ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

百日白

2010年07月30日 | 俳句雑考

民家の板塀の内から外へ、白いサルスベリの花があふれていた。
画像は28日、鹿児島市谷山中央で写す。

    さるすべりしろばなちらす夢違ひ       晴 子

広辞苑によると「夢違え」ならば、悪い夢を見たとき災いを免れるため呪いをすること。「夢違い」を引くとそれだけでは載っておらず、悪い夢を見たとき法隆寺の夢違観音に祈ると、良い夢に変えてくれるという言い伝えがある、と載っていた。


閉店

2010年07月29日 | 俳句雑考

近所のいかにも老舗らしい豆腐屋が、このところ閉じたままになっている。
画像は28日、鹿児島市谷山中央で写す。

    雛納して閉店となる老舗     廣太郎

広辞苑には、閉店の一番目の意味は「店を閉めて、その日の営業を終えること」と載っているが、引用句の句意は二番目の「あきないをやめること」の方だと思う。


猫じゃらし

2010年07月28日 | 俳句雑考

民家の門脇に大ぶりの猫じゃらし、別名狗尾草(エノコログサ)が生えていた。
野生のそれより花穂が紫色だったが、歳時記によるとムラサキエノコロという品種もあるそうだ。
画像は27日、鹿児島市谷山中央で写す。

   猫じやらし持てばじやらさずにはをれず     舞

和漢三才図会に、猫じゃらしを用いてこどもが蛙を釣って遊ぶ、と載っているそうだ。
平成の蛙に、猫じゃらしや柳の枝に跳びつく気概があるだろうか。


露台

2010年07月27日 | 俳句雑考

民家の二階の露台で、夫婦が植物の手入れをしていた。
画像は今朝、鹿児島市谷山中央で写す。

    映画では恋を囁く露台かな      明 俊

「避暑地の出来事」は観ていないが、引用句のような場面がありそうだ。


2010年07月26日 | 俳句雑考

ショッピングセンターの飴売場に、男の子と女の子がしゃがみこんでいた。
画像は24日、鹿児島市卸本町で写す。

   暖かや飴の中から桃太郎      茅  舎

引用句は昭和9年以前に作られたが、ネットで検索してみると、当時とおなじものかどうか、いまでも桃太郎伝説の地岡山で桃太郎飴を売っている。


ふらここ

2010年07月25日 | 俳句雑考

公園でラジオ体操がはじまる前、古タイヤを使ったブランコに乗って女の子たちが興じていた。
画像は23日、鹿児島市谷山中央で写す。

    ふらここの仙客笑めり遺影にて    夫佐恵


黒澤明監督の映画「生きる」を思い出した。


峰雲

2010年07月24日 | 俳句雑考

朝、ベランダから山なみを眺めると、峰雲が朝日に染まっていた。
画像は23日、鹿児島市谷山中央で写す。

人のなす罪より低し雲の峰           一   茶

天空を圧する峰雲。


体操

2010年07月23日 | 俳句雑考

朝、公園でのラジオ体操、指導は男の子だった。
画像は22日、鹿児島市谷山中央で写す。

   伸びきらぬ手足の体操小鳥来る    うめ子

目は閉じているのかもしれない。


苔筵

2010年07月22日 | 俳句雑考

四阿のあたりも苔が青かった。
画像は21日、鹿児島市慈眼寺で写す。

   音もなく紅葉散りゐる苔筵      青 風

慈眼寺の苔筵には病葉が散っていた。


青苔

2010年07月21日 | 俳句雑考

慈眼寺の渓流沿いの磴のあたりは、敷きつめたように苔が青かった。
画像は今朝写す。 

   青苔にちよつところがしてありし石    桃 子

さりげなく見せるため、凝りに凝って配置したのだと思う。


軽鳧

2010年07月20日 | 俳句雑考
軽鳧が4羽の子を率いて木之下川を泳いでいた。
画像は今朝、鹿児島市谷山中央で写す。

 心細く


州に3羽の子があがったが、親がついてこないので心細そうだった。

 心泰く

親から離れない1羽は、心泰そうだった。

   浮くものを軽鳧ときめたる薄暑かな      敦 

俳句の場合は、夏に見かける鴨、だけでなく水鳥を軽鳧と詠んでも証拠がないから、だれかに文句をいわれる心配はなさそうだが、写真の場合はありそうだ。


糸瓜

2010年07月19日 | 俳句雑考

家つづきの糸瓜棚に黄色い花が咲き、ながながとした青い実がぶらさがっていた。
画像は18日、鹿児島市上福元町で写す。

   取りもせぬ糸瓜垂らして書屋かな      虚 子

糸瓜を撮っていると家の方からあるじが現れ、長雨でなかは腐っているいるかもしれないと言った。

 熊蜂

糸瓜の花から花へと、熊蜂が移っていた。

   熊蜂のうなり飛び去る棒のごと     虚 子

うなりの漢字は唸りであろうが、熊蜂は口で唸ってるわけではないので、漢字の表記を避けたのだと思う。


キツネノカミソリ

2010年07月18日 | 俳句雑考

住宅地街の空き地に、キツネノカミソリの花が咲いていた。
画像は16日、鹿児島市谷山中央で写す。

    きつねのかみそり付きの墓地なれば買ふ      悦 子

彼岸花付きであれば句意が解るのだがと、歳時記で彼岸花を引くと、多くある別名のひとつに狐花があった。


烏瓜の花 

2010年07月17日 | 俳句雑考

朝、烏瓜の花が残っていた。
画像は16日、鹿児島市谷山中央で写す。

    薄明を紡ぎて烏瓜の花     浩

引用句のような咲初めを撮りたいのだが、チャンスがない。


干す

2010年07月16日 | 俳句雑考

民家のあるじが洗濯物を干していた。
画像は15日、鹿児島市谷山中央で写す。

    さらし干す夏来にけらし富士の雪     宗 因

富士山の残雪は例年いつ頃までだったか、忘れてしまった。