Rolling 55

「転がる石は苔生さず」いつまでも、いつまでも転がり続け・・・
お池にハマって、さぁ大変!  by belage

砂漠のスキー場 「ドバイ」 [4]  モール・オブ・ジ・エミレーツ

2013年07月05日 16時35分23秒 | ドバイ

ジュメイラ・モスクからタクシーに乗って、ドバイの庶民の生活の場、モール・オブ・エミレーツへ
向かいます。 遥か向こうの方に高層建築群が霞んで。画面右端には世界一の高さを誇る
バージュ・カリファ・ビルが見えます。

地下鉄「エミレーツ・モール」駅から直接モールにアプローチできます。ボク等はタクシー
乗り場から。このモールはかなり巨大なモールですけど、入り口はなんかちょっとシャビー
な感じも。

20数年中東駐在時にもショッピング・センターはありましたが、こんなでっかいモールは皆無
でありました。寧ろボク等は昔ながらの「スーク(アラビア語で市場の意味)」に観光に行った
ものですけど。香辛料の匂いとお香の匂いが入り混じったあの独特の匂いで「ああ、アラブに
来たんだ」と実感したものですけど。このモールにはそういう感覚は生まれません。もう完全に
ヨーロッパ。

明かり採りのドームを支える鉄骨にも細かい模様が入って。手摺の唐草模様も
垢抜けしています。

こういうデザインって最近の流行りなんでしょうね。ロンドンの市街を思わせるような。
東京で言うと、丸の内の三菱一号館のあるブリック・スクエアとかTBSの赤坂サカス
もこういうテイストですね。アラブ人の留学先の一番はやはりロンドン。王族やら
一流のビズネス・マンの殆どは英国留学者。もっと日本にも来て欲しいけど・・・

こちらのフロアーにあったのはヨーロッパの高級ブランド。嘗てドバイは世界一ブランドが
安い時代もありましたが、昨今のネット時代の反映なんでしょうか、世界の各国も競って
アウトレット店を出したりということで以前のような優位性はなくなってきています。

一番変わったのは市民の服装。こちらのカップルがドバイの典型的な正装ですけど、
この姿を探すのが大変。時代は確実に変わってしまいました。この激変は湾岸戦争
で米国がサウジに駐留して以来。

男性の白い服はガンドーラというワンピースの白が基本。夏用と冬用があり、冬用は
グレイの色もあります。頭に巻いているのはガットゥーラといいますが、アラブの国により
色柄が変わります。このガットゥーラはその昔日本製が主流を占めていましたが、繊維
産業の衰退で今は多分中国産、インド産あたりが主流じゃないかしら。ワンピースの
ガンドーラには無地のものの他、細かい綾織りのものがあったり。王族の方たちの
服装なぞ見るとファッションに疎いボクですら、こりゃ高級品だとひと目で分かるような
素晴らしものもあります。結構見慣れてくるとエレガントなんですよね。

そして女性の来ているのはアバヤ。これは黒です。我が家にも昔駐在時代に買った
結婚式用のアバヤがありますが、これが重い重い。理由は絹の金銀の刺繍が施され
ているから。うちの奥様が一度着ましたが、10分持ちませんでした(笑)まぁ、日本の
十二単みたいなもんですね。

この女性のファッションですけど、時々風が吹いたりして裾がまくれ、中のドレスが赤
とか花柄のファッションだったりするとドキッとします。普段黒一色で自らを覆っている
ので、中は思いっきり派手にしたいんでしょうね。女心って万国共通だなと思います。

面白いのは彼女たちが海外旅行する時。アラブの女性は通常自分の財産の殆どを金
に替えています。だから外出時には首に、腕に、手に、足に金を身につけて。それも
日本人が好む18Kは見向きもしないで、24Kが主流ですので、目立つこと目立つこと
(笑)
そして飛行機が国境を超えた辺りで殆どの女性はトイレに駆け込みます。そう、トイレ
でアバヤを脱ぎ捨てて。帰って来る時には素顔を出してミニスカートだったりすると、もう
びっくり仰天です。押しなべて彼女たちの表情がとても晴れやかになっているのが
とても印象的なのです。

さて、このモールを訪問した最大の理由はこれ。あはは、雪だるまでございまする。
ハリボテじゃないよ。本物だよ(笑)

なんとこちらにはスキー場があるんですよ!!!

 

外気温が平気で50度を軽く超えるこの地でスキー場とは!これが見たかったのです。

ガラス張りの向こうにはちゃんとペアーリフトまであって。一本だけですけど、結構まともな
ゲレンデがあるようです。
ボクも昔日本でスキー場を作るなぞという大それたことをやったことがりますけど、確か
人工雪の降雪機は外気温10度以下にならないと良い雪が出来ないとメーカーさんから
教わった記憶が。

40度以上の温度差を作る熱交換器ってどんなスケールになるのか、ちょっと想像がつきま
せんでした(苦笑)

まさに産油国だから出来る業、原発ゼロなんて騒いでいる国ではまず考えられない施設です。

実はボクはこのスキー場は男女別々で男用、女用それぞれにわかれていると想像していたん
です。おまけに民族衣装着用で滑っているのかと。その期待は見事裏切られて。なんだ、
ふつ~のスキー場でふつ~のスタイルじゃないかっ!

実はボクの中東駐在時代、サウディにはスケート場が既にありました。そちらは男女別々で、
あのアバヤ姿の女性とガンドーラ姿の男性がスケート靴履いてやってたんです。当時ボク等
がこの姿を「黒ガラス」と「オバQ」なんて呼んでたんですけど、なんだかその集団が熱心に
滑って転んでしているのを想像しただけで微笑ましいでしょう。

え~と、多分この姿を見たい向きはイランにいらして下さい。まだ屋外のスキー場ですけど、
ボクの理想の(?)姿が今も見られるはずです。