8.志津川と南三陸町震災復興祈念公園-祈り
前谷地で乗り込んだ気仙沼線BRTは、
定刻11:16に志津川へ到着した。
柳津でも乗り込んだ乗客はおらず、
実質的貸し切り状態で志津川まで来た。
2022年7月25日月曜日に気仙沼線BRTを完乗した時に、
志津川を車窓から見て、ここで下車してもいいかなと思った。
しかしこの日は2日目で、帰りの新幹線のこともあり、
予定通り、本吉まで行って後続のBRTに乗り換えた。
しかし陸前戸倉から柳津までの気仙沼線BRT専用道は、
自動運転の実証試験のため使用中止となっていて、
一般道の移動となってしまった。
そこで当時は敢えて乗り潰しのリベンジしないと思っていたが、
キュンパスの発売で気が変わり、ここまで来た。
震災前の鉄道線時代はここより少し離れた場所にあったが、
BRT化に合わせて道の駅さんさん南三陸に隣接して駅舎が建設され、
観光案内やトイレなどが設置されている。
先ずはさんさん南三陸に隣接する南三陸さんさん商店街に行く。
事前に調べた「食楽しお彩」に行き、昼食を喰う。
滞在時間は1時間30分で、
昼食後に南三陸町震災復興祈念公園を見学する。
南三陸町震災復興祈念公園は八幡川の対岸にあり、
ここには中橋が架かっている。
この橋を設計したのは、隣接する南三陸311メモリアルも担当した、
建築家の隈研吾氏である。
木と鉄を組み合わせた人道橋で太鼓橋の形態であるが、
反転する凹んだ橋もあり、川面が近い。
上山八幡宮の参道にも位置し、結界の意味もある。
この橋を渡った南三陸町震災復興祈念公園は、
震災遺稿として残された部分で、復興したさんさん南三陸とは、
きちんと区別する必要があり、そのための橋でもある。
南三陸町震災復興祈念公園には津波を受け、
鉄骨だけが残った防災対策庁舎がそのまま保存されている。
津波の恐ろしさを目の当たりにした。
公園の中央の築山は“祈りの丘”と名付けられ、
頂上には“名簿安置の碑”があり、
志津川町内で犠牲になった方々の名簿が安置されている。
献花台もあったが、供えられていた花は枯れていた。
この日は強風が吹き荒れていて、山頂では立っているのも難儀であった。
再び橋を渡って南三陸311メモリアルの2階に上がり、
更に志津川湾などを撮影し、バス停に行く。
バス停は改築中で隣に臨時のバス停が設置されていた。
ほぼ定刻の12:37に気仙沼線BRTが到着した。
バス停で待っていたのは自分以外に一人だけで、
ここまでのバスには誰も乗車していなかった。
二人だけを乗せたバスは終点の柳津に向けて出発した。
※参考:隈研吾建築都市設計事務所 https://kkaa.co.jp/