ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

巣立ち

2006年06月30日 | 俳句雑考

電線に燕が3羽とまっていた。
まだ、颯爽とはとべないようだった。
道路の反対側の家に燕の巣があるので、そこから巣立ったばかりかもしれなかった。
画像は28日、印西市草深で写す。

   親よりも頭勝ちむつくり巣立鳥     多佳子

子燕たちはこれまでは、餌をたらふく食べて育ったのであろう。
これから秋にかけては、南の国までの飛翔力を身につけるために、からだを鍛えて、ひき緊めなければならない。


蜻蛉の翅

2006年06月29日 | 俳句雑考

蜻蛉が木の枝にとまっていた。
いつまでも翅と尾をぴんと張って、威厳のある姿勢を保っていた。
歳時記には、蜻蛉は秋の季語として載っている。
画像は28日、印西市高花で写した。

   蜻蛉の静止の翅に透く暮色     房 子

レースのカーテン越しの黄昏が思いうかぶ。


子犬のワルツ

2006年06月27日 | 俳句雑考

マンション街で若いカップルが犬を散歩させていた。
このあたりは、ほとんどのマンションでペットの飼育が認められているらしく、こうした光景は珍しくない。
画像は25日、印西市原で写した。

   避暑夫人同士の小犬紐縺れ    恵 子

ちかくの別荘から「子犬のワルツ」が聴こえるのだろうか。


緑陰

2006年06月26日 | 俳句雑考

案山子の山畑を訪ねた。
昨年は7月28日付の「野外のいこい」を皮切りに、案山子について何回か日記に書いた。
案山子の代わりにベンチがあった。そのうちに案山子の製作者、小名木さんが野良着すがたで現れそうな気がしたので、腰かけた。
一本丸太のベンチは頑丈だった。柿の木が緑陰をなして涼しかった。木には青く角ばった小さな実がぎっしりとついていた。
しばらく腰かけていたが、小名木さんは現れなかった。
画像は24日に本埜村笠神で写した。

   緑陰に憩ふは遠く行かんため     波津女

オアシスのような緑陰が思いうかぶ。


コスモスの迷路

2006年06月25日 | 俳句雑考

マンションの植込みに、コスモスが咲いていた。
丈は低かったが、咲き競っていた。
昨年も秋になる前に、コスモスについて日記に書いたことを思い出して、調べたところ、偶然、6月25日付で「コスモスの気まま」の題で載っていた。
画像は24日、本埜村滝野で写した。

   コスモスの色の分れ目通れさう   汀 子

数年前まで、印西牧の原駅の西側の広場でコスモスまつりがひらかれ、丈の高いコスモスの迷路が設けられた。
引用句のモチーフは、コスモスの迷路と受けとっては、いけないだろうか。


ままごと

2006年06月24日 | 俳句雑考

路傍の雑草のように、赤飯が咲いていた。
歳時記でたしかめると、秋の部に載っており、アカノママ、アカマンマと読むのだった。画像は21日、印西市草深で写した。

   わが心やさしくなりぬ赤のまま   青 邨

とおいむかしの、ままごとを想いだしたのだろうか。


捕虫網

2006年06月23日 | 俳句雑考

中年の男女が捕虫網をたずさえて、溝川をのぞいていた。
このあたりは、捕虫網をもったこどもはよく見かけるが、おとなは珍しかった。
画像は20日、印西市草深で写した。

   吊皮が当たってばかり捕虫網    宜 愁

あたりに乗りものは駐っていなかった。中年の男女は都心から北総線にのって、余暇をすごしに来たのだろうか。


夏の蝶

2006年06月22日 | 俳句雑考

小さな花にとまって、小さな蝶がはばたいていた。
花も蝶も、名前を知らなかった。
歳時記には、「蝶」だけでは春の季語であり、「夏の蝶」には揚羽が多いと載っていた。「揚羽」で検索すると、夏の季語だった。
画像は21日、北総花の丘公園で写した。

   カルメンのさながらに舞ふ夏の蝶      華 女

舞台のカルメンが蝶のように舞っている、という句意と思うが、夏の蝶がカルメンのように舞っている、という意味かもしれない。


栗の花 

2006年06月21日 | 俳句雑考

民家の裏庭に大きな栗の木が立っていた。
花が満開だった。近寄ると、空気が生ぬるく、においにむせた。
画像は20日、印西市草深で写した。

   舌鋒の一途に対す栗の花       佐 渡

その舌鋒は、鋭いというよりも、粘っこかったのだと思う。


独活

2006年06月20日 | 俳句雑考

梅雨晴間。たっぷりと水分を得て、独活がのびのびと育っていた。
画像は18日、印西市高花で写した。

   独活食うぶ奥歯の音の亡き母よ   太 穂

作者の亡母は歯が丈夫で、天寿を全うされたのだろうか。


梅雨鴉

2006年06月19日 | 俳句雑考

インターネットの接続がおかしくなり、きのうは日記を休んだ。
梅雨のなか、マンションの屋上のアンテナに、鴉のつがいがとまっていた。
つがいはおなじものを見ているようだった。
3月19日に「春雨じゃ」の題で、おなじアンテナに、おなじような姿勢でとまっている野鳥の話を載せたところ、トントンさんからのコメントで、その野鳥は椋鳥だと判明したことがあった。
画像は18日、印西市西の原で写した。

   梅雨鴉にんげんの声出してをり    啓 介

不忍池で、路上生活者と鴉の会話を聞いた経験があるが、そのときは鳥語だった。


捩花

2006年06月17日 | 俳句雑考

バスは定刻になっても現れなかった。
足もとに目をおとすと、捩花が咲いていた。
写真を撮っているとバスが来て、運転手の目は、乗るのか乗らないのか、二者択一を迫っていた。
画像は15日、竹中研究所前(印西市)で写した。

   捩花はねぢれて咲いて素直なり     志解樹

素直な性格に育った少女が拗ねているイメージだろうか。


じゃがいも掘り

2006年06月16日 | 俳句雑考

保育園児たちがじゃがいもを掘っていた。
場違いのところを掘っている子もいた。
画像は15日、印西市草深で写した。

   じやが藷の小粒も数として掘れり    考 芦

掘ったじゃがいもは、小粒も数にふくめると、数えきれそうもなかった。


玉蜀黍の花

2006年06月15日 | 俳句雑考

玉蜀黍の穂が黄色くなっていた。
実も肥えていて、収穫期がまぢかのようだった。
画像は14日、印西市高花で写した。

   毛の国のたうもろこしの花に艶       鉄之介

玉蜀黍に花が咲くとは知らなかったが、よくみると、穂の黄色い部分が花だった。
稲の花を拡大したような感じで、つやつやしていた。