磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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023被害者を化け物と呼ぶの?

2006年04月10日 | Ra.
ラヂオアクティヴィティ[Ra.]
第一部ブロック・バスター

二、怪物はどちら?

023被害者を化け物と呼ぶの?



「どこが、怖いのよ」
と、季は怒っていた。

「お岩さんは怖い。当たり前だろう。常識だよ」
勇気は狐につままれたような顔をしていた。

「お岩さんは、怖くないわね」
大人しそうな輝代が控え目に主張した。

「どうしてだよ!」
「お岩さんが、どうして怖いのよ」

「そうよね」
輝代と李は顔を見合わせていた。

「うらめしやーだよ」
「その原因を作ったのは誰よ!」

間髪も入れず李は非難した。
輝代は首を上下に動かした。

「原因?」
勇気は顎に手をおき、考えこんだ。

マイクが話し出す。
「それは、男が悪い。出世のために、
愛妻を裏切ったからね。そのうえに、
毒を盛るなんて、最低の男だね」

女の子たちが、
「そうね、それは言えるわ。日本の男って身勝手ね」
「そうね、最低最悪よ」
「怖いのは、男の方ね」
「そうよ、お岩さんって人、その人は被害者なのよ」
全員で非難してきた。

ガーナ人の弁護士とあだ名をつけられた男の子はお岩さんを弁護する。
「そのとおりだね。きちんとした法律のない時代ならば、なおさら、お岩さんはかわいそうだよ。どこに訴え出ていいのか。その時代に裁判所はあったのか?」

「あったと想うけど、こんな民事は相手にしなかったと思うよ……」
「でも、死んだら訴えることは、できないわよ」
ミス・ホームズは笑った。

「まったく、日本人って、おかしいわね」
「そうだね」
「被害者が怖くって、悪いみたいに言って……」
「それが、伝統だって……」

勇気は反論したかったが、どう話せばいいのか。
それでも、何か言わねば、日本の文化を否定されただけなんて、
それは勇気のプライドが許せなかった。

「でも、お岩さんの顔はこ~んなに腫れ上がって、醜いし……」
「おう、それは、被害者ってことでしょう」

「怖くないよ。怖いのは、そんなことを……」
「毒を盛った奴だわ」








閑話休題

今では、
男性がセクシャルハラスメントされる
ケースもあるとか。

ドメスティック・バイオレンスという
家庭内暴力では、女性の
加害者の方が多いという
記事を読んだこともあります。

お岩さんのについても、
upしてあります。





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