磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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原爆児童文学集24 テニアンの少女

2006年05月02日 | 読書日記など
『原爆児童文学集24 テニアンの少女』
     石上正夫・作/井口文秀・絵/汐文社1985年

テニアン島から飛び立ったB29が、
広島、長崎に原爆を落として多くの人を
虫けらのように殺したのですね。




この本も、大人が読んでも読みごたえがあると思います。

広島に大本営がもうけらたころの
こともかかれてあります。下「」引用。

「朝鮮を舞台にして日本と清国が対立して、一八九四年八月一日、日本は清国と戦争をはしぜめた。日本軍は宇品港を出航、ぞくぞくと朝鮮の仁川(じんせん)に上陸を開始した。
 その年の九月八日、大本営が広島にもうけられ 、明治天皇は日本国内の最前線である広島にはいり、直接戦争を地頭するようになった。広島が侵略戦争をささえ、戦争をおし進める軍事都市として発展をする動機は、このようにしてつくられたのであった。」

また、障害者の文学の集まりがあったのですが、
逮捕されたと書かれてあります。

そのころの広島は「広島は広島県ではなく、
戦場へ直結する日本の広島だ」と
いわれていたそうです。

広島や長崎の刑務所の囚人が、
テニアン島の飛行場をつくったそうです。
その飛行場を使ってB29が広島にめかげて
飛び立ったのですね。

こんな表現がありました。石原慎太郎の発言を
思い出しました。同。

「日本人はどうして一等国民なのかな。朝鮮人は三等国民で、チャモロはなんで四等国民なのかしら。」

著者は【あとがき】で四つのことを
書かれておられます。同。

「そのひとつは、日本本土を守るために、約一万におよぶ守備隊が全滅し、在留邦人三千五百名が戦火にまきこまれていのちをうしない、おおくの朝鮮人と少数のチャモロ人までがいのちをうしなったことです。
 第二には、戦死者の遺骨がジャングルのなかや洞窟の暗闇に、まだ放置されたままになっているのを見て、いきどおりをおさえることができませんでした。日本の女性や子どもが海に身を投げたカロリナス岬には、墓標の一本も建てられていなかったのです。
 第三には、テニアン思潮フィリップ・メンディオラ氏に会って、日本が支配していた南洋群島時代、三十年にわたって日本語による皇民化教育がおこなわれたことをきくことができました。そして、おおくのチャモロ人、カナカ人が日本軍とともにたたかい、戦死しまたは戦傷をおい、家財をうしなっても、なんの賠償ももらっていないことを知ったのです。
 第四に、悪魔の落とし子ともいえる原爆が、テニアン島の北飛行場から広島・長崎へはこばれ、日本人の頭上に投下された事実を知ったとき、原爆搭載地点に立って心がふるえました。-略-「鎮魂不戦之碑(ちんこんふせんのひ)」を建立したのが、一九七八年。」

本を書くだけの人ではなく、活動もされています。
うらやましいです。(-_-;)

著者はテニアンについて他にも出版されているそうです。
『万歳岬の虹』(共著・時事通信社)
『玉砕島テニアン』(徳間書店)
『日本人よ忘るなかれ-南洋の民と皇国教育』(大月書店)




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