Rolling 55

「転がる石は苔生さず」いつまでも、いつまでも転がり続け・・・
お池にハマって、さぁ大変!  by belage

現代建築の見本市 「ドバイ」 [3]  ジュメイラ・モスク

2013年07月04日 08時14分45秒 | ドバイ

市内観光の一番目はアラブの国に敬意を表してモスク見学から。イスラム寺院です。
場所はペルシャ湾に面したジュメイラ・ビーチという海岸からちょっと入ったところ。この
モスクと海岸の間には低層の高級住宅街が広がっていて、多くの日本人の方たちも
この辺りのコンパウンド(住宅団地)に住んでいるようです。

ホテルから車で15分くらいの距離。なにせ外気温はゆうに45度を超えているので
気軽にお散歩というわけにはいきません(苦笑)今年は世界的に気候がおかしいようで、
例年なら50度を超しても不思議はないのですが、ぐだ~っとするような暑さではありま
せんでした。

3つのドームと二本のミナレットを擁する美しい姿。「ジュメイラ・モスク」と言いますが、
「ジュメイラ」はアラビア語で「美しい」という意味です。

キリスト教の教会建築と比べるとなんやら素っ気ない感じもしますが、極力装飾を削ぎ落とした
モスクの姿は逆に新鮮な感動を与えてくれます。基本的にイスラム教は偶像崇拝を禁じて
いますので装飾に華美を競うようなことはありません。

白亜のドームが青空に映えています。ドームの上に飾られているのは満月でしょうか。
ボクの知っているモスクの飾りは三日月が多かったように思うのですけど、丸のカタチは
珍しいかも。

暑い砂漠の地のアラブではどうしても太陽は嫌われるきらいがあって、やはり崇める
のは月であります。但し、同じアラブでもシバの女王の国「イエメン」には太陽の神殿
と月の神殿のふたつが遺跡として存在しますが、これはイスラム教がアラビア半島に
広く伝播される前のもの。

因みにミナレットというのはアラビア語ではありません。由来はトルコの「ミナレ」から
発生した西欧の言葉。アラビア語では「マナーラ」あるいは「マナール」というそうです。
ミナレットには一日5回のお祈りの時間になると、ここに聖職者が登りコーランを唱えて
くれます。

中東で生活し始めた頃、明け方3時くらいにこのコーランの声に驚いて、一体何事が起きた
んだと眠りを妨げられた思い出が。初めて中東の地を訪れた異教徒はびっくりするもの
なんですけど。人間って不思議で、1週間もすると夜中にこの声で目を覚ますということは
なくなりましたが(笑)

玄関の装飾です。アラブの典型的な装飾、唐草模様。じっと眺めているとなんやらデジャブー
(既視感覚)。そうなんです、日本の神社仏閣にもこれと同じような装飾が結構あるんです。
恐らくはシルクロードを経てこういう装飾が日本にも伝えられたんではないでしょうか。

シルクロードは中国を貫通するマルコ・ポーロが通った陸上の道と海上の道のふたつが
あることは皆さんよくご存知だと思います。ドバイはまさに後者のほう。そしてここから
アフリカのボクがいたケニアのモンバサという港町が終点となります。

玄関ポーチに飾られたランターン。このデザインはキリスト教会にもよく見られます。

壁面を飾る唐草模様のレリーフ。シンプルですが、それだけに引き締まった
美しさを感じます。

尚、この寺院はドバイで唯一異教徒にも開放されています。日・火・木・土の毎朝10時に
玄関前に集合すると寺院内ツアーが出来るのですけど・・・
実はそのツアーに参加するつもりで来たのですが、あはは、本日はお休みですって。
ちょっと残念ではありました。

もし、ドバイに行かれる方がいらっしゃったら、是非見学して下さい。異教徒が見学出来て
写真撮影も出来る場所って世界でも数少ないですから。但し、服装には注意して下さい。
短パン・Tシャツはもっての外。女性は長袖は必須です。それと頭を覆うためのスカーフも
用意していって下さい。ボクですらこの日はクソ暑いのにジャケット着用で来ました。ドバイ
は湾岸戦争以降外国人に対して宗教的に大変寛容になっていますが、こういう宗教施設を
訪問する場合は最低限のマナーは守らないといけません。

ボクが過ごした20数年前はスカート姿で髪を出して歩いた日本女性が石をぶつけられたり
したこともあったくらいですから。