磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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104第五福竜丸

2006年06月30日 | Ra.
ラヂオアクティヴィティ[Ra.]
第二部・国境なき恐怖

六、夢の島とヒートアイランド

104第五福竜丸



勇気は一人がっかりしている。
「夢の島って、ゴミ捨て場があるところだよ」

「ゴミ捨て場……」
マイクは首をひねった。

ミス・ホームズは推理を働かせる。
それはきっと、日本にもホームレスがいるときいた。
だから、フィリピンのスモーキー・マウンテンのように、ゴミ捨て場から、再生可能な品物をとりだし、それを売って生活をしている子どもたちがいるのではないかと思った。

「ついたぞ!」
「あれ、ここが夢の島?」
夢の島には、いろいろな施設もある。

「夢の島公園にある第五福竜丸の見学が目的さ」
「福竜丸?」

「それは、マーシャル諸島で被爆した人たちの乗っていた船じゃないのかい?」
「そうだよ。太平洋のビキニ環礁で被曝したという」

「それは、一九五四年三月一日未明のことだって説明してあるよ」
「もう、昔のことだね」

「焼津の母港にしたマグロ漁船「第五福竜丸」かー。遠洋漁業でマグロを取りに行ったのだろうなあー。日本人は寿司好きだからなあー」

「僕も寿司が好きだよ。マグロはツナにしても美味しいよ。サラダなどにも使用されていし。コンビニのお握りも最高!」

「水爆実験かあー。実験だけでも被害があったのだなあー。あの時は特撮といおうか、妙な企画だったけどさあー。あんなことが本当に起きたら、嫌だろうなあー」
勉はあの時、発狂寸前だったような気がする。

「うんざりだよ」
と、マイクはすっぱい物でも食べたような顔をしている。

「広島型の千倍の威力だって。もしかして、世界一の国の方と同じ名前だったりして、それはすごいことね」
と、皮肉をいうミス・ホームズ。

「二十三人の乗組員全員が急性放射能症にかかり、久保山愛吉さんという人は「原爆被害者はわたしを最後にしてほしい」と言い残したそうだよ」

「そうしたいものだよね」
「原爆ではなくって、水爆なのでしょう」
「うん、さっきはそう書いてあったでしょう」
「だったら、原爆症ではなくって、水爆症だよね」
「水爆症、そんな言葉きいたことないなあー」と勉。

一同は映画を見る。
「とってきたマグロも被曝していたそうだよー。それで、第五福竜丸からマグロを買って売ったお店は、売れなくなったのかあー」

「魚屋さんにとっても、商売ができなくなったというわけね」

「初の水爆による死亡者かあー。久保山愛吉さん」
と、行者は手を合わせている。

「でも、“死の海”っていう表現は大袈裟だなあー。だって、今はみんな平気で魚を食べているだろう。魚も元気に泳いでいるさ」

マイクは科学的というよりも、アメリカの悪口をいわれたくないようだ。

「その当時の人たちは、そのくらい深刻に受け止めたってことでしょうね。でも、平気というわけじゃないでしょうね」

「どういうことさ」と、マイク。

「ビキニ環礁の人たちも被曝しているし、その海も汚染されたままだと思うわ」
「でも、死の海というほどじゃないだろう」

「資料を読んだらどうかしら」
と、ミス・ホームズはマイクに冷たかった。

「被曝した福竜丸の人たちのために、日本人は祈ったのね」
と、ナンシー。

「今の日本人なら祈らないかもね」と、勇気。
「どうして、そんなこというの」と、輝代。







閑話休題

第五福竜丸も大きなことですよね。
自分たちには関係がないということ、
まずありえないと思います。

海が汚染されるということは、
われわれの食生活にも関わってきます。
あのような核実験はなくなりましたね。

でも、一部の人たちは、
やはり核実験をしたいようですよ。

写真でたどる第五福竜丸[裏表紙]









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