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読書感想文【風の万里 黎明の空 十二国記】

2006年08月25日 01時57分19秒 | 読書感想文
今回は「月の影 影の海」の続編ともいうべきシリーズ。

風の万里黎明の空(上) 風の万里黎明の空(下)

大木鈴は貧農の家に生まれたため、口減らしで奉公に出された。が、途中で蝕にあい、才の国に辿り着いた。言葉が通じないことに困った鈴は、言葉の通じる飛仙・梨耀と出会い、仕える。そして100年間こき使われてきたが、ついに我慢の限界に達し、梨耀の元を脱出。才王である黄姑の元に逃げ込んだ。しかしその黄姑からも追い出されてしまった鈴は、自分と同じく日本から来て最近慶の王になった陽子のところに行こうと決めた。

芳王・仲韃は厳しすぎる法で民衆を縛ったため、諸侯の1人・恵州侯月渓に討たれてしまう。その公主であった祥瓊は月渓の情けにより殺されず、里に出された。が、そこで出自がばれてしまいいられなくなり、仕方なく月渓によって恭王珠晶に預けられた。しかし下女として働くことにプライドが許さず、恭を脱走。慶の王が自分と同じ年頃の女性だと知り、自分が慶の王になってやろうと企てた。

慶の王・景王になった陽子は官の派閥争いにうんざりし、まったく政治を行えない状態に陥っていた。初勅も決まらず、行き詰った陽子は思い切って民の中に混じりこの国のことを知ろうと考えた。

慶に辿り着いた鈴と祥瓊は、和州侯・呀峰と止水郷郷長・昇紘が圧制をしいているのを見て、景王に失望する。いつしか二人はそれぞれレジスタンスに身をおくことになり、昇紘と呀峰の打倒に専念する。そこに陽子も加わり、和州の乱が起きた。危機に陥りつつも乱は鎮圧され、呀峰を影で操っていた前冢宰・靖共の罪も明らかにすることができた。
そして陽子はこの乱を通じて出会った信頼できる部下たちを登用し王朝の新出発をきった。


感想:
特筆すべきは雁・慶・才・芳・恭の五カ国の王が登場するという珍しいシリーズであることか。
途中、鈴や祥瓊がうじうじと語るシーンが多く、辟易してしまわないでもなかったが、最後の終わり方は全シリーズの中でも一番気に入っている。陽子の活躍も読んでて楽しい。