CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

ディランを聴く、その4

2018年05月17日 | Bob Dylan, Byrds, Band and etc.

80年代に入ると、急に宗教にのめり込んだり、そうでなくなったりとちょっと方向性を失っていたのではないかと個人的に思った。

まあ才能のある人だから、チョコ・チョコとやったらアルバムの数枚はいとも簡単に 制作してしまうのだが、聴きての方は敏感で少しマンネリ感が漂ったのか70年代と比べてレコードのセールスは落ちてしまった。

本人が目先を変えてと思ったかどうかは知らないが、新しいアルバム制作のプロデューサーにU2の一連のアルバムで成功を収めた プロデューサー、ダニエル・ラノワを起用することになる。

完成したのが、1989年の26枚目のスタジオ・アルバム、Oh Mercyである。

(ジャケのデザインが何だかニューウェーブバンドみたい)

空間の魔術師の如く、かってU2のギターが空から降って来る様に聴こえると形容された手法で 、ディランのアルバムもラノワ流に立体的なサウンドに仕立て上げられた 。

ディランの歌唱もやや大人しめで、現代的なスッキリした味わいとなった。

アメリカ南部サウンドのアクの強さもしくは泥臭さがなくなったのがよかったのか、イギリスでチャート6位となりゴールド・ディスクを獲得。

またアメリカでも30位で久々にヒットしたアルバムとなり80年代を締めくくった。

アルバムはヒットしたものの、さすが我らのディラン様、その後のアルバム制作でここでのヒットの方程式とでも言える同じアプローチを採らなかった 。

売れた方がもちろんいいけど、別に売れなくともあまり気にしないもんね〜

これを聞いたレコード会社の営業担当者は思わず、Oh Mercy!(もちろん田代まさしのことではなく、神様に向かってどうかご慈悲を!て感じですかね。)と叫んだそうな。

そんな訳ないか。


(ジャケ裏のデザイン、レコード売れようが売れまいがど〜でもいいけんね〜と言ってる様なディランの表情、そんな訳ないか。)