磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

045お腹の赤ちゃんでさえ……

2006年05月02日 | Ra.
ラヂオアクティヴィティ[Ra.]
第一部ブロック・バスター

二、怪物はどちら?

045お腹の赤ちゃんでさえ……



「おばあさん、どうしたの?」
輝代は心配していた。

「大丈夫よ」
と、おばあさんはお腹をおさえながら応えた。

「とっても心配だわ」
ナンシーは胸に手をあてて、英語で話した。

「オー。ワッラ、カエンドガール、ユーアー!」
おばあさんも英語で話しはじめた。

「おばあさん、英語が話せるの?」
ナンシーはおどろいていた。

「ええ、高校の英語の教師だったのよ」
「そう、むこうから、桜田という医師がくるわ。診みてもらったら……」

「いいのよ!」
おばあさんは、二人の顔をうれしそうに見つめた。

「あのー、どうしたの?」
桜田は来るなり、そう話した。

「だいじょうぶです」
「でも、バイタル・サインだけでも、私がみましよう。日陰に行きましょう」

「おーい! こっちは冷房きいているところがあるぞ!」
マイクは叫んだ。

そして、マイクは走ってきて、おばあさんに肩をかしている。
「だいじょぶですか」
さすが、アメリカの少年らしく、活動的である。

勇気は負けてはならずと、もう一方の肩をかした。
「どこかで、こんな光景を見たわね。そうだ。宇宙人が連れられていく写真よ」
桜田はジョークをとばした。

おばあさんにとっては、マイクは宇宙人のようなアメリカ人に違いないが……。

おばあさんは、元気を快復した。
「どうしたんです」
「あのーね、明日は原爆記念日でしよう。
でも、年寄りには人ごみはきついから、前日にお参りをしようと思ったのよ」
「そうなの……」

「おばあさん、子ども死んだの……」
「そう、奇形児だったらしいわ。私は顔も見られなかったし声も聞けなかった。
すぐに、病院の人たちは、連れ去って、どうにかしたのよ」

きっと、処理されたのだろう。
他には考えられない、とマイクは思った。








閑話休題

お腹の赤ちゃんにまで、
影響を及ぼした爆弾。

それを忘れない人たちがいる。
この事実は大切なことだと思います。





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ありがとうございます。






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