
クロプシュトック侯爵の討伐に、軍事顧問として参加。この時軍律を犯した貴族の兵士を射殺したため投獄されて、生命の危機にさらされる。彼の死友というべきロイエンタールがラインハルトへの忠誠と引き換えにミッターマイヤーの救出を頼んだため、以後はラインハルトに忠誠を誓う。
原作の本伝ではラインハルトが元帥府を開いた時に登場。同盟軍が帝国に侵攻した際は、同盟軍第9艦隊と交戦し、これを撃破。この時、あまりの艦隊のスピードによって、追撃していた同盟軍艦隊に追いついてしまったため、「まるで疾風のようだ」と言われた。以後は”疾風ウォルフ”の名を全宇宙に轟かす。
リップシュタット戦役でも活躍したが、キルヒアイス暗殺直後、オーディンでのクーデターはロイエンタールと共に大功を樹てたため、上級大将に昇進。ラグナロック作戦では先陣を務め、フェザーン占領にも功績を挙げた。
また、バーミリオン会戦の時はヒルダの進言によりハイネセン急襲を決断。自軍だけで行くとあらぬ疑いをかけられるため、ロイエンタールも誘って2人で功績を分かつ。ただしこの前後からロイエンタールが時々おかしな発言をするようになったため、そのたびに窘めている。ロイエンタールも、彼の前では時々本音を吐いてしまった。
ローエングラム王朝では元帥・宇宙艦隊司令長官に就任。レンネンカンプが拉致された事件では、その処置を巡ってオーベルシュタインと対立、「謀略によって国が成り立つか」というセリフはミッターマイヤーの王道を行く人生をよく表している。そのオーベルシュタインとの関係は、無論仲が悪かったのだが、ロイエンタールとオーベルシュタインの不仲が、それぞれ異なる理想像をラインハルトに求めていた(つまりラインハルトの取り合い)ことに起因しているのに対し、単純に性質の違いから気に入らなかった点は面白い。他の提督たちがオーベルシュタインにさんざん陰口を叩くのに対しても、ミッターマイヤーはただ「あのオーベルシュタイン」という言い方にすべてを込めている。
ロイエンタールがラングの謀略によって謀反の嫌疑をかけられたとき、ロイエンタールに会いに行こうとするが、バイエルラインらに止められる。この時ビューローの言うことはたしかに正論なのだが、こういうときに会って激励してこそ親友だと思うのだが。いずれにしてもすべてを投げ打って友人の弁護をする姿は見ていて清々しい。
しかし自らの手で討たなければならなくなったのは悲劇というしかないが、ミナミが初めてこのくだりを読んだ時は双璧の対決に興奮した。
ロイエンタールの死後、彼の遺児を養子にすると同時に、あらためて生涯ラインハルトに忠誠を尽くす決意をした。野心よりも自分の理想を追い求めるタイプだったのかもしれない。その公明正大な人柄と見識の広さはマリーンドルフ伯が国務尚書の後任にしたいと思ったほど。
シヴァ星域の会戦ではラインハルトの側にずっといたためほとんど活躍はしなかった。していたらイゼルローン軍はやばかっただろう。
それにしてもこの長い物語で、最後にしゃべる人物が妻のエヴァンゼリンだとは。敵の大軍を前にしてもひるまないミッターマイヤーだが、求婚の時だけは別だった。後にその話を聞いたラインハルトが、真似をしてヒルダに求婚してマリーンドルフ伯を呆れさせている。
フェザーン遷都の時、はじめミッターマイヤー夫妻にあてがわれた邸宅は非常に広大なものだったが、それを断って、大本営の近くにある普通の民家を借り上げた。このあたりラインハルトと同じく贅沢をしない実用主義者的な面がうかがえる。ちなみにその邸宅は後に結婚したラインハルト夫妻が住む事になる。つまり柊館である。
どうでもいい話だが、作曲家モーツァルトの名前もウォルフガングである。
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