掃く音も聞えて淋し夕もみぢ       蓼 太

境内に散った紅葉と黄葉を掃いているのだろうか。


思草

2011年11月19日 | 俳句雑考

海辺に南蛮ギセルが咲いていた。画像は14日、南さつま市で撮影。

   溜息のかたちと思ふ思草         直 美

歳時記では、南蛮ギセルの例句は別名の思草も多く紹介されている。万葉集でも歌われているそうだ。

 


 山茶花

2011年11月18日 | 俳句雑考

民家の生垣に山茶花が咲いていた。画像は17日、鹿児島市谷山中央で写す。

   山茶花に雨待つこころ小柴垣      鏡 花

歳時記によると山茶花は冬の花なので、雨は時雨と受けとった。


谷山緑地帯

2011年11月17日 | 俳句雑考

快晴無風。谷山緑地帯を散歩した。画像は16日に写す。

  噴煙

南国的な常緑樹のうえに桜島の噴煙がのぼっていた。

   行く秋の噴煙そらにほしいまゝ        鳳 作

作者は鹿児島市出身。

 単車

緑地帯に沿った産業道路を単車が駆け抜けた。

   相乗りの単車疾駆す神無月        日出夫

運転の若者は背中へ豊胸を押しつけさせて。

 


鳶か鶚か

2011年11月16日 | 俳句雑考

定置網漁の上空を旋回している鳶を撮った。あとで市役所の職員に魚類を食する鷹科のミサゴ(鶚)が棲んでいると聞いて、それかもしれないと帰宅して調べると似ていなくもなかったが、鳶の方にそっくりだった。画像は14日写す。

   秋天に煩悩を絶つ鳶の笛        一 智

鳶のピーヒョロロを最初に笛と表現したのは茅舎といわれている。